自動車の種類として存在する「ディーゼル車」と「ガソリン車」。
これらはそれぞれ「ディーゼルエンジン」と「ガソリンエンジン」という異なるエンジンを搭載しているのですが、この2つのエンジンの違いについて理解している人は少ないでしょう。
今回は「ディーゼルエンジン」と「ガソリンエンジン」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

燃料と構造の違い

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「ディーゼルエンジン」と「ガソリンエンジン」はまったくの別物であるものの、両者の違いを理解している人はあまり多くないでしょう。特に「ディーゼルエンジン」は業務用の車両に使われることがほとんどのため、一生に一度も勉強する機会がない人もいるはず。ここではまず、両者の燃料と構造の違いについて解説していきます。

ディーゼルエンジン:軽油使用、自然着火

「ディーゼルエンジン」の燃料は軽油です。軽油は薄い黄色をしていますが、他の燃料と区別するため緑色に着色されている場合もあります。沸点が240℃~350℃と高いため、高温高圧の状況下で燃焼しやすい燃料です。

エンジンの構造としては、シリンダー内の圧縮した空気に軽油を吹きかけて自然着火させます。常温下では燃焼スピードが遅いため、燃料消費スピードが遅いのが特徴です。

ガソリンエンジン:ガソリン使用、スパークプラグで点火

「ガソリンエンジン」は名前の通りガソリンを燃料とするエンジンです。ガソリンは無色ですが、他の燃料と区別するためにオレンジ色に着色されています。沸点が30℃~180℃と低いため、常温下で燃焼しやすく、燃料消費スピードは速いです。

「ガソリンエンジン」の構造では「スパークプラグ」という部品で点火。「ガソリンエンジン」はガソリンと空気を混ぜた混合気が爆発することで動き出します。しかし混合気はそれ自体で発火できないため、「スパークプラグ」で点火する必要があるのです。

走行性能の違い

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「ディーゼルエンジン」と「ガソリンエンジン」は、使用する燃料に合わせて構造が異なっています。当然走行性能も違ってくるのです。ここでは両者の走行性能の違いについて見ていきましょう。

\次のページで「ディーゼルエンジン:加速性が良い、馬力がある」を解説!/

ディーゼルエンジン:加速性が良い、馬力がある

「ディーゼルエンジン」は熱効率がよく、加速性能に優れています。「ディーゼルエンジン」はトルク(回転する力の大きさ)が小さくても馬力を発揮するため、坂道や追い越し時に大きく踏み込まなくてもスムーズな加速が可能。馬力があるため、車両重量の重たいバスやトラック、ダンプカーなどに使われています。

ガソリンエンジン:静粛性が高い、高速走行時に安定

「ディーゼルエンジン」は爆発を利用してトルクを回しているため、音や振動が大きいです。「ガソリンエンジン」は「ディーゼルエンジン」に比べトルク回転時の静粛性が高いのが特徴。またトルクの回転数が高いため、高回転が必要となるスポーツカーなどに向いています。つまり高速走行時の安定性が高いのです。

コストの違い

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「ディーゼルエンジン」と「ガソリンエンジン」は、使用する燃料の価格や消費量に応じた燃費の差があり、また構造が違うためエンジン自体の価格も異なります。ここでは「ディーゼルエンジン」と「ガソリンエンジン」のコストに注目して比較しましょう。

ディーゼルエンジン:エンジンは高いが燃費が良い

「ディーゼルエンジン」はエンジンの価格は高めです。「ディーゼルエンジン」は高圧縮に耐える強度と機密性が重要で、製造コストが多くかかります。堅牢な作りのため寿命が長いというメリットがあるものの、メンテナンスコストが高いというデメリットも。走行時に消費する軽油の量は少ないため、燃費は良いと言えます。

ガソリンエンジン:エンジンは安いが燃費が悪い

「ガソリンエンジン」は「スパークプラグ」を用いることで「ディーゼルエンジン」よりも低コストで製造することができます。そのためエンジン価格は安価です。しかし走行時にどんどんガソリンを消費するため、燃費は悪いと言えます。

\次のページで「安全性の違い」を解説!/

安全性の違い

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「ディーゼルエンジン」と「ガソリンエンジン」は安全性の違いもあります。その理由はエンジンの構造が理由というよりは、燃料自体の危険性に差があるから。ここでは「ディーゼルエンジン」と「ガソリンエンジン」の安全性の違いについても見ていきましょう。

ディーゼルエンジン:ガソリンエンジンより安全

「ディーゼルエンジン」は発火事故や引火事故の発生率が低いと言えます。エンジンの機密性が高いことも理由の一つですが、一番大きな理由は軽油が沸点が高いため常温では揮発しにくいからです。ただし寒冷地で燃料が圧縮熱で温まらずエンジンがかからなくなるリスクがあります。

ガソリンエンジン:ディーゼルエンジンより危険

「ガソリンエンジン」は「ディーゼルエンジン」よりも危険と言えるでしょう。エンジン自体は発火しにくいのですが、ガソリンの揮発性の高さが危険性の理由。ガソリンが漏れていたりする状況で周囲に火器や火花が散ると引火する可能性が高いので、くれぐれも注意が必要です。

ディーゼルエンジンとガソリンエンジンは別物

「ディーゼルエンジン」と「ガソリンエンジン」は燃料と構造、走行性能、コスト、安全性とあらゆる面で違っていましたね。両者の特徴を理解し、気を付けて使用しましょう。

日本国内のガソリンスタンドでは、法令により給油機のノズルで燃料の種類が規定されています。赤色がレギュラーガソリン、黄色がハイオクガソリン、緑色が軽油です。絶対に対応エンジンと異なる燃料を入れないように注意してください。

万が一誤った燃料を給油してしまっても冷静に対処しましょう。ガソリンスタンドで気づいた場合スタッフに相談、走行中に気づいた場合エンジンを必ず切りロードサービスにレッカーでの運搬を依頼しましょう。

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3分で簡単にわかるディーゼルエンジンとガソリンエンジンの違い!構造や燃費、寿命も雑学好きライターがわかりやすく解説

自動車の種類として存在する「ディーゼル車」と「ガソリン車」。
これらはそれぞれ「ディーゼルエンジン」と「ガソリンエンジン」という異なるエンジンを搭載しているのですが、この2つのエンジンの違いについて理解している人は少ないでしょう。
今回は「ディーゼルエンジン」と「ガソリンエンジン」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

燃料と構造の違い

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「ディーゼルエンジン」と「ガソリンエンジン」はまったくの別物であるものの、両者の違いを理解している人はあまり多くないでしょう。特に「ディーゼルエンジン」は業務用の車両に使われることがほとんどのため、一生に一度も勉強する機会がない人もいるはず。ここではまず、両者の燃料と構造の違いについて解説していきます。

ディーゼルエンジン:軽油使用、自然着火

「ディーゼルエンジン」の燃料は軽油です。軽油は薄い黄色をしていますが、他の燃料と区別するため緑色に着色されている場合もあります。沸点が240℃~350℃と高いため、高温高圧の状況下で燃焼しやすい燃料です。

エンジンの構造としては、シリンダー内の圧縮した空気に軽油を吹きかけて自然着火させます。常温下では燃焼スピードが遅いため、燃料消費スピードが遅いのが特徴です。

ガソリンエンジン:ガソリン使用、スパークプラグで点火

「ガソリンエンジン」は名前の通りガソリンを燃料とするエンジンです。ガソリンは無色ですが、他の燃料と区別するためにオレンジ色に着色されています。沸点が30℃~180℃と低いため、常温下で燃焼しやすく、燃料消費スピードは速いです。

「ガソリンエンジン」の構造では「スパークプラグ」という部品で点火。「ガソリンエンジン」はガソリンと空気を混ぜた混合気が爆発することで動き出します。しかし混合気はそれ自体で発火できないため、「スパークプラグ」で点火する必要があるのです。

走行性能の違い

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「ディーゼルエンジン」と「ガソリンエンジン」は、使用する燃料に合わせて構造が異なっています。当然走行性能も違ってくるのです。ここでは両者の走行性能の違いについて見ていきましょう。

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