
3分で簡単にわかる!台風と熱帯低気圧の違いとは?ハリケーンやサイクロンとの違いも元塾講師ライターが詳しく解説

ライター/りん
保育士や塾講師、カフェ店員など様々な職を経て現在ライターとして活動している。塾講師として働いた経験を活かし、台風と熱帯低気圧の違いついてわかりやすく解説していく。
台風と熱帯低気圧ってなにが違うの?

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夏になるとテレビでよく聞くことになるこれらの言葉。どちらも気圧の変化によって引き起こされる自然現象の名称ですがこれらの違いには中心付近の風速が大きく関係しているようです。どのように違うのか順番に見ていきましょう。
台風:中心付近の最大風速が17.2メートル以上
台風の特徴は中心付近の最大風速が17.2メートル以上あることです。気象庁のホームページによると台風は次のように定義されています。
熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが、このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し、なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを「台風」と呼びます。
(出典:国土交通省気象庁HP)
日本では7~10月に接近することが多く、特に9月が接近数のピークを迎えます。これは日本の上空を普段覆っている高気圧が弱まる時期であり、そのため台風が日本に近づきやすい気圧になっているからです。台風は一年中発生しているのですが、接近しやすい夏頃にニュースで取り上げられることが多いので夏に発生するイメージをもつ方もいるかもしれませんね。
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熱帯低気圧:中心付近の最大風速が17.2メートル以下
台風よりも中心付近の最大風速が小さく、熱帯で発生した低気圧を熱帯低気圧と呼びます。熱帯低気圧の最大風速が上がれば台風に変化しますし、台風の最大風速が衰えれば熱帯低気圧へと変化するのです。わかりやすく言えば熱帯低気圧は台風になりかけの低気圧、または台風だった低気圧だといえるでしょう。
風は気圧の高いところから低いところに向かって吹き、気圧の高低差によって風速は変化します。そのため気圧の変化により最大風速は常に変化するので台風と熱帯低気圧の見極めは専門家が行っているのです。
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ハリケーンやサイクロンは台風となにが違うの?
ハリケーンやサイクロンも台風と似た言葉としてよく聞く言葉ですよね。これらが台風と違う点は発生場所と最大風速です。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
ハリケーン:北大西洋や北太平洋東部などに発生した熱帯低気圧

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ハリケーンは北大西洋や北太平洋東部に発生する熱帯低気圧の名称です。中心付近の最大風速は約33メートルと台風の最大風速の約2倍もあります。発生しやすい時期は6~11月で、9月頃がピークです。強大な風と雨、それらが引き起こす高潮などにより浸水や建築物の倒壊など甚大な被害がもたらされる年もあります。
サイクロン:ベンガル湾やアラビア海などの北インド洋に発生した熱帯低気圧

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サイクロンはベンガル湾やアラビア海などの北インド洋に発生する熱帯低気圧の名称です。中心付近の最大風速は約17メートルで台風の最大風速と同じくらいの大きさをしています。
プレモンスーン(3~5月)とポストモンスーン(10~12月)と呼ばれる時期に多く発生し、モンスーン期(6~9月)は少ない傾向にあるのが現状です。モンスーンとはアラビア海に半年交代で吹く季節風のことで、夏季には南西からの風が、冬季には北東からの風が吹きます。
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