この記事では「ファスト」と「ファースト」の違いについてみていきます。どちらも音がとても似ている言葉ですね。違いはずばり意味のようですが、イギリス英語での発音など、調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。
今回はそんな言葉の違いを定義から確認しつつ、言語文化学科卒のライターさやかと一緒に解説していきます。

ライター/さやか

不動産管理・広告営業・事務・介護職などを経験し、現在は4歳の娘を育てながらライターとして活動中。大学では日本古典文学や、言語学・文化学などについて幅広く学んだ経験がある。

ファストとファーストの違いとは?

ファーストフード」「ファストファッション」などは、現代社会において広く浸透している言葉ですよね。しかし、「ファーストフード」「ファストフード」の2通りの表記があったりするときに「一体どちらが正しいのだろう」と思ったことはありませんか?この記事では、この「ファースト」「ファスト」について、詳しく解説していきます。

ファースト:第一の、1番目の、最初の

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「ファースト」は、英語で「first」と表記します。意味は「第一の、1番目の、最初の」

「ファーストキス」というと「人生で初めてのキス」、「ファーストクラス」というと「飛行機で最高級クラスのサービスを受けられる客席」として、日本語の中でも日常的に使われている単語ですよね。

大統領・首相・総理大臣などが男性の場合、その配偶者である夫人のことを「ファースト・レディ」と呼ぶということも、現代社会においてよく知られているのではないでしょうか。

ファスト:速い、急速な、素早い

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「ファスト」は英語で「fast」と表記します。意味は「速い、急速な、素早い、素早くできる」

ファストフード」は「速い食べ物」、つまり「注文してからすぐに食べられる食べ物」のことを指し、「ファストファッション」は「速いファッション」、つまり「サイクルが速い流行のファッション」のことを指しています。これらの言葉も、今の世の中では広く浸透していますよね。

なぜ「ファーストフード」と表現する?

「fast food」は「first food」ではないのに、なぜカタカナになると「ファーストフード」と表記されることがあるのでしょうか。

日本においてアメリカ式のファストフードが初めて登場したのは、1970年大阪万博に出店された「ケンタッキー・フライドチキン」だと言われています。その後「ファストフード」という言葉が知られるようになる過程で、日本人の耳には「ファスト」と「ファースト」の違いがわかりにくいことから、2通りの表記が生まれたようです。

また、イギリス英語の「fast」は「a」の音を伸ばして「ファースト」に近いような音で発音されるため、「ファーストフード」と表記しても間違いではないという意見もあります。

\次のページで「「ファスト」にまつわる言葉について、少し深掘りしてみよう」を解説!/

Q. ファーストフードのことが、新聞では「ファストフード」と書かれていますが。
A. NHKでも、「ファストフード」で統一しています。

(出典:NHK放送文化研究所 / 最近気になる放送用語「ファーストフード?」)

「ファスト」にまつわる言葉について、少し深掘りしてみよう

ここからは、日本における「ファストフード」の歴史と、「ファストファッション」の定義に関することについて、もう少しだけ深掘りしてみましょう。

日本の「ファストフード」の歴史を見てみよう

「ファストフード」を「注文してからすぐに食べられる食べ物」だと定義すると、ケンタッキー・フライドチキンが日本に入ってくるずっと前から、日本にはファストフード文化がありました

それが最も盛んだったのは江戸時代です。江戸には地方から労働者が集まってきていたことも一因となって、町のあちこちに「寿司」「天ぷら」「蕎麦」などのファストフードを提供する屋台が多数存在し、その文化が根付いていったと言われています。江戸の庶民にとってファストフードは欠かせない社会インフラだったと言えるでしょう。

「ファストファッション」と定義されているブランドは?

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ファストファッション」は「サイクルが速い流行のファッション」と説明しましたが、もう少し説明を付け加えるとすると「流行を取り入れたファッションアイテムを低コストで大量生産・低価格で販売する、という手法を短いサイクルで行うファッションブランドやその業態」のことを指します。

では現在、どのようなブランドがファストファッションブランドとして認識もしくは定義されているのでしょうか。例えば「ユニクロ」「GU」などは、世界を代表する日本のファストファッションブランドです。

世界規模ではスペインの「ZARA」スウェーデンの「H&M」アメリカの「GAP」「Old Navy」中国の「SHEIN」などが有名ですね。2019年に倒産しましたが、アメリカの「FOREVER21」が日本に上陸した当時は大変話題となりました。

ファストは「速い」、ファーストは「最初の」という意味

「ファスト」「ファースト」は、音としては似ていますが意味は全く異なるもの、ということがわかりました。カタカナ表記をする場合は、こうした違いを踏まえた上で読み手に伝わりやすい方を選びましょう。

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3分でわかる!ファストとファーストの違いとは?意味は同じ?言語文化学科卒ライターが簡単にわかりやすく解説!

この記事では「ファスト」と「ファースト」の違いについてみていきます。どちらも音がとても似ている言葉ですね。違いはずばり意味のようですが、イギリス英語での発音など、調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。
今回はそんな言葉の違いを定義から確認しつつ、言語文化学科卒のライターさやかと一緒に解説していきます。

ライター/さやか

不動産管理・広告営業・事務・介護職などを経験し、現在は4歳の娘を育てながらライターとして活動中。大学では日本古典文学や、言語学・文化学などについて幅広く学んだ経験がある。

ファストとファーストの違いとは?

ファーストフード」「ファストファッション」などは、現代社会において広く浸透している言葉ですよね。しかし、「ファーストフード」「ファストフード」の2通りの表記があったりするときに「一体どちらが正しいのだろう」と思ったことはありませんか?この記事では、この「ファースト」「ファスト」について、詳しく解説していきます。

ファースト:第一の、1番目の、最初の

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「ファースト」は、英語で「first」と表記します。意味は「第一の、1番目の、最初の」

「ファーストキス」というと「人生で初めてのキス」、「ファーストクラス」というと「飛行機で最高級クラスのサービスを受けられる客席」として、日本語の中でも日常的に使われている単語ですよね。

大統領・首相・総理大臣などが男性の場合、その配偶者である夫人のことを「ファースト・レディ」と呼ぶということも、現代社会においてよく知られているのではないでしょうか。

ファスト:速い、急速な、素早い

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「ファスト」は英語で「fast」と表記します。意味は「速い、急速な、素早い、素早くできる」

ファストフード」は「速い食べ物」、つまり「注文してからすぐに食べられる食べ物」のことを指し、「ファストファッション」は「速いファッション」、つまり「サイクルが速い流行のファッション」のことを指しています。これらの言葉も、今の世の中では広く浸透していますよね。

なぜ「ファーストフード」と表現する?

「fast food」は「first food」ではないのに、なぜカタカナになると「ファーストフード」と表記されることがあるのでしょうか。

日本においてアメリカ式のファストフードが初めて登場したのは、1970年大阪万博に出店された「ケンタッキー・フライドチキン」だと言われています。その後「ファストフード」という言葉が知られるようになる過程で、日本人の耳には「ファスト」と「ファースト」の違いがわかりにくいことから、2通りの表記が生まれたようです。

また、イギリス英語の「fast」は「a」の音を伸ばして「ファースト」に近いような音で発音されるため、「ファーストフード」と表記しても間違いではないという意見もあります。

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