イヌバラ:ヨーロッパに広く分布する野バラ
「イヌバラ」はヨーロッパに広く分布する「野バラ」です。ヨーロッパ版の「ノイバラ」と認識しても良いでしょう。ヨーロッパだけでなくアラブ諸国など西アジアにまで分布しています。白かピンクの直径5cmほどの花をつける可愛らしい植物です。
また秋にオレンジ色の直径2cmほどの実をつけるのですが、これが有名な「ローズヒップ」。ローズヒップティーはこの実を用いたお茶で、他にもお菓子やジャムの材料として使われます。
モチーフとしてのイヌバラ
ヨーロッパでは「イヌバラ」は非常に多くの芸術作品に登場する植物です。ドイツの国民的詩人ゲーテの詩「野ばら」は、この「イヌバラ」をモチーフとしています。「野ばら」はシューベルト、ヴェルナー、ベートーヴェン、シューマン、ブラームスと早々たる作曲家たちが歌曲をつけたことで有名となりました。
またウィーン少年合唱団が登場するオーストリアの映画「野ばら」も、分布的に「イヌバラ」がモチーフです。
ノイバラは手軽に育てられる
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実は「ノイバラ」は手軽に育てることのできる植物であります。「ノイバラ」は一季咲きのためシーズンに一度しか花を咲かせません。しかし花数が多く壮麗でいて、非常に良い香りを放つため時期を見て育ててみることもいいでしょう。なお「ノイバラ」は私有地や植物の採取が禁じられていない、公共の場から採取してください。
日当たりの良い場所を選ぶ
「ノイバラ」は日光を好む植物です。どのシーズンであっても、日当たりの良い場所で栽培しましょう。しかし西日など極端に日当たりが良い場所では、葉が焼けてしまい枯れる原因となります。自宅の西側など、日当たりが極端に強くなる場所はやめましょう。
土にこだわりは不要、冬は水やりを少なめに
「ノイバラ」はもともと野生種であることもあり、よほど悪い土質でなければ順調に育つ植物。また肥料も与えすぎると病気にかかりやすくなります。できるだけ自然に近い条件の土づくりを心がけましょう。「ノイバラ」は水をどんどん吸収するので水やりは多めでかまいませんが、冬は休眠期なので水やりの回数を少なめにしましょう。
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