大学4年生になると卒業論文を書く人が多いと思う。そして大学院に進学する人は、大学院で修士論文や博士論文などの論文を書くことになる人が多いでしょう。

論文を書いている時に、先生から「一次資料がない」「一次資料をもっと使いなさい」「二次資料ばかりでなくて一次資料に当たれ」と言われた人もいるんじゃないかな。「一次資料」と「二次資料」の違い、ちゃんと把握できているか?

今回は論文を書くうえで大切な「一次資料」と「二次資料」の違いを、大学院卒の日本語教師"むかいひろき"と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その論文執筆経験を武器に、「一次資料」と「二次資料」の違いについて分かりやすく解説していく。

「一次資料」も「二次資料」もどちらも大切!

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「一次資料」「二次資料」と言われてもピンとこない人もいるのではないでしょうか。大学によってはすでに学生が分かっている前提で先生が話を進めて行く場合があり、何となくしか分からない…という人もいるかもしれませんね。まず言えることは、どちらもとても大切です。

論文を書くときには基本どちらも必要!

この「一次資料」と「二次資料」は、論文を書く上で基本的にどちらも必要な大切な資料です。論文はただ自分が考えたことを書くだけでは成立しません。自身の主張する考えがなぜ正しいのか、どうしてそうだと言えるのか、様々な証拠とともに立証する必要があります。そして現在までに存在する他の論文や研究結果を参照したり、時には批判する必要もあるのです。

そのような時に絶対に必要なのが「一次資料」と「二次資料」というわけですね。

\次のページで「「一次資料」と「二次資料」、何が違うの?」を解説!/

「一次資料」と「二次資料」、何が違うの?

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では、この「一次資料」と「二次資料」は何が違うのでしょうか。実は何が問題になっているのかによって、同じ資料が「一次資料」になることも「二次資料」になることもあります。そういった細かいところまで、ここで確認していきましょう。

「一次資料」:ある事象についてのオリジナル

「一次資料」は簡単に言えば「ある事象についてのオリジナル」です。たとえば、実験の結果や調査の結果、研究テーマの大元の資料…などが挙げられます。

たとえばあなたが『竹取物語』について研究しているとしましょう。その場合、現在日本に残る『竹取物語』の本や写本は「一次資料」になります。また、すでに存在する論文(先行研究)が提唱する『竹取物語』のA説について論文を書く場合は、A説について書かれた最初の論文(先行研究)も「一次資料」となりますね。

「一次資料」はデータや調査結果といった直接的な資料の他、ある説について批判したり補足したりする場合は、そのある説が最初に述べられた文献も「一次資料」となるわけです。

「二次資料」:「一次資料」を基に作られたもの!

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「二次資料」とは簡単に言えば「一次資料を基に作られたもの」です。たとえば、ある実験や調査の結果(一次資料)を基に書かれた論文や文献すでに存在する論文を参考にして書かれた別の論文…などが「二次資料」ですね。

たとえばあなたが『竹取物語』について研究している場合は、『竹取物語』について扱った論文や文献、記事などが全て「二次資料」となります。別の例では『竹取物語』について、あるA説が存在するとしましょう。A説を最初に提唱したのは論文Bです。そしてその論文Bを批判した論文C、論文Bを補足した論文Dがあるとします。A説についてあなたが何かを書く場合は、論文Cと論文Dは「二次資料」です。論文Bは「一次資料」となります。

あなたの資料が「1.データや調査結果ではないか」「2.ある新説を提唱していないか」を確認してみましょう。両方当てはまらない場合は「二次資料」です。

論文を書くときは一次と二次のバランスをよく考えて!

今回は「一次資料」と「二次資料」の違いについて解説しました。「一次資料」は「ある事象についてのオリジナル」、「二次資料」は「一次資料を基に作られたもの」です。自身の資料が「一次資料」なのか「二次資料」なのか分からない場合は、「1.データや調査結果ではないか」「2.ある新説を提唱していないか」を確認してみましょう。両方当てはまらない場合は「二次資料」です。

論文を書く際、「一次資料」ばかりでも「二次資料」ばかりでもよくありません。「一次資料」が絶対に必要なのはもちろんのこと、その「一次資料」を基にこれまでどのような研究が行われてきたのか(「二次資料」)をしっかりと網羅する必要があります。「一次資料」「二次資料」、どちらも使ってより良い論文を書きましょう!

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雑学

簡単に分かる「一次資料」と「二次資料」の違い!「一次資料に当たれ」とは?大学院卒日本語教師が分かりやすく解説

大学4年生になると卒業論文を書く人が多いと思う。そして大学院に進学する人は、大学院で修士論文や博士論文などの論文を書くことになる人が多いでしょう。

論文を書いている時に、先生から「一次資料がない」「一次資料をもっと使いなさい」「二次資料ばかりでなくて一次資料に当たれ」と言われた人もいるんじゃないかな。「一次資料」と「二次資料」の違い、ちゃんと把握できているか?

今回は論文を書くうえで大切な「一次資料」と「二次資料」の違いを、大学院卒の日本語教師”むかいひろき”と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その論文執筆経験を武器に、「一次資料」と「二次資料」の違いについて分かりやすく解説していく。

「一次資料」も「二次資料」もどちらも大切!

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「一次資料」「二次資料」と言われてもピンとこない人もいるのではないでしょうか。大学によってはすでに学生が分かっている前提で先生が話を進めて行く場合があり、何となくしか分からない…という人もいるかもしれませんね。まず言えることは、どちらもとても大切です。

論文を書くときには基本どちらも必要!

この「一次資料」と「二次資料」は、論文を書く上で基本的にどちらも必要な大切な資料です。論文はただ自分が考えたことを書くだけでは成立しません。自身の主張する考えがなぜ正しいのか、どうしてそうだと言えるのか、様々な証拠とともに立証する必要があります。そして現在までに存在する他の論文や研究結果を参照したり、時には批判する必要もあるのです。

そのような時に絶対に必要なのが「一次資料」と「二次資料」というわけですね。

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