この記事では「音速」と「マッハ」の違いを見ていきます。スピードが速いということは、みんなイメージができるでしょう。しかし、「音速」と「マッハ」を混同している人も多いんじゃないか。ここでは、「音速」と「マッハ」の正しい意味や、よく似た言葉の「光速」についても元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「音速」と「マッハ」の違い

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「音速」と「マッハ」。皆さん耳にしたことはありますよね。どちらも「速い」というイメージがありませんか。確かに速い印象を与える言葉ですが、それぞれの表しているものが何なのか、正確に説明できますか。多くの人が案外混同しているこの2つの言葉。まずは、それぞれの意味をしっかり確認していきましょう。

「音速」:音が伝わる速さ

「音速」とは読んで字の通り、音が伝わる速さで、普通は秒速という言葉を使って表します。音というのは物理的な振動で、その振動が空気や水などを揺らし聴覚器官に伝わると、その振動は音として認識されるのです。その振動が伝わるまでの時間を表すのが「音速」

空気中の「音速」は通常、秒速340メートル前後、水中では秒速1,000メートルを超えます。しかし、気温が変わると「音速」も変わりますので、振動が伝わる時間が長くても短くても「音速」であることに変わりはないわけです。

「マッハ」:速さの単位

「マッハ」は「音速」をもとに作られた速さの単位。気温20度の空気中を伝わる音速を基準に、秒速340メートル=時速約1,225キロメートルを「マッハ1」とします。「マッハ2」なら秒速680メートル、「マッハ3」なら秒速1,020メートルとなるわけです。

「音速」は気温などの条件次第で変わることがありますが、「マッハ」は速さの単位ですので、気温などの条件で変わるものではありません。つまり、そのときの実際の音速が秒速何メートルであっても、「マッハ1」は「秒速340メートル」なのです。

「音速」を超える「音速」

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「音速」は音の伝わる速さを表しており、「マッハ1=秒速340メートル」と速さの単位の基準となっていました。実は、この「音速」を超える速さがあるのです。「音速」を超える「音速」をここでは説明していきます。

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#1 「超音速」:マッハ1.3~マッハ5.0

「音速」を超える1つ目の「音速」が「超音速」「超音速」が示す速さは「マッハ1.3~マッハ5.0」。この「超音速」で飛ぶ航空機を「超音速機」と言いますが、そのような航空機があったのをご存じですか。

ブリティッシュ・エアウェイズ(イギリス)とエール・フランス(フランス)が1976年1月21日に就航を開始した「コンコルド」。イギリスのヒースロー空港とフランスのシャルル・ドゴール空港を結ぶ路線は従来機の半分、約3時間30分。速度は「マッハ2=秒速680メートル(時速約2,450キロメートル)」。しかし、コンコルドは高速で運賃が高いわりにシートが狭いなど、ジャンボジェット機ほどの需要がなく、2003年11月26日にラストフライトを迎えました。

現在、「超音速」の航空機は軍用機のみで、民間の航空機で「超音速」のものはありません。ちなみに一般的な戦闘機のスピードは「マッハ2~3」です。

#2 「極超音速」:マッハ5.0以上

もう1つの「音速」を超える「音速」が「極超音速(きょくちょうおんそく)」「音速」の5場以上の速さ、つまり「マッハ5.0」以上の速さを示す言葉です。このような速さで飛行するもので何か思いつくものはありますか。一般の戦闘機のスピードが「マッハ2~3」でしたが、それをさらに大きく上回るものですよ。

それは「極超音速兵器」と呼ばれるミサイル兵器。高度100キロメートル以下を「マッハ5」以上のスピードで飛行するミサイル兵器は迎撃が難しいとされています。ちなみに大陸間弾道ミサイル(ICBM)の速さは「マッハ20」を超えるものもありますが、宇宙空間に打ち上げられ、落ちてくるだけなので、落下の軌道を予測しやすく迎撃システムの開発も進んでいますね。

しかし、すでにこのような兵器を実査に使用している紛争や戦争も起こっていますし、このような兵器を開発をしている国があるのも現実なのです。

「光速」とは何?

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ここでは併せて「光速」についてもちょっとだけ触れておきます。「光速」は光が進む速さのことですね。その速さは「音速」の比ではありません。ちょっと思い出してください。離れたところで花火を見ていると、花火の光は見えるのに、音は遅れて届きますよね。雷も同じように、光ったあと、遅れて音が届きます。

このように光が進む速さは音が進む速さより圧倒的に速いのです。例えば、雷が光って3秒後に音が聞こえたとします。「音速」を秒速340メートルとすると、雷は約1キロメートル先にあるということになるわけです。

ちなみに「光速」はどれぐらいの速さかと言いますと、月から地球までなら2秒かからない程度、太陽から地球までなら約8分で届く速さですね。私たちが見ている太陽の光は約8分前に太陽が放った光ということになりますね。普通に速さの単位を使って表すと秒速30万キロメートル。想像もつかない速さですね。

「音速」と「マッハ」の違いは速さの単位かどうか

「音速」も「マッハ」も速い印象を与える言葉ですが、この2つには明確な違いがあります。「音速」は音が進む速さ、という意味で、気温などの条件次第で実際の速さは変わりますが、一方の「マッハ」は秒速や時速などと同じ速さの単位です。「マッハ1」=秒速340メートルで、気温などに左右されることなく、速さの単位として使われています。

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簡単で分かりやすい「音速」と「マッハ」の違い!飛行機の速度を表す単位はどっち?「光速」についても元塾講師が詳しく解説!

この記事では「音速」と「マッハ」の違いを見ていきます。スピードが速いということは、みんなイメージができるでしょう。しかし、「音速」と「マッハ」を混同している人も多いんじゃないか。ここでは、「音速」と「マッハ」の正しい意味や、よく似た言葉の「光速」についても元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「音速」と「マッハ」の違い

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「音速」と「マッハ」。皆さん耳にしたことはありますよね。どちらも「速い」というイメージがありませんか。確かに速い印象を与える言葉ですが、それぞれの表しているものが何なのか、正確に説明できますか。多くの人が案外混同しているこの2つの言葉。まずは、それぞれの意味をしっかり確認していきましょう。

「音速」:音が伝わる速さ

「音速」とは読んで字の通り、音が伝わる速さで、普通は秒速という言葉を使って表します。音というのは物理的な振動で、その振動が空気や水などを揺らし聴覚器官に伝わると、その振動は音として認識されるのです。その振動が伝わるまでの時間を表すのが「音速」

空気中の「音速」は通常、秒速340メートル前後、水中では秒速1,000メートルを超えます。しかし、気温が変わると「音速」も変わりますので、振動が伝わる時間が長くても短くても「音速」であることに変わりはないわけです。

「マッハ」:速さの単位

「マッハ」は「音速」をもとに作られた速さの単位。気温20度の空気中を伝わる音速を基準に、秒速340メートル=時速約1,225キロメートルを「マッハ1」とします。「マッハ2」なら秒速680メートル、「マッハ3」なら秒速1,020メートルとなるわけです。

「音速」は気温などの条件次第で変わることがありますが、「マッハ」は速さの単位ですので、気温などの条件で変わるものではありません。つまり、そのときの実際の音速が秒速何メートルであっても、「マッハ1」は「秒速340メートル」なのです。

「音速」を超える「音速」

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「音速」は音の伝わる速さを表しており、「マッハ1=秒速340メートル」と速さの単位の基準となっていました。実は、この「音速」を超える速さがあるのです。「音速」を超える「音速」をここでは説明していきます。

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