今回のテーマは金髪とブロンドヘアの違いです。多くの人は、なんとなく「金色の髪が金髪」「映画女優の金色の髪はブロンド」という程度に認識していると思うが、金髪とブロンドは異なるもので、一方で密接な関係もある概念なんです。
具体的に言えばブロンドは金髪の一種で、特にヨーロッパではひと口にブロンドと言ってもさまざまなものがある。詳しい内容を雑学好きライター・ねぼけねこと一緒に解説していきます。

ライター/ねぼけねこ

法学部出身。某大組織での文書作成・広報部門での業務に10年以上従事し、IT・プログラミング分野の歴史にも詳しい。

金髪とブロンドヘアの違いをざっくり解説

まず最初に、金髪とブロンドヘアの違いについてざっくり解説します。どちらも若者に人気の髪色ですね。しかし、特に日本では、金髪とブロンドヘアの概念は区別があいまいなままで用いられる傾向があります。以下では「金髪」の定義と「ブロンド」の定義を見ていきましょう。

金髪:金色の髪

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金色の髪のことを指す「金髪」は、先天的なものの場合、遺伝子の一種であるメラニン色素の量や種類によって決まります。メラニン色素には黒や茶色の色素であるユーメラニンと、赤や黄色の色素であるフェオメラニンがありますが、金髪の人は前者が少なく、後者が多いようです。

金髪は、主にヨーロッパやオセアニアなどの地域に多く見られます。特に北欧の国々では、人口の半数以上が金髪ということも珍しくありません。一方、日本では先天性の金髪はほとんどありません。

金髪は一般的には若々しくて元気、明るくて楽しそう、自由奔放で個性的などといったポジティブなイメージが多いです。このことから、イメージチェンジを目的に染める人もいます。

ブロンドヘア:淡く黄色味がかった金髪

一方、ブロンドヘアは、淡く黄色味がかった金髪のことを指します。もともとブロンドはフランス語で「金髪」という意味です。男性形は「blond」、女性形は「blonde」と表記されます。

ブロンドヘアの人口は世界全体で約2%程度と言われており、ヨーロッパや北アメリカなど、白人が多く住む地域の人々に多い点が特徴です。そんなブロンドヘアは美しさや知性、華やかさなどのイメージが強く、映画やファッションなどの分野で活躍する人も多くいます。

例えば、ブロンドヘアの有名人としては、マリリン・モンロー、マドンナ、レオナルド・ディカプリオなどを挙げることができるでしょう。

金髪とブロンドヘアの関係についてもっと詳しく!

ここまでで、金髪とブロンドヘアのそれぞれの定義を確認しました。しかし個別の定義を確認しただけでは、金髪とブロンドがどのような関係にあるかはよく分からないでしょう。以下では、三つの項目に分けて、双方の関係性について見ていきます。

1.ブロンドは金髪の一種

ブロンドは金髪の一種です。次項以降で詳しく説明しますが、金髪の中でも特に独特の色合いを持つものがブロンドヘアと呼ばれ、さらにブロンドの中にも「〇〇ブロンド」というさまざまな種類があることを覚えておきましょう。

そのような細かい区別は、金髪の人を見慣れており、同じ金髪でも微妙な違いが見分けられる人にとって意味があると言えるでしょう。

よって、金髪を見慣れていない日本人にとっては全て「金髪」でひとくくりにされるかも知れませんが、欧米の人々は「金髪」に対する解像度が高いため、さらに細かな分類を生み出したのだと言えます。日本で金髪とブロンドという言葉があいまいに混在しているのはこのためです。

\次のページで「2.ブロンドは金髪の基本色」を解説!/

2.ブロンドは金髪の基本色

ブロンドは金髪の基本色ですが、双方は全く同じものではありません。ブロンドは金髪の中でも最も明るくて黄色っぽい色のものを指します。

さらに、ブロンドの中にもさまざまな種類があり、例えば赤みがかったストロベリーブロンドや、白っぽいプラチナブロンド、茶色が混ざったダークブロンドなどがあり、こうした細かな区別ができるのは金髪やブロンドを見慣れている欧米人ならではと言えるでしょう。

欧米では金髪というと広い範囲の色を含むことが多く、ブロンドはその一部に過ぎません。また、日本では金髪は珍しいというイメージがありますが、欧米では金髪は普通に見られることが多く、ブロンドはその中でも特別なものです。

3.根強い「金髪=ブロンド」というイメージ

前項までで、必ずしも「金髪=ブロンド」ではないということを解説しました。金髪の人が、必ずしもブロンドとは言えないことが分かるでしょう。

しかし、全般的に「金髪=ブロンド」というイメージが強いのは、歴史的に見て、ヨーロッパや北アメリカなどの白人が多い地域で、ブロンドヘアの人々が比較的多かったからだと言えるでしょう。

さらに、映画やテレビなどのエンターテインメント作品ではブロンドヘアを持つ俳優や女優が多く登場しています。またファッションや美容分野でも同様の容姿のモデルやセレブが多く注目されました。こうしてブロンドの人々が美しさや知性、華やかさなどの象徴として認識されるようになった影響も大きいでしょう。

金髪とブロンドヘアが持つ特徴は?

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ここまでで、金髪とブロンドヘアのそれぞれの定義と関係について見てきました。ところで、金髪とブロンドヘアに魅力を感じたことがある人は多いと思いますが、その魅力の源は何なのでしょうか。以下では、金髪とブロンドヘアが持つ、若々しさ・活発さ・明るさと清潔さなどの特徴を解説します。

1.若々しさ

金髪とブロンドヘアは、若々しさを表現するのに最適な髪色だと言えます。どちらも明るく華やかな色であり、元気や活力の象徴となるカラーだからです。

また、ブロンドヘアの俳優が老齢になってもその魅力を保っていることから分かる通り、いずれも年齢に関係なく似合う色と言えます。むしろ金髪とブロンドヘアは、肌の色や目の色を引き立ててフレッシュで美しい印象を与えてくれるはずです。

ブロンドヘアの分類を細かく知っておけば、イメージチェンジにも役に立つでしょう。例えば、プラチナブロンドは非常に明るい白っぽい金髪で、クールな印象を与えます。ストロベリーブロンドは赤みがかった金髪で、甘く優しい雰囲気を演出してくれることでしょう。

2.活発さ

また、金髪とブロンドヘアは明るくて目立つ色なので、活発さや元気で積極的なイメージを演出するのにも適しています。自分で染めることで個性や好みを表現する人は、冒険心やチャレンジ精神が強いと周囲に感じさせるでしょう。

このような理由から、金髪やブロンドはさまざまな分野で活躍する人々にも好まれています。スポーツ選手やアーティスト、俳優やモデルなどで、髪色を金髪やブロンドにすることで自分のパフォーマンスや魅力を引き立てている人は珍しくありません。

また、こうした髪色はファッションやメイクとも相性が良く、冒険心にあふれたさまざまなスタイルを楽しむのにも適しています。

\次のページで「3.明るさ・清潔さ」を解説!/

3.明るさ・清潔さ

また、光を反射する金髪やブロンドは、見る人に明るくて清潔なイメージを与えてくれるでしょう。このことから、太陽や星などの自然の光源とも関連付けられることが少なくありません。

神聖や高貴な意味を持つことすらあり、金髪やブロンドに染める人は、自分の明るさや美しさを演出し強調することができるでしょう。

よって、このような髪色は、明るさを表現する色としてさまざまな文芸作品のキャラクターにも用いられています。アニメでは、金髪やブロンドの人物は、主人公やヒーロー、プリンセスなどのポジティブな役割を担うことが珍しくありません。

金髪やブロンドヘアになる条件についてもっと詳しく!

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ここまでで、金髪とブロンドヘアのそれぞれの定義と関係、そしてその魅力の源泉について見てきました。次に、金髪やブロンドヘアになるための条件について解説しましょう。髪の毛が金色になるのは基本的に先天的な遺伝的要因によるもので、それ以外では人工的に髪の色を変える方法があります。

1.遺伝的要因

まず先天的な金髪やブロンドについてです。これらは劣性遺伝にあたり、ヨーロッパ圏内では、金髪は他の人種より頻繁に発生すると言われています。

先に少し説明しましたが、金髪はメラニンという色素と無関係ではありません。メラニンには黒や茶色のユーメラニンと、赤や黄色のフェオメラニンという二種類がありますが、ユーメラニンが多ければ髪の色は濃くなり、フェオメラニンが多ければ髪の色は暖色になるでしょう。

そして、金髪はユーメラニンが少なくてフェオメラニンが多い場合に出現すると言われています。最近の遺伝情報学によると、ヨーロッパにおいて金髪の人口がはっきりと増加し始めたのは、最後の氷期である約1万1000年前から約1万年前のことである可能性が高いようです。

\次のページで「2.人工的に髪の色を変える」を解説!/

2.人工的に髪の色を変える

自分で染めることで、髪色を金髪やブロンドヘアに仕上げることも可能です。髪をこうした色に染める行為は、自分を明るく華やかに演出する方法として、古今東西に共通していると言えるでしょう。

例えば古代ギリシアでは金髪が好まれ、牛脂とアルカリを混ぜた軟膏を髪に塗り、太陽の光で脱色していたとされています。また中世ヨーロッパでも、金髪は貴族や王族の象徴とされ、サフランやオニオンの皮などで髪を染めていました。

過酸化水素を使ったブリーチ剤が登場するのは19世紀末のことで、さらに映画や音楽などの芸能界で金髪やブロンドのスターが人気を博すと、染髪の流行が広まっていきました。

「ブロンド」は「金髪」の代表的な概念

金髪は文字通り金色の髪を指し、遺伝子の一種であるメラニン色素の量や種類によって決まります。一方のブロンドヘアは淡く黄色味がかった髪色のことで、金髪の代表的な概念と言えるでしょう。

金髪やブロンドヘアは、美しさや個性、華やかさ、明るさや清潔さなどのポジティブなイメージが強いです。よって遺伝的条件を超えて、古今東西で多くの人が憧れを抱き、染髪によるイメージチェンジをはかってきました。

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雑学

簡単でわかりやすい!金髪とブロンドヘアの違いは?特徴や関係も雑学好きライターが詳しく解説

今回のテーマは金髪とブロンドヘアの違いです。多くの人は、なんとなく「金色の髪が金髪」「映画女優の金色の髪はブロンド」という程度に認識していると思うが、金髪とブロンドは異なるもので、一方で密接な関係もある概念なんです。
具体的に言えばブロンドは金髪の一種で、特にヨーロッパではひと口にブロンドと言ってもさまざまなものがある。詳しい内容を雑学好きライター・ねぼけねこと一緒に解説していきます。

ライター/ねぼけねこ

法学部出身。某大組織での文書作成・広報部門での業務に10年以上従事し、IT・プログラミング分野の歴史にも詳しい。

金髪とブロンドヘアの違いをざっくり解説

まず最初に、金髪とブロンドヘアの違いについてざっくり解説します。どちらも若者に人気の髪色ですね。しかし、特に日本では、金髪とブロンドヘアの概念は区別があいまいなままで用いられる傾向があります。以下では「金髪」の定義と「ブロンド」の定義を見ていきましょう。

金髪:金色の髪

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金色の髪のことを指す「金髪」は、先天的なものの場合、遺伝子の一種であるメラニン色素の量や種類によって決まります。メラニン色素には黒や茶色の色素であるユーメラニンと、赤や黄色の色素であるフェオメラニンがありますが、金髪の人は前者が少なく、後者が多いようです。

金髪は、主にヨーロッパやオセアニアなどの地域に多く見られます。特に北欧の国々では、人口の半数以上が金髪ということも珍しくありません。一方、日本では先天性の金髪はほとんどありません。

金髪は一般的には若々しくて元気、明るくて楽しそう、自由奔放で個性的などといったポジティブなイメージが多いです。このことから、イメージチェンジを目的に染める人もいます。

ブロンドヘア:淡く黄色味がかった金髪

一方、ブロンドヘアは、淡く黄色味がかった金髪のことを指します。もともとブロンドはフランス語で「金髪」という意味です。男性形は「blond」、女性形は「blonde」と表記されます。

ブロンドヘアの人口は世界全体で約2%程度と言われており、ヨーロッパや北アメリカなど、白人が多く住む地域の人々に多い点が特徴です。そんなブロンドヘアは美しさや知性、華やかさなどのイメージが強く、映画やファッションなどの分野で活躍する人も多くいます。

例えば、ブロンドヘアの有名人としては、マリリン・モンロー、マドンナ、レオナルド・ディカプリオなどを挙げることができるでしょう。

金髪とブロンドヘアの関係についてもっと詳しく!

ここまでで、金髪とブロンドヘアのそれぞれの定義を確認しました。しかし個別の定義を確認しただけでは、金髪とブロンドがどのような関係にあるかはよく分からないでしょう。以下では、三つの項目に分けて、双方の関係性について見ていきます。

1.ブロンドは金髪の一種

ブロンドは金髪の一種です。次項以降で詳しく説明しますが、金髪の中でも特に独特の色合いを持つものがブロンドヘアと呼ばれ、さらにブロンドの中にも「〇〇ブロンド」というさまざまな種類があることを覚えておきましょう。

そのような細かい区別は、金髪の人を見慣れており、同じ金髪でも微妙な違いが見分けられる人にとって意味があると言えるでしょう。

よって、金髪を見慣れていない日本人にとっては全て「金髪」でひとくくりにされるかも知れませんが、欧米の人々は「金髪」に対する解像度が高いため、さらに細かな分類を生み出したのだと言えます。日本で金髪とブロンドという言葉があいまいに混在しているのはこのためです。

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