みんなはオリンピックはもちろん知っていますね。4年に1回行われるスポーツの祭典です。夏季オリンピックと冬季オリンピックの2つがある。日本人アスリートの活躍を見ていると胸が熱くなるぜ。

そんな「オリンピック」は日本では「五輪」とも呼ばれている。なんで「五輪」という名称が広まったのか、知っているかな。

今回はそんな「五輪」と「オリンピック」の違いを、由来に焦点を当てて、言葉に詳しい院卒日本語教師の"むかいひろき"と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に言葉の違いや由来について分かりやすく解説していく。

まずは「オリンピック」の歴史をおさらい!

image by iStockphoto

「五輪」と「オリンピック」という名前の違い、何となく気になるけれどあまり考えたことがなかった…という人が多いのではないでしょうか。どちらも"あの"4年に1度のスポーツの国際大会を指すことに違いはありません。まずは前提としてオリンピックの歴史を振り返っていきましょう。

古代オリンピックと近代オリンピック

現在開催されているオリンピックは「近代オリンピック」と呼ばれ、第1回は1896年にギリシャのアテネで開催されました。その後徐々に参加国が増えていき、戦争による中断が3回、コロナウイルスによる延期が1回あった以外は、4年に1度継続して開催されています。

そしてこの「近代オリンピック」のもとになっているのが「古代オリンピック」です。「古代オリンピック」は古代ギリシャで4年に1度開催されていたものであり、オリンピック期間は全ての戦争を中止し、人々はこの大会に熱中しました。

そんな「古代オリンピック」を再開したいと考えたのがフランスのクーベルタン男爵(1863-1937)。彼の尽力により、「古代オリンピック」をモチーフとした「近代オリンピック」が誕生したのです。

「五輪」「オリンピック」の呼び名の由来は?

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User de:User:FreeMO on de.wikipedia - 私蔵, パブリック・ドメイン, リンクによる

では、本題に入っていきましょう。「五輪」と「オリンピック」、それぞれの呼び名の由来は何なのでしょうか。日本では「五輪」は十分通用する言葉ですが、同じ漢字を使う中国でも通用するのでしょうか?見ていきましょう。

「五輪」:とある新聞記者が作った名前だった!

日本で広く使用されている「五輪(ごりん)」。これは実は1936年にある新聞記者が作ったものだったのです。その新聞記者は読売新聞の川本信正さん。

新聞の見出しを書く際に「オリンピック」は少し長いですよね。川本さんはある日「オリンピック」の名前を短縮する案を相談されたそうです。そこで川本さんはオリンピックのシンボルマークである5つの輪から連想される言葉として「五輪」を考え付き、同時に宮本武蔵の『五輪書』を思い出したため、咄嗟に「五輪」とメモをしたところ、実際に新聞で採用され、結果として日本全体に広がっていったそうですね。

なお、この「五輪」は日本だけで通用する言葉です。同じ漢字を使う中国では通用しませんのでご注意を。

「オリンピック」:ギリシャの古代都市が名前の由来!

Hera temple in Olympia.jpg
遠藤 昂志 - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

では、そもそも「オリンピック」の名前の由来は何でしょうか。日本語の「オリンピック」は英語の「Olympic」から来ています。この「Olympic」のもとになったのは、ギリシャの「オリュンピア(オリンピア)」という古代都市名です。

この「オリュンピア」こそが「古代オリンピック」と現代で呼ばれる4年に1度の競技大会が行われていた場所でした。つまり、「古代オリンピック」の開催地の名前にちなんで生まれたのが「オリンピック」という名称なのです。

「五輪」は日本でしか通用しない!

今回は「五輪」と「オリンピック」の違いについて、その名前の由来に焦点を当てて解説しました。「五輪」は読売新聞の記者・川本信正さんが1936年に咄嗟に考案したものであり、「オリンピック」は古代ギリシャの都市「オリンピュア」が由来となっています。そして「五輪」という名は日本独自のものであり、他の漢字を使う国でも通用するものではないのです。

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雑学

簡単に分かる「五輪」と「オリンピック」の違い!「五輪」は日本独自の呼び名?院卒日本語教師が分かりやすく解説

みんなはオリンピックはもちろん知っていますね。4年に1回行われるスポーツの祭典です。夏季オリンピックと冬季オリンピックの2つがある。日本人アスリートの活躍を見ていると胸が熱くなるぜ。

そんな「オリンピック」は日本では「五輪」とも呼ばれている。なんで「五輪」という名称が広まったのか、知っているかな。

今回はそんな「五輪」と「オリンピック」の違いを、由来に焦点を当てて、言葉に詳しい院卒日本語教師の”むかいひろき”と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に言葉の違いや由来について分かりやすく解説していく。

まずは「オリンピック」の歴史をおさらい!

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「五輪」と「オリンピック」という名前の違い、何となく気になるけれどあまり考えたことがなかった…という人が多いのではないでしょうか。どちらも”あの”4年に1度のスポーツの国際大会を指すことに違いはありません。まずは前提としてオリンピックの歴史を振り返っていきましょう。

古代オリンピックと近代オリンピック

現在開催されているオリンピックは「近代オリンピック」と呼ばれ、第1回は1896年にギリシャのアテネで開催されました。その後徐々に参加国が増えていき、戦争による中断が3回、コロナウイルスによる延期が1回あった以外は、4年に1度継続して開催されています。

そしてこの「近代オリンピック」のもとになっているのが「古代オリンピック」です。「古代オリンピック」は古代ギリシャで4年に1度開催されていたものであり、オリンピック期間は全ての戦争を中止し、人々はこの大会に熱中しました。

そんな「古代オリンピック」を再開したいと考えたのがフランスのクーベルタン男爵(1863-1937)。彼の尽力により、「古代オリンピック」をモチーフとした「近代オリンピック」が誕生したのです。

「五輪」「オリンピック」の呼び名の由来は?

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User de:User:FreeMO on de.wikipedia – 私蔵, パブリック・ドメイン, リンクによる

では、本題に入っていきましょう。「五輪」と「オリンピック」、それぞれの呼び名の由来は何なのでしょうか。日本では「五輪」は十分通用する言葉ですが、同じ漢字を使う中国でも通用するのでしょうか?見ていきましょう。

「五輪」:とある新聞記者が作った名前だった!

日本で広く使用されている「五輪(ごりん)」。これは実は1936年にある新聞記者が作ったものだったのです。その新聞記者は読売新聞の川本信正さん。

新聞の見出しを書く際に「オリンピック」は少し長いですよね。川本さんはある日「オリンピック」の名前を短縮する案を相談されたそうです。そこで川本さんはオリンピックのシンボルマークである5つの輪から連想される言葉として「五輪」を考え付き、同時に宮本武蔵の『五輪書』を思い出したため、咄嗟に「五輪」とメモをしたところ、実際に新聞で採用され、結果として日本全体に広がっていったそうですね。

なお、この「五輪」は日本だけで通用する言葉です。同じ漢字を使う中国では通用しませんのでご注意を。

「オリンピック」:ギリシャの古代都市が名前の由来!

Hera temple in Olympia.jpg
遠藤 昂志投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

では、そもそも「オリンピック」の名前の由来は何でしょうか。日本語の「オリンピック」は英語の「Olympic」から来ています。この「Olympic」のもとになったのは、ギリシャの「オリュンピア(オリンピア)」という古代都市名です。

この「オリュンピア」こそが「古代オリンピック」と現代で呼ばれる4年に1度の競技大会が行われていた場所でした。つまり、「古代オリンピック」の開催地の名前にちなんで生まれたのが「オリンピック」という名称なのです。

「五輪」は日本でしか通用しない!

今回は「五輪」と「オリンピック」の違いについて、その名前の由来に焦点を当てて解説しました。「五輪」は読売新聞の記者・川本信正さんが1936年に咄嗟に考案したものであり、「オリンピック」は古代ギリシャの都市「オリンピュア」が由来となっています。そして「五輪」という名は日本独自のものであり、他の漢字を使う国でも通用するものではないのです。

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