簡単でわかりやすい!保冷剤と蓄冷剤の違いとは?読み方や特徴・使い分けも現役塾講師がわかりやすく解説
ライター/空野きのこ
大学在学中から文学・国文法や教育について本格的に学び、現在は小中学生に勉強を教えている講師。その知識と経験を活かし、言葉の雑学を中心に分かりやすく解説していく。
「蓄冷剤」は何と読む?
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「保冷剤」と比べると、それほど馴染みのある言葉ではありませんので、「蓄冷剤」を何と読むかわからないという方もいらっしゃるかと思います。そこで、まずは「蓄冷剤」の読み方をお教えしましょう。「蓄」という漢字は、訓読みで「たくわえる」、音読みで「チク」と読む字ですので、「蓄冷剤」は「ちくれいざい」と読みます。
保冷剤と蓄冷剤の違いをざっくり説明
まずは「保冷剤」と「蓄冷剤」のおおまかな違いについて説明しましょう。「保冷剤」も「蓄冷剤」も、どちらも「主に食品など、温度が高くなってしまうと困るものの冷たさをキープするための薬剤、あるいは、それを小袋や容器などに入たもののこと」を指し、基本的には同じものを指します。
ただし、厳密に言えばやはり「保冷剤」と「蓄冷剤」という言葉自体の意味は違いますし、「保冷剤」と「蓄冷剤」が使い分けられる場面もありますので、今回はそれらのことについて、ていねいに説明していきましょう。
保冷と蓄冷の言葉の違いについて説明
さきほど、「保冷剤」も「蓄冷剤」も同じように「温度が高くなると困るものの冷たさをキープするための薬剤、あるいは、それを小袋や容器などに入たもの」のことを指すものの、言葉としての意味には違いがあると説明しましたね。
そこで、ここからは「保冷剤」と「蓄冷剤」という言葉に対する理解を深めるため、「保」と「蓄」という漢字に着目しながら、「保冷」と「蓄冷」の違いについて説明したいと思います。
「保」は赤ちゃんを背負って大切に育てること
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まず、「保冷剤」の「保」という字について由来から説明しましょう。「保」の右側の「呆」は赤ちゃんをオムツでつつんだ形、あるいは頭の大きな赤ちゃんの形を文字にしたと考えられています。ですので、その「呆」に「亻(にんべん)」をそえた「保」という字は、赤ちゃんを背負っている様子をあらわし、そこから、「養い育てる」や「大切にする」ことを意味すると考えられているのです。
そして、やがて「保」という字は「大切にする」ことから派生し、「その状態や事物を変わらない状態でキープする」つまり「たもつ」という意味を持つようになりました。このような意味の「保」という字を使っていることから、「保冷」は「対象(温度が高くなると困るもの)の冷たさを保つ」ことを意味し、「保冷剤」という言葉は「対象の冷たさを保つための薬剤」を意味します。
「蓄」は塩をためこむ様子が由来?
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次に「蓄」という字について説明しましょう。「蓄」という字は「くさかんむり」の下に「畜」と書きますが、この「畜」は塩を入れたカゴの口をひもで結んぶ様子を字にしたものと考えられ、もともとは塩をカゴの中にため込む、つまり「たくわえる」意味を持っていました。しかし、「畜」はやがて「家畜」や「畜産」、「牧畜」などの単語があるように、動物などを「やしなう」や「飼う」という意味で使われるようになったのです。
そこで、「畜」に「くさかんむり」をつけ加え、「たくわえる」意味を持つ「蓄」という字が作られました。ですので、「蓄」という字を使った「蓄冷」は「冷たさを蓄える」ことを意味し、「蓄冷剤」という言葉は、「対象(温度が高くなると困るもの)の温度を冷たく保つために、冷たさを蓄えているもの」のことを意味します。
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