今回のテーマは「りそな銀行」と「埼玉りそな銀行」の違いについてです。どちらも「りそな銀行」の一種なのはなんとなく想像がつくと思うが、実はりそな銀行の店舗で「埼玉」という形で地名がついているのは埼玉りそな銀行だけです。
なぜ埼玉りそな銀行だけ名前が特殊なのか、両社のサービス内容の違いや設立の経緯などを、雑学好きライター・ねぼけねこと一緒に解説していきます。

ライター/ねぼけねこ

法学部出身。某大組織での文書作成・広報部門での業務に10年以上従事し、IT・プログラミング分野の歴史にも詳しい。

りそな銀行と埼玉りそな銀行の違いをざっくり解説

最初に、りそな銀行と埼玉りそな銀行の違いをざっくり解説します。いずれも「りそな銀行」であり、金融持株会社である株式会社りそなホールディングス・あるいは金融グループとしてのりそなグループの傘下企業です。

ではなぜ、一方には「埼玉」がついて一方にはついていないのか、また「埼玉」が一方だけについた経緯は何なのかを確認していきましょう。

りそな銀行:メガバンクに次ぐ規模の都市銀行

image by iStockphoto

大和銀行あさひ銀行が合併して誕生したのがりそな銀行です。「りそな」の語源はラテン語の「resona」で 「共鳴せよ、響き渡れ」という意味があります。

合併前の大和銀行はかつて野村銀行とも呼ばれ、野村財閥の中核を担っていました。野村銀行の証券部が分社化され、証券会社となったのが現在の野村證券です。また、あさひ銀行は協和銀行と埼玉銀行の合併によって誕生した歴史があります。

現在のりそな銀行は「りそなホールディングス」の傘下にあり、同時にりそなグループの中核を成す存在です。本店は大阪府にあり、都市銀行ながらメガバンクに次ぐ規模で全国に支店を保有しています。

埼玉りそな銀行:埼玉県を中心に独自サービスを行う都市銀行

埼玉りそな銀行「りそなホールディングス」の傘下の都市銀行です。本店は埼玉県にあり、地域密着型の金融事業に取り組んでいて、埼玉県を中心とした独自のサービスを利用者に対して提供しています。

前述のように、大和銀行とあさひ銀行が合併してりそな銀行が誕生した際、あさひ銀行の埼玉県内の店舗と、東京都にある一部の店舗だけが埼玉りそな銀行となりました。

なぜ埼玉りそな銀行は独立している?

先述の通り、埼玉りそな銀行は、りそな銀行が誕生する際に最初から分離する形で独立しました。では、そもそもなぜ埼玉りそな銀行はそうした独立の道を選んだのでしょうか。

埼玉りそな銀行は、大和・あさひ銀行がそれぞれ経営危機に陥った際、埼玉県への影響を最小限に押さえるために分離独立した都市銀行として設立されたのです。よって、同県内の多くの顧客が埼玉りそな銀行へと引き継がれる形になりました。

現在でも、同行はそれらの個人顧客に焦点を当てた地域密着の金融サービスを提供しています。地域の顧客とのつながりを重視しつつ、独自性を保った形で経営されていると言えるでしょう。

\次のページで「りそな銀行と埼玉りそな銀行を利用するメリットは?」を解説!/

りそな銀行と埼玉りそな銀行を利用するメリットは?

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最初に、りそな銀行と埼玉りそな銀行の大まかな違いを見てきました。埼玉りそな銀行は、りそな銀行が誕生する際に、合併による埼玉県への影響をできるだけ小さくするために設立されたものだったのです。次に、それぞれを利用するメリットについて解説します。

りそな銀行:全国各地に店舗がある

りそな銀行は、全国展開している大手銀行なので全国各地に店舗を持ち、利便性が高いことが最大のメリットだと言えるでしょう。また、同行は金融庁から監督を受けているため、信頼性の高さも突出しています。

埼玉りそな銀行:地域密着型のサービスを利用できる

一方の埼玉りそな銀行は、埼玉県を中心とした地域密着型のサービスを利用者に対して提供しています。保有する支店数は126店と埼玉県内における銀行の支店数としてはかなり多く、同県内では他行と比べて特に利用しやすいと言われるのも頷ける話です。

また、多くの地方銀行が事業規模縮小のためATMを統廃合している中、埼玉りそな銀行は店舗外ATMの数が311と大変多く、その利便性の高さは群を抜いていると言えるでしょう。

さらに住宅ローンについては、埼玉県在住のファミリー層を対象として金利が優遇されるローン商品などが取り扱われています。

りそな銀行と埼玉りそな銀行のサービス内容の違いは?

ここまでで、りそな銀行と埼玉りそな銀行が別々の会社となった結果、どのようなメリットが生じたのかを解説しました。りそな銀行には全国展開しているがゆえの強みがあり、埼玉りそな銀行には地域密着ゆえの利点があることが分かりますね。

では、この二つの銀行は、顧客に対してどのようなサービスを提供しているのでしょうか。次はその内容を見ていきましょう。

りそな銀行:ニーズに応じた多彩な商品がある

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りそな銀行は幅広いニーズに対応しており、インターネットバンキング「マイゲート」では振込・残高照会をはじめ、外貨預金や投資信サービスなどを利用することも可能です。

また住宅ローンを例として挙げると、女性向けの「凛next」という商品が用意されており、審査次第で金利を大きく引き下げることが可能。さらに仕事などで忙しく銀行に行く時間がない人でも、独自の電子契約サービスを利用することでいつでも住宅ローンを契約できる体制になっています。

店舗によっては土日祝日でも営業しているほか、平日も最大21時まで営業していることがあるので、店頭での相談も気軽に行えるでしょう。

埼玉りそな銀行:個人向けのさまざまな商品がある

一方、埼玉りそな銀行は個人の顧客をターゲットとしたさまざまな金融商品を取り扱っています。例えば住宅ローンでは変動金利・固定金利の二種類の金利方式が選択することができ、状況に応じて切り替えることも可能です。

また、既存のローンが残っているものの、新しく家を建て替えたいという人向けに「りそな建てかえローン」という商品も用意されています。

このほか、インターネットを通じて金融商品の資料請求や商品の申し込みも可能です。あわせて「りそなグループアプリ」を活用すれば、商品の購入・解約や資産運用状況の確認も簡単にできるでしょう。

\次のページで「りそな銀行と埼玉りそな銀行の地域貢献活動の違いは?」を解説!/

りそな銀行と埼玉りそな銀行の地域貢献活動の違いは?

ここまでで、りそな銀行と埼玉りそな銀行を利用するメリットや、それぞれの持つ強みを解説してきました。しかし銀行は単なる金融商品・サービス等の提供だけでやっていけるものではなく、必ず地域や社会との結びつきを必要とします。

以下では、この二つの銀行はどのような形で地域や社会への貢献を果たし、その上で顧客の囲い込みにつなげているのかを見ていきましょう。

りそな銀行:地域創生や環境保全活動に取り組む

りそな銀行は、地域創生や環境保全活動に関する金融商品を多数取り扱っています。例えば、環境に優しい住宅を購入する人が優遇される特殊な住宅ローン商品などが挙げられるでしょう。

また、市町村や地方公共団体と包括連携協定を結んで地域が抱える課題の解決に取り組んでいるほか、中小企業振興に関する連携協定書も締結するなどし、地域振興に一役買っています。

さらに、遺産整理業務遺言信託を活用して公益財団法人へ寄付を行う顧客に対しては特典も用意するなど、地方創生を目的とした活動への取り組みにも意欲的です。

埼玉りそな銀行:地域社会の持続性サポートに取り組む

一方の埼玉りそな銀行も、持続可能な地域社会の実現に向けたサポート活動を積極的に行っています。例えば、中小企業および小規模事業者ビジネス創造などの支援事業を、大学や地方公共団体と連携しながら展開しているのはその代表例です。

さらに、2021年10月には100%出資の子会社として「株式会社地域デザインラボさいたま」を設立し、これを通して地域の課題の解決に取り組んでいます。主な事業内容は地域課題解決事業と保有資産利活用事業です。

このほか、同行は地方創生協議会を設置して、りそな銀行・関西みらい銀行とともに「まち・ひと・しごと創生協議会」を設けました。これにより、地域の自立的な好循環の創出や、地域との価値共創を目指しています。

りそな銀行と埼玉りそな銀行は、それぞれの規模や地域性を活かしたサービスを提供している

りそな銀行と埼玉りそな銀行は、どちらも株式会社りそなホールディングス・あるいはりそなグループの傘下企業です。いわば親戚同士と言ってもいいでしょう。一方で、りそな銀行は全国展開していることによる強みがあるのに対し、埼玉りそな銀行は地域密着型ゆえの強みを持っています。

よって、大企業としての安心感を求めるのであればりそな銀行がおすすめですし、埼玉県に住んでいて、より地域との結びつきを重要視した金融機関を選びたいのであれば、埼玉りそな銀行が適していると言えるでしょう。

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雑学

簡単でわかりやすい!りそな銀行と埼玉りそな銀行の違いは?設立の経緯やサービス内容、地域貢献活動も雑学好きライターが詳しく解説

今回のテーマは「りそな銀行」と「埼玉りそな銀行」の違いについてです。どちらも「りそな銀行」の一種なのはなんとなく想像がつくと思うが、実はりそな銀行の店舗で「埼玉」という形で地名がついているのは埼玉りそな銀行だけです。
なぜ埼玉りそな銀行だけ名前が特殊なのか、両社のサービス内容の違いや設立の経緯などを、雑学好きライター・ねぼけねこと一緒に解説していきます。

ライター/ねぼけねこ

法学部出身。某大組織での文書作成・広報部門での業務に10年以上従事し、IT・プログラミング分野の歴史にも詳しい。

りそな銀行と埼玉りそな銀行の違いをざっくり解説

最初に、りそな銀行と埼玉りそな銀行の違いをざっくり解説します。いずれも「りそな銀行」であり、金融持株会社である株式会社りそなホールディングス・あるいは金融グループとしてのりそなグループの傘下企業です。

ではなぜ、一方には「埼玉」がついて一方にはついていないのか、また「埼玉」が一方だけについた経緯は何なのかを確認していきましょう。

りそな銀行:メガバンクに次ぐ規模の都市銀行

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大和銀行あさひ銀行が合併して誕生したのがりそな銀行です。「りそな」の語源はラテン語の「resona」で 「共鳴せよ、響き渡れ」という意味があります。

合併前の大和銀行はかつて野村銀行とも呼ばれ、野村財閥の中核を担っていました。野村銀行の証券部が分社化され、証券会社となったのが現在の野村證券です。また、あさひ銀行は協和銀行と埼玉銀行の合併によって誕生した歴史があります。

現在のりそな銀行は「りそなホールディングス」の傘下にあり、同時にりそなグループの中核を成す存在です。本店は大阪府にあり、都市銀行ながらメガバンクに次ぐ規模で全国に支店を保有しています。

埼玉りそな銀行:埼玉県を中心に独自サービスを行う都市銀行

埼玉りそな銀行「りそなホールディングス」の傘下の都市銀行です。本店は埼玉県にあり、地域密着型の金融事業に取り組んでいて、埼玉県を中心とした独自のサービスを利用者に対して提供しています。

前述のように、大和銀行とあさひ銀行が合併してりそな銀行が誕生した際、あさひ銀行の埼玉県内の店舗と、東京都にある一部の店舗だけが埼玉りそな銀行となりました。

なぜ埼玉りそな銀行は独立している?

先述の通り、埼玉りそな銀行は、りそな銀行が誕生する際に最初から分離する形で独立しました。では、そもそもなぜ埼玉りそな銀行はそうした独立の道を選んだのでしょうか。

埼玉りそな銀行は、大和・あさひ銀行がそれぞれ経営危機に陥った際、埼玉県への影響を最小限に押さえるために分離独立した都市銀行として設立されたのです。よって、同県内の多くの顧客が埼玉りそな銀行へと引き継がれる形になりました。

現在でも、同行はそれらの個人顧客に焦点を当てた地域密着の金融サービスを提供しています。地域の顧客とのつながりを重視しつつ、独自性を保った形で経営されていると言えるでしょう。

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