今回はこの2種類の機器の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。
ライター/おおつけ
現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。
DACとヘッドホンアンプの違い
image by iStockphoto
音楽をデジタル信号に変換して取り扱うことが主流になるとともに、オーディオ機器も目覚ましい発展を遂げました。数あるオーディオ機器の中でも混同しがちなのが「DAC」と「ヘッドホンアンプ」。ここではまず、両者の違いについて解説していきます。
DAC:デジタル信号をアナログ信号に変換する機器
「DAC」とは「Digital Analog Converter」の略で、デジタル信号をアナログ信号に変換する機器のことです。
デジタル信号をアナログ信号に変換するとどんなメリットがあるのでしょうか。ミュージシャンが演奏した音楽は、録音した時点ではアナログ信号です。これをデジタル信号(MP3やWAV、FLACなど)に変換したものが私たちがCDやストリーミングサービスで利用している音源。この音源を「DAC」でアナログ信号に戻すことで、録音時に近い音質を楽しむことができます。
こちらの記事もおすすめ
3分でわかるFLACとMP3の違い!MacやWindowsでの変換方法は?保存方法・音声ファイルの形式について音楽好きWebディレクターがわかりやすく解説!
ヘッドホンアンプ:音声信号を増幅する機器
「ヘッドホンアンプ」とは単にヘッドホンで聴ける程度に音声信号を増幅する機器のことです。ヘッドホンだけでなくイヤホンにも対応しています。アンプとはアンプリファー(増幅器)の略。「ポータブルヘッドホンアンプ」という携帯用の「ヘッドホンアンプ」もあり、それらは「ポアタン」と略されることもあります。
PCやスマートフォンにも標準の「ヘッドホンアンプ」は搭載されていますが、音圧(音量ではなく音のパワー)が貧弱。そのため音圧にこだわる人は別売りの「ヘッドホンアンプ」を使用するのです。
こちらの記事もおすすめ
イヤホンとヘッドホンの違いって?選び方や音質の高め方、耳への負担などをオーディオオタクがわかりやすく解説
アンプの種類
image by iStockphoto
アンプには「ヘッドホンアンプ」以外にもさまざまな種類があります。代表的なものとしてはスピーカー向けの「スピーカーアンプ」や、エレクトリックギター向けの「ギターアンプ」などなど。ここでは各アンプの特徴を解説していきます。
こちらの記事もおすすめ
3分でわかるオーディオインターフェイスとアンプの違い!見た目や機能・使い方の違いを雑学好きライターが詳しくわかりやすく解説
スピーカーアンプ:スピーカー向けに増幅
「スピーカーアンプ」とはスピーカー向けに音声信号を増大する機器です。家庭用の小型のモデルもあれば、業務用の大型のモデルも存在します。例えばリビングで流すのであれば小型の「スピーカーアンプ」、大規模な会場で講演会などを開くのであれば「スピーカーアンプ」がそれぞれ活躍しているのです。
こちらの記事もおすすめ
3分で簡単にわかるスピーカーとサウンドバーの違い!使い方とサラウンドについても雑学好きライターが詳しく解説
ギターアンプ:エレキギター向けに増幅
「ギターアンプ」はエレキギターこと、エレクトリックギターの音声信号を増大する機器です。エレクトリックギターが弦の振動をキャッチし音声信号として送信します。その信号を受け取って増大するのが「ギターアンプ」です。ライブハウスやバンドスタジオに置かれている「ギターアンプ」は、「キャビネット」と呼ばれる専用スピーカーとセットになっていることがほとんど。
エレクトリックベース向けの「ベースアンプ」というものも存在しています。
こちらの記事もおすすめ
エレキギターのテレキャスとストラトの違いとは?初心者にはどっちがおすすめ?音の違いや構造も元バンドマンがわかりやすく解説
DACとヘッドホンアンプの効果的な使い方
image by iStockphoto
「DAC」と「ヘッドホンアンプ」は、それぞれ音質向上が見込めるため、個別でPCやスマホに接続して問題ありません。しかし同時に使うことで、さらなる音質向上が見込めるんです。ここでは「DAC」と「ヘッドホンアンプ」の効果的な使い方を解説していきます。
DAC→ヘッドホンアンプの順でつなぐ
つなぐ順番は「DAC」→「ヘッドホンアンプ」が通常です。これは「DAC」でデジタル信号からアナログ信号に音声信号が変換された際に発生する音痩せという現象が理由。音痩せとは変換時に電気的な抵抗により一部の音声信号が欠落すること。つまりは音質が上がるけれど音圧が下がる状態になってしまうのです。
これを「ヘッドホンアンプ」で補完することで、アナログの伸びやかな音声にしっかりとした芯の太さが加わり、原音に近い音声表現を実現できます。
DACとヘッドホンアンプが一緒になった機器もある
「DAC」と「ヘッドホンアンプ」を別々で購入し接続するには、ケーブルなどの付属品も必要ですし初心者には調整が難しいものです。その場合は「DAC」と「ヘッドホンアンプ」が一緒になった機器がおすすめ。PCやスマホに直接接続するだけで、簡単に音質向上が見込めます。
\次のページで「DACは信号を変換、ヘッドホンアンプは信号を増幅」を解説!/