この記事では「with」と「by」の違いを見ていきます。どちらも「手段」を示す前置詞として使われるが、どんな手段だと「with」なのか「by」なのか。例文を挙げながら留学経験がある元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「with」と「by」の違い

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「with」も「by」も何かをする方法を伝えるときに使う前置詞ですが、文法書では「with」が道具で「by」が手段とありますよね。少しわかりにくいと感じている人も多いと思いますが、次のように考えると少しわかりやすくなるのではないでしょうか。ということで、まずは「with」と「by」の使い分けを説明しますね。

「with」:道具・体の一部/他の手段がない場合

「with」で方法を示すとき、まずポイントとなるのは、後に続くのが「道具」や「体の一部」ということ。ペンで書く、指で押す、スマホで撮る、など、「with」がもつコアイメージを理解できると分かりやすいでしょう。「with」のコアイメージは付随するものと一緒にいる、ということ。

また、「with」を使うもう1つのケースは、「ほかに手段がない場合」。「ペンで書いてください」とある場合、記入する道具はペンだけですよね?このように他に手段の選択肢がない場合に使うのが「with」と考えても使い分けができるでしょう。

1. I took photos with my iPhone.
「自分のiPhoneで写真を撮った。」
2. Please fill in this form with this pen.
「このペンでこのフォームに記入してください。」
3. They ate Japanese food with chopsticks.
「彼らは箸で日本食を食べた。」
4. She pointed it with her finger.
「彼女はそれを指で指し示した。」

文法上の注意事項として、「with」の後に続く名詞(可算・単数)には冠詞などが必要です。

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「by」:交通手段・連絡手段/他の手段がある

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「by」で方法を示すとき、後に続くのは「交通手段」や「連絡手段」。車で、自転車で、メールで、電話で、のような場合。文法上の注意としては、後に続く名詞は「無冠詞(aやtheがつかない」ということ。また、後に「動名詞」が続く場合も「by」を使います。

もう1つのポイントは「他に手段があること」です。例えば、「車で行く」という場合ですが、車以外の交通手段がある中で、車を選んでいますよね。他に手段がないときに使う「with」と異なり、「by」は他の手段が考えられるときに使うというのも違いの1つと考えられますよね。

1. I went to the office by car.
「車でオフィスへ行った。」
2. I will contact you by email later.
「あとからメールで連絡しますね。」
3. Many people go to work by train.
「多くの人が電車で通勤しています。」
4. My friend in the U.S. learns Japanese by watching Japanese anime.
「アメリカにいる友人は日本のアニメを見て日本語を勉強しているんだ。」

1と3ですが、オフィスや仕事に行く交通手段は、徒歩、バス、自転車、バイクなど他の選択肢がありますが、1では車を、3では電車を選んでいます。2では電話、手紙などの連絡手段がある中で、メールを選んでいますよね。このように複数の選択肢が考えられる場合には「by」を使います。

4ではスクールやオンライン、テキストでの自学など複数ある学習手段の中からアニメを見るという手段を選んでいますが、この場合は後に続くのが動名詞なので「by」以外はない、と考えていいでしょう。

「with」「by」以外で手段を表す前置詞

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手段を表す前置詞としてまず押さえておくのは「with」と「by」ですが、他にもありますね。ここでは、手段を表す他の前置詞について説明します。

#1 「on」

「on」を使うのはどんな手段のときでしょうか。大きく分けて2つあります。まず1つめは「音が出る楽器や機器」を使っているとき。ラジオで、テレビで、コンピューターで、のような絵場合ですね。通常は冠詞を付けますが、テレビは抽象的な単語ですので、「on TV」と無冠詞です。また、映画はスクリーンが大きく包み込まれるような感じですので「in the movie」となります。

もう1つは、「ソーシャルメディア」などを使う場合。オンラインで、ネットで、ツイッターで、などですね。例文で確認しておきましょう。

1. I heard the news on the radio.
「そのニュースをラジオで聞いた。」
2. Please see that information on our website.
「その情報は私たちのウェブサイトで確認してください。」
3. I have just sent you some photo on LINE.
「ラインで写真を送ったところです。」

#2 「in」

「in」を使うのは「言語や文字」が手段となっている場合。日本語で、ブロック体で、などですね。また、「中にいる」ような感じであれば、やはり「in」を使いましょう。グループで、本で、などがあります。これも例文で確認しておきましょう。

1. I will write this document in English.
「英語でこの書類を書きます。」
2. Please write your name in block letters.
「名前をブロック体で書いてください。」
3. I found this fact in the newspaper.
「この事実を新聞で知りました。」

「with」と「by」の違いは対象となる手段

「with」と「by」の違いは、手段が何かということです。「道具や体の一部」が方法であれば「with」、「交通手段や連絡手段」であれば「by」を使います。また、後に続くのが動名詞であれば「by」だけしか使えません。さらに、他の選択肢があるかどうか、というののも使い分けのポイントです。他の選択肢がなければ「with」、他の選択肢が考えられるのであれば「by」。例文を参考に理解を深めてください。

" /> 簡単で分かりやすい!前置詞「with」と「by」の違いとは?使い分けや例文も元塾講師が詳しく解説! – Study-Z
雑学

簡単で分かりやすい!前置詞「with」と「by」の違いとは?使い分けや例文も元塾講師が詳しく解説!

この記事では「with」と「by」の違いを見ていきます。どちらも「手段」を示す前置詞として使われるが、どんな手段だと「with」なのか「by」なのか。例文を挙げながら留学経験がある元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「with」と「by」の違い

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「with」も「by」も何かをする方法を伝えるときに使う前置詞ですが、文法書では「with」が道具で「by」が手段とありますよね。少しわかりにくいと感じている人も多いと思いますが、次のように考えると少しわかりやすくなるのではないでしょうか。ということで、まずは「with」と「by」の使い分けを説明しますね。

「with」:道具・体の一部/他の手段がない場合

「with」で方法を示すとき、まずポイントとなるのは、後に続くのが「道具」や「体の一部」ということ。ペンで書く、指で押す、スマホで撮る、など、「with」がもつコアイメージを理解できると分かりやすいでしょう。「with」のコアイメージは付随するものと一緒にいる、ということ。

また、「with」を使うもう1つのケースは、「ほかに手段がない場合」。「ペンで書いてください」とある場合、記入する道具はペンだけですよね?このように他に手段の選択肢がない場合に使うのが「with」と考えても使い分けができるでしょう。

1. I took photos with my iPhone.
「自分のiPhoneで写真を撮った。」
2. Please fill in this form with this pen.
「このペンでこのフォームに記入してください。」
3. They ate Japanese food with chopsticks.
「彼らは箸で日本食を食べた。」
4. She pointed it with her finger.
「彼女はそれを指で指し示した。」

文法上の注意事項として、「with」の後に続く名詞(可算・単数)には冠詞などが必要です。

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