
簡単でわかりやすい!ホラ吹きと嘘つきの違いとは?由来や英語表現も現役塾講師がわかりやすく解説

ライター/空野きのこ
大学在学中から文学・国文法や教育について本格的に学び、現在は小中学生に勉強を教えている講師。その知識と経験を活かし、言葉の雑学を中心に分かりやすく解説していく。
ホラ吹きと嘘つきのざっくりした違い

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まずはじめに、「ホラ吹き」と「嘘つき」のざっくりした違いについて説明したいと思います。「ホラ吹き」が「大げさでデタラメなことを言ったり、ものごとを誇張して言う人のこと」を意味するのに対し、「嘘つき」は「嘘を言うこと」や「嘘を言う人」のことです。といっても、これだけの説明ではまだ違いがよくわからないかと思いますので、それをていねいに説明していきましょう。
ホラ吹きと嘘つきの由来について説明
さきほど、「ホラ吹き」は「大げさでデタラメなことを言ったり、ものごとを誇張して言う人のこと」を意味し、「嘘つき」は「嘘を言うこと」や「嘘を言う人」を意味することを説明しましたが、ここからは両者の意味について理解をより深めるために、それぞれの言葉の由来について説明していきたいと思います。
「ホラ」は法螺貝のこと

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まずは「ホラ吹き」の由来について説明しましょう。「ホラ吹き」の語源は「法螺」にあります。この「法螺」とは「法螺貝」を略したものであり、法螺貝で出来た笛はとても大きな音を出すことができるので、修験者たちが猛獣を追い払うため山中で吹いたり、仏教においては法会などで吹いたり、戦国時代には戦陣における合図などに用いられました。
そこから、法螺を吹くと大きな音が出るのと同じように、場を盛り上げるために大袈裟なことを言うことを「ホラを吹く」と言い、そのようなことを言う人のことを「ホラ吹き」と呼ぶようになったと言われています。ですので、「ホラ吹き」とは基本的に、事実にもとづいたことを大げさに言ったりする人のことで、ときに嘘をつくことがあっても、その目的は他人やその場を盛り上げることにあると言えるでしょう。
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嘘は口笛をふくことが由来?
「嘘つき」については、読んで字のごとく、「嘘」をつくところから「嘘つき」になったのですが、「嘘」という言葉の由来についてはご存じでしょうか?口をすぼめて息や声を出すこと、つまり口笛を吹くことを「嘯く(うそぶく)」というのですが、「嘘」はその「うそぶく」が由来ではないかという説があります。たとえば、漫画などでも登場人物が何かについて知らないフリをするとき、口笛を吹いて誤魔化しますよね。
「うそぶく」という言葉も初めは単に「口笛を吹くこと」を意味していたのが、やがて「とぼけて知らないフリをする」ことに対しても使われるようになりました。ですから、口笛を吹いて誤魔化すように、事実とは異なることを言って人をだますことを「うそぶく」から「嘘」と言うようになったのかもしれません。ですので「嘘つき」は、場を盛り上げることを目的とした「ホラ吹き」と違い、「とにかく人をだます」ニュアンスの強い言葉です。
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ホラ吹きと嘘つきの英語について説明
さきほどまでは「ホラ吹き」と「嘘つき」について、あくまで日本語の視点から説明してきましたが、ここではそれぞれを英語では何というかについて説明しましょう。「ホラ吹き」の英訳というと、「big mouth」が挙げられることもあるかと思いますが、実は、もはや日本語となっている「ビッグマウス」とは違い、英語の「big mouth」は「おしゃべり」や「口が軽い」という意味が強いため、誤解を招いてしまう可能性があるのです。
それならば、「大げさに話す人」や「自慢話をする人」と言った意味の「big talker」や「boaster」の方がニュアンスとしてはより近いのではないでしょうか。また、「嘘つき」に関しては、英語で言うと「liar」です。
日本語の「ビッグマウス」…… 大言壮語を言ったり、大口を叩いたりする人。
英語の「big mouth」……おしゃべり、口が軽い人。
「ホラ吹き」……「big talker」、「boaster」
「嘘つき」……「liar」
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