
簡単に分かる「名字」と「苗字」の違い!「姓」・「氏」との違いも院卒日本語教師が分かりやすく解説
俺もさすがに不安になってきたぜ。ここは言葉に詳しい人間に聞いてみることにしよう。
というわけで、今回は「名字」と「苗字」の違いについて、言葉に詳しい院卒日本語教師の”むかいひろき”と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき
ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に言葉の違いについて分かりやすく解説していく。
「名字」と「苗字」に違いはない?

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では、早速「名字」と「苗字」の違いについて考えていきましょう。…と言いたいところですが、現在「名字」と「苗字」の意味や使用場面に違いは一切ありません。ある場面で「苗字」と書いたらよくない…といったことも一切ありませんのでご安心ください。
では、なぜ2つの表記があるのでしょうか。一説には、最初に生まれたのは「名字」の方で平安時代ごろから「なあざな」という読みで使われ始めました。一方の「苗字」は江戸時代に誕生した表記です。「苗」は遠い子孫や末裔という意味があるため、「代々家が続きますように」という願いを込めて、武士が「苗字」という表記を使い始め広まったと考えられています。
第二次世界大戦後、政府が定めた当用漢字表の「苗」の字に「みょう」の読みが当てられなかったことから、現代では「名字」の表現がより使われるようになったとも言われていますね。
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