借金の補償にする金品を「担保」とか「抵当」と呼ぶな。なんとなく使っている言葉ですが、両者の違いを明確に説明できる人は少ないはずです。
今回は「担保」と「抵当」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

担保と抵当の違い

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金融機関からの融資を受ける際に必ずと言っていいほど耳にする「担保」と「抵当」。補償として差し出すものではあるとなんとなく分かっている人も多いでしょう。この2つの違いはいったいなんなのでしょうか。ここでは「担保」と「抵当」の違いについて解説していきます。

担保:融資を受ける際に貸出人に引き渡される事物

「担保」とは融資を受ける際に貸出人に引き渡される事物のことを指します。要するに「お金を返せなくなった場合に没収する金品」のことですね。貸出人のリスクを軽減する制度です。

抵当:不動産の担保

「抵当」とは「担保」に不動産を当てることです。つまり「抵当」は「担保」の一種と言うことができます。

具体例としてはローンで購入したマンションなど。「抵当」の特徴は貸出人が対象不動産を占有しないということ。ローンを組んだ借受人が、担保としているマンションにそのまま住むことができるということです。返済を続けている限り、貸出人への引き渡しが不要な「担保」なんですね。

担保の種類

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先ほど「抵当」は「担保」の一種と説明しました。それでは「担保」には他にどのような種類があるのでしょうか。ここでは大枠である「物的担保」と「人的担保」の違いから解説していきます。

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物的担保:借受人の資産を補償に充てる

「物的担保」は借受人の資産を補償に充てる制度です。返済できなくなった場合、「抵当権」、「質権」、「譲渡担保」のいずれかで補償します。

「質権」は貸出人が補償対象事物を預かり受ける権利です。「抵当権」との違いは、不動産と違って事物を貸出人が専有できる点にあります。質屋という業態は、この「質権」で営業をしているのです。「譲渡担保」は「質権」と「抵当権」の中間的な制度で、動産でも担保設定ができる仕組み。所有権は貸出人にあるものの、事物自体は借受人が所持できます。

人的担保:第三者に支払いを請求できる

「人的担保」は第三者に支払いを請求できる制度。具体的には「保証人」と「連帯保証人」です。

「保証人」は債権者から請求されたとしても、主債務者が返済できる能力がある場合、主債務者が払い切れる分までは支払い義務がありません。しかし「連帯保証人」は債権者から請求された時点で支払いをしなければなりません。自分が融資を受けているのと同じ状況になります。

抵当権のある不動産を取得した場合の注意事項

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「物的担保」の一種である抵当権。貸出人の不動産であるという前提ながら、住みつつ返済していけるのが最大のメリットです。ここでは抵当権のある不動産を取得した場合の注意事項を解説していきます。

完済したら抵当権を抹消する

「抵当権」は融資の際に不動産の登記簿謄本に記載されますが、借入金完済後に自動で記載が削除されるわけではありません。「抵当権」の記載を登記簿謄本から削除する登記手続き「抵当権抹消登記」が必要です。

支払いの請求がなくなっていたとしても、外部からは借入金が完済されていないとみなされます。そのためその不動産を売却する際に不利になったり、他の融資を受ける際の審査で不利になりえるのです。

抵当権のある不動産を相続したら

「抵当権」のある不動産を相続した場合、当然相続者に支払い義務が生じます。しかし実際は借入金が完済している場合もあるので、まず返済状況を確認することが大切です。完済していたら「抵当権抹消登記」を行いましょう。返済金額が残っている場合、金額次第で相続放棄を検討することも重要です。相続放棄は相続開始から三か月以内と決まっていますので、スピーディに対応しましょう。

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担保は補償、抵当は補償に充てる不動産

ここまで「担保」と「抵当」の違い、「担保」の種類、そして「抵当権」のある不動産を取得した後の注意事項について解説してきました。一口に融資と言っても、いろいろなやり方があることがおわかりいただけたと思います。

「抵当権」や「譲渡担保」は、借受人が事物を使用しながら返済を続けていける「担保」です。計画的に使えば、生活や事業活動において非常に有効と言えるでしょう。

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3分で簡単にわかる担保と抵当の違い!質屋って何?抵当権や譲渡担保も雑学好きライターがわかりやすく解説

借金の補償にする金品を「担保」とか「抵当」と呼ぶな。なんとなく使っている言葉ですが、両者の違いを明確に説明できる人は少ないはずです。
今回は「担保」と「抵当」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

担保と抵当の違い

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金融機関からの融資を受ける際に必ずと言っていいほど耳にする「担保」と「抵当」。補償として差し出すものではあるとなんとなく分かっている人も多いでしょう。この2つの違いはいったいなんなのでしょうか。ここでは「担保」と「抵当」の違いについて解説していきます。

担保:融資を受ける際に貸出人に引き渡される事物

「担保」とは融資を受ける際に貸出人に引き渡される事物のことを指します。要するに「お金を返せなくなった場合に没収する金品」のことですね。貸出人のリスクを軽減する制度です。

抵当:不動産の担保

「抵当」とは「担保」に不動産を当てることです。つまり「抵当」は「担保」の一種と言うことができます。

具体例としてはローンで購入したマンションなど。「抵当」の特徴は貸出人が対象不動産を占有しないということ。ローンを組んだ借受人が、担保としているマンションにそのまま住むことができるということです。返済を続けている限り、貸出人への引き渡しが不要な「担保」なんですね。

担保の種類

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先ほど「抵当」は「担保」の一種と説明しました。それでは「担保」には他にどのような種類があるのでしょうか。ここでは大枠である「物的担保」と「人的担保」の違いから解説していきます。

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