この記事では「どぶろく」と「にごり酒」の違いについてみていきます。どちらも白く濁ったお酒っていうイメージがあるよな。「どぶろく」は漢字表記では「濁酒」となり、「にごり酒」は「濁り酒」と書くこともあり、同一のものだと思われやすい両者ですが、違いはずばり「清酒」か否かにあるそうです。今回は「どぶろく」と「にごり酒」の違いについて似たような見た目の白く濁った酒「マッコリ」とも比較しながら、雑学好きライターYukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

工事会社勤務9年目。心に浮かんだもやもやを言語化することでストレス発散をはかる現役OLライター。読書が趣味で、日々様々な言葉に触れている。最近は、言葉の持つ意味を理解して文章をより豊かに読み進めていく丁寧な読書を心がけている。

どぶろくとにごり酒の違いは「清酒」か否か

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どぶろくとにごり酒の違いは酒税法で定められた分類で「清酒」であるか「清酒」ではないかという点にあります。簡単に説明すると、どぶろくは「清酒」ではなく、にごり酒は「清酒」です。ただ、広義には「にごり酒」のなかに「どぶろく」が含まれると表現される場合もあるので注意が必要です。同じように白く濁ったお酒「マッコリ」とも比較しながらそれぞれの特徴をみていきましょう。

どぶろくは醪を濾さない「その他の醸造酒」

どぶろくは、「上槽」という作業工程を行わずつくられた濁った酒のこと。米と米麹、水を発酵させ、作業工程で作られた醪を濾さずつくるお酒のことです。どぶろくの起源は古く、昔は神聖なものとして取り扱われていたんだそう。収穫した米とともに神に捧げられていたようです。現在でも全国各地でこのような風習が残っている地域もありますね。

どぶろくは手軽に造ることができる「酒」として、古くから「自家製どぶろく」をつくっている地域もありましたが、現在では酒税法が整備され無許可では作れないようになりました。

にごり酒は醪を濾す「清酒」

にごり酒は「上槽」という作業工程を経て作られた濁った酒のこと。米と米麹、水を発酵させてできた醪を濾してつくるお酒のことです。にごり酒には、いくつかの種類があり、特に火入れという加熱処理をしていないものを「活性酒」といい、酵母や酵素が生きたまま出荷されるのが特徴なんだそう。「活性酒」のなかには微炭酸のピリピリした食感を楽しめる種類もありますね。

また、火入れを行うと、にごり酒はより濃厚でまろやかな味になるので、同じ「にごり酒」でもさまざまな特徴があることが分かります。

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マッコリとの違いは?

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マッコリは、米や粟が主原料の朝鮮の伝統的な白濁のお酒のことです。「どぶろく」と同じく「醸造酒」に分類されます。「どぶろく」や「にごり酒」との大きな違いは、原料に「米」以外の穀物を使用する場合がある点で、マッコリはじゃがいもやさつまいも、とうもろこしなどの穀物を原料とすることもあるんだそう。味についても、酸味と発砲性が強いという特徴もありますね。

まだまだある!どぶろくとにごり酒の違い!

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ここからは、さらに「どぶろく」と「日本酒」の違いを見ていきながら、理解を深めていきましょう。

1.産地の違いは?

「どぶろく」の産地としては岐阜県の白川郷が有名でした。しかし現在では「どぶろく特区」として、北は北海道から南は宮崎県まで、日本のさまざまな地域で製造されるお酒になっていますね。

「にごり酒」も全国の有名な酒蔵で製造されており、新潟県の「八海醸造」や福井県の「南部酒造」など日本酒メーカーとして人気の高い醸造場でも作られています。また、どぶろくと同じく岐阜県白川郷の「三輪酒造」は、にごり酒も人気が高く有名な産地です。

2.歴史的な背景や用途の違いは?

「どぶろく」は古くから豊作祈願のために供えられてきたお酒でした。現在も全国40以上の神社で「どぶろく」を用いた祭事がおこなわれているんだそう。酒税法によって、国税庁の許可がなければ製造することが許されてない「どぶろく」ですが、宗教的な行事における「どぶろく」の製造は「神社の敷地内から持ち出さない」などの一定の条件のもと、製造免許を付与されています。

また、「にごり酒」の元祖は、1675年創業の京都伏見の酒造であるといわれており、「どぶろくのような酒が飲みたい」という声にこたえる形で、醸造をスタートさせたんだとか。

どぶろくとにごり酒を飲み比べてお気に入りの1杯をみつけよう

「どぶろく」と「にごり酒」の違いは、製造工程で「濾す」作業があるかないかという点にありました。特にどぶろくには神事との関わりが強くあることが分かりましたね。にごり酒には、醪の濾し方によって味や食感にも違いが出てくるんだそう。ぜひ、この機会に自分好みの1杯を探してみてくださいね。

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簡単でわかりやすい!「どぶろく」と「にごり酒」の違いとは?マッコリとの違いや製造方法も雑学好きライターがくわしく解説

この記事では「どぶろく」と「にごり酒」の違いについてみていきます。どちらも白く濁ったお酒っていうイメージがあるよな。「どぶろく」は漢字表記では「濁酒」となり、「にごり酒」は「濁り酒」と書くこともあり、同一のものだと思われやすい両者ですが、違いはずばり「清酒」か否かにあるそうです。今回は「どぶろく」と「にごり酒」の違いについて似たような見た目の白く濁った酒「マッコリ」とも比較しながら、雑学好きライターYukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

工事会社勤務9年目。心に浮かんだもやもやを言語化することでストレス発散をはかる現役OLライター。読書が趣味で、日々様々な言葉に触れている。最近は、言葉の持つ意味を理解して文章をより豊かに読み進めていく丁寧な読書を心がけている。

どぶろくとにごり酒の違いは「清酒」か否か

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どぶろくとにごり酒の違いは酒税法で定められた分類で「清酒」であるか「清酒」ではないかという点にあります。簡単に説明すると、どぶろくは「清酒」ではなく、にごり酒は「清酒」です。ただ、広義には「にごり酒」のなかに「どぶろく」が含まれると表現される場合もあるので注意が必要です。同じように白く濁ったお酒「マッコリ」とも比較しながらそれぞれの特徴をみていきましょう。

どぶろくは醪を濾さない「その他の醸造酒」

どぶろくは、「上槽」という作業工程を行わずつくられた濁った酒のこと。米と米麹、水を発酵させ、作業工程で作られた醪を濾さずつくるお酒のことです。どぶろくの起源は古く、昔は神聖なものとして取り扱われていたんだそう。収穫した米とともに神に捧げられていたようです。現在でも全国各地でこのような風習が残っている地域もありますね。

どぶろくは手軽に造ることができる「酒」として、古くから「自家製どぶろく」をつくっている地域もありましたが、現在では酒税法が整備され無許可では作れないようになりました。

にごり酒は醪を濾す「清酒」

にごり酒は「上槽」という作業工程を経て作られた濁った酒のこと。米と米麹、水を発酵させてできた醪を濾してつくるお酒のことです。にごり酒には、いくつかの種類があり、特に火入れという加熱処理をしていないものを「活性酒」といい、酵母や酵素が生きたまま出荷されるのが特徴なんだそう。「活性酒」のなかには微炭酸のピリピリした食感を楽しめる種類もありますね。

また、火入れを行うと、にごり酒はより濃厚でまろやかな味になるので、同じ「にごり酒」でもさまざまな特徴があることが分かります。

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