この記事では「直喩」と「隠喩」の違いについてみていきます。どちらも修辞技法の1つで、物ごとを喩(たと)える際に使われるイメージがあるな。違いはずばり「~のような」「~のごとく」という表現が使われるか否かにあるようです。今回は「直喩」と「隠喩」をはじめとした比喩表現について、文章にあたえる効果からそれぞれの修辞技法が文章にあたえる効果まで、雑学好きライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

工事会社勤務9年目。心に浮かんだもやもやを言語化することでストレス発散をはかる現役OLライター。読書が趣味で、日々様々な言葉に触れている。最近は、言葉の持つ意味を理解して文章をより豊かに読み進めていく丁寧な読書を心がけている。

「直喩」と「隠喩」の違いは「~のような」を使うか否か

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「直喩」と「隠喩」の違いは、文章のなかで「喩(たと)え」をあげるとき「~のような」「~のごとく」という表現をするか否かにあります。「~」の部分には、特定の名詞が入ることが多いです。直喩は「~のような」を用いる比喩、「隠喩」は用いない比喩になりますね。修辞技法の1つ「擬人法」とも比較しながら、ここからくわしくみていきましょう。

直喩:「~のような」を用いた比喩

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直喩とは「~のような」や「~のように」、「~のごとく」などの表現を用いて行う比喩のこと。「まるで~のような〇〇」と表現することで、比喩表現に続く「〇〇」について、説明をしやすくなったり、読み手や聞き手にイメージしてもらいやすくなるという特徴があります。

例えば「赤ちゃんはまるで天使のような笑顔を見せてくれる」という文章があったとして、「天使のような」という直喩表現があることによって「赤ちゃんの笑顔」の様子がイメージしやすくなっていますね。

隠喩:「~のような」を用いない比喩

隠喩とは「~のような」や「~のように」、「~のごとく」を用いないで行う比喩表現のこと。断定的な表現になることが多いので、直喩と比べるとより強い印象を与えることができます。

例えば「赤ちゃんは天使の笑顔を見せてくれる」と表現すると、前述した直喩の例文よりも少々強い印象を受けますね。ただ、隠喩は受け手の受け取り方次第で、解釈の幅が広がってしまうという特徴があるので、相手に伝えたいニュアンスで伝わっているか注意をする必要があるでしょう。

\次のページで「擬人法・換喩(かんゆ)・提喩(ていゆ)との違いは?」を解説!/

直喩:赤ちゃんはまるで天使のような笑顔を見せてくれる。
隠喩:赤ちゃんは天使の笑顔を見せてくれる。

擬人法・換喩(かんゆ)・提喩(ていゆ)との違いは?

直喩や隠喩と並び、よく使用される比喩表現のなかに「擬人法」というものもありますね。擬人法とは人間でないものに対して人間の言動にたとえて、様子を表現する方法です。簡単な例をあげると「雨が降り出しそう」な様子を「空が泣き出しそう」と表現することなどですね。擬人法を使用することによって、対象の様子や、現象などを生き生きと描写することができるようになります。

他にも日本語には「換喩」「提喩」といった比喩表現もあるんだそう。「換喩」はある物ごとを表すために、それと深い関係のある物ごとで置き換える比喩表現。

例えば「ごはん」は元来「白飯」のことですが「朝ごはん」と表現すると、食卓に並ぶその他のメニューまで表現できますね。「提喩」は、全体と部分との関係性に基づいて表現をする比喩表現。例えば「お天気だ」という場合「天気(全体)」という言葉で「天気がいい(部分)」状態を表現していますね。

直喩と比喩:それぞれの特徴と例文

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ここからは、「直喩」と「隠喩」のそれぞれの使用例を確認しながら、特徴をみていきましょう。

直喩の使用例と特徴

「直喩」は、説明付きでたとえる比喩表現で「隠喩」に比べると比較的簡単に文章にとりいれることができる方法です。使用例とともに確認していきます。

\次のページで「隠喩の使用例と特徴」を解説!/

【直喩】
今日は歩きすぎて、足が棒のように動かなくなった。
彼女は僕にとって、太陽のような存在だ。
部活のメンバーは家族のように仲がいい。

隠喩の使用例と特徴

「隠喩」は、「直喩」から「~ような」「~のように」の表現を除いても伝わる場合に用いることができる比喩表現です。「直喩」に比べると相手の受け取り方次第で予期せぬ形で伝わってしまう心配もあるので、使用する際は注意が必要になってきます。上述もしましたが、断定的な表現になるので意味が強くなる印象もあるでしょう。例文をみていきますね。

【隠喩】
今日は歩きすぎて、足がだ。
彼女は僕にとっての太陽だ。
部活のメンバーは家族である。

「直喩」と「隠喩」上手に使い分けて、相手に伝わる文章を心がけよう!

「直喩」や「隠喩」などの比喩表現を使うことによって、書き手や話し手の主張や言いたいことを、読み手や聞き手に理解しやすく伝えることができます。複雑な内容や、相手にとって未知で新しいことなどを説明するときは積極的にとりいれてみるのがいいでしょう。

まずは「直喩」を使用して「~のような」とたとえてみるところから挑戦しましょう。慣れてきたら「隠喩」で表現することが可能かどうか文脈を見ながら判断して、練習してみるのもいいですね。ぜひ上手に比喩表現を取り入れて、魅力的な文章を組み立てられるように挑戦してみてくださいね。

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簡単でわかりやすい!「直喩」と「 隠喩」の違いとは?擬人法との違いや例文も雑学好きライターがくわしく解説

この記事では「直喩」と「隠喩」の違いについてみていきます。どちらも修辞技法の1つで、物ごとを喩(たと)える際に使われるイメージがあるな。違いはずばり「~のような」「~のごとく」という表現が使われるか否かにあるようです。今回は「直喩」と「隠喩」をはじめとした比喩表現について、文章にあたえる効果からそれぞれの修辞技法が文章にあたえる効果まで、雑学好きライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

工事会社勤務9年目。心に浮かんだもやもやを言語化することでストレス発散をはかる現役OLライター。読書が趣味で、日々様々な言葉に触れている。最近は、言葉の持つ意味を理解して文章をより豊かに読み進めていく丁寧な読書を心がけている。

「直喩」と「隠喩」の違いは「~のような」を使うか否か

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「直喩」と「隠喩」の違いは、文章のなかで「喩(たと)え」をあげるとき「~のような」「~のごとく」という表現をするか否かにあります。「~」の部分には、特定の名詞が入ることが多いです。直喩は「~のような」を用いる比喩、「隠喩」は用いない比喩になりますね。修辞技法の1つ「擬人法」とも比較しながら、ここからくわしくみていきましょう。

直喩:「~のような」を用いた比喩

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直喩とは「~のような」や「~のように」、「~のごとく」などの表現を用いて行う比喩のこと。「まるで~のような〇〇」と表現することで、比喩表現に続く「〇〇」について、説明をしやすくなったり、読み手や聞き手にイメージしてもらいやすくなるという特徴があります。

例えば「赤ちゃんはまるで天使のような笑顔を見せてくれる」という文章があったとして、「天使のような」という直喩表現があることによって「赤ちゃんの笑顔」の様子がイメージしやすくなっていますね。

隠喩:「~のような」を用いない比喩

隠喩とは「~のような」や「~のように」、「~のごとく」を用いないで行う比喩表現のこと。断定的な表現になることが多いので、直喩と比べるとより強い印象を与えることができます。

例えば「赤ちゃんは天使の笑顔を見せてくれる」と表現すると、前述した直喩の例文よりも少々強い印象を受けますね。ただ、隠喩は受け手の受け取り方次第で、解釈の幅が広がってしまうという特徴があるので、相手に伝えたいニュアンスで伝わっているか注意をする必要があるでしょう。

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