3分でわかる!「せろん」「よろん」の違いとは?「世論」の読み方はどちらが正しい?言語文化学部卒ライターが簡単にわかりやすく解説!
今回はそんな「せろん」「よろん」の違いを、言語文化学部卒ライターさやかと一緒に解説していきます。
ライター/さやか
現在4歳の娘を育てながらライターとして活動中。自身はその昔、学校などで「せろん」と読むことを教えられたような記憶があったが、現在は「よろん」という言葉の方が圧倒的に耳にすることが多いことに気づかされた。
「せろん」「よろん」の違いとは?
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「世論」。この漢字の読み方として「せろん」か「よろん」、どちらが正しいのかご存知でしょうか。
実は、1946年に政府によって当用漢字表というものが告示された際、「世論」は「せろん・せいろん」「よろん」として読む漢字であるとされました。つまり、読み方としてはどちらも正しいのです。それまでは「せろん」は「世論」、「よろん」は「輿論」と書き分けられていましたが、当用漢字表の告示以降は「世論」に統一されました。
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当用漢字表告示以前のそれぞれの意味は?
「世論」に統一される前のそれぞれの言葉の持つ意味は、少し異なっていたことがわかっています。「世論」は、「世間一般の感情または国民の感情から出た意見」のことであるとされ、一方「輿論」は「人々の議論または議論に基づいた意見」であるとされていました。
【「輿論」について】
「輿論」の「輿」=「神輿(みこし)」の「こし」を意味する
「こし」は「車軸の上に置いて、その上に人や物をのせる台」「人や物を載せてかついで運ぶ乗り物」のこと。そこから「みんなの」といった意味が生じたと考えられます。
中国では「輿論」という用語が古くより存在したことがわかっており、明代の『類書纂要』にはその語義を「輿論とは、輿は衆なり、衆人の議論を謂うなり」とする記述が残されているのです。
社会学者・歴史学者・経済学者の中には、
・「輿論」=理性的・公的関心にあるもの、歴史に裏打ちされたもの
・「世論」=情緒的・私的なもの、一時の流行に過ぎないもの
として定義づけて論じている方もいます。
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