今回は文旦・ボンタン・ザボンの違いを解説していきます。これらは「みかんより大きい柑橘類の食べ物」という、なんとなくのイメージがある人も多いと思う。皆はどの名前が馴染み深いでしょうか。

一見別物に思えるこの3つ、実は同じ品種のことで地域や年代によって名称が異なっているだけなんです。今回はそんな柑橘類の食べ物を、呼び方の違いを確認しつつ、雑学好きライターの篠崎まおと一緒に解説していきます。

ライター/篠崎まお

漢字と慣用句が好きな文学部卒ライター。趣味はSNSを眺めることと料理。今まで得てきた知識をもとに、わかりやすい情報をお届けする。

文旦・ボンタン・ザボンの違いとは?

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別物のように思える文旦・ボンタン・ザボンの3つですが、実は同じものを指しています。一般的には「文旦」と呼ぶことが多く、地域や年代によって文旦がなまり「ボンタン」と呼ぶようになったようですね。特に九州や四国で「ボンタン」と呼ばれています。一方「ザボン」は文旦の標準和名です。

なぜ呼び方が違うの?

文旦は江戸時代に、中国の船の船長「謝文旦(ジアブンタン)」から伝わったといわれています。ジアブンタンは果肉が淡い黄色の品種を「文旦」、果肉が赤い品種を「謝文(ジアブン)」と呼び分けて伝えました。そこから呼び名がなまり、文旦をボンタン、ジアブンをザボンと呼ぶようになったのです。

またもう1つの説として、中国の「文さん」という役者の家に見事な実がなっていたことから文旦と名付けられた説もあります。中国では役者を「旦」といったことから、「文さん」と「旦」で文旦になったのですね。

文旦とはどんなもの?

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ここまで名称の違いを解説してきましたが、文旦とは実際どのような柑橘類なのでしょうか。

実は文旦は国内生産量の90%近くを高知県が占めています。高知県の特産物といえますね。爽やかで芳醇な香りがあり、皮をむいた瞬間に広がります。またすっきりとした甘みとかすかに感じる苦みがあり、後味が良いのも特徴的。1つが2kg以上になるものもあり、果肉が大きくて食べごたえがあります。

文旦の種類

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文旦には種類があり、収穫されている時期も様々です。また高知県だけではなく、他の地域でも栽培されています。ここからはいくつかの代表的な文旦の種類をみていきましょう。

\次のページで「土佐文旦:最も生産量の多い品種」を解説!/

土佐文旦:最も生産量の多い品種

主に高知県で栽培されている、文旦類の中では最も生産量の多い品種です。12月〜2月の冬の時期に収穫され、1つ400g〜600gほどの大きさ。ハウス栽培や露地栽培(ろじさいばい)で育てられていて、ハウス栽培の方が甘みが強くて苦みが少なく、果肉の色が濃いものが多いです。

水晶文旦:希少価値が高い

土佐文旦と晩王柑(ばんおうかん)の交配によって生まれた品種です。10月〜12月の秋から冬に収穫される文旦で、希少価値が高いためプレゼントなどで喜ばれます。果肉が水晶のようにキラキラとしていて、種が少なく、果肉が柔らかいのが特徴的です。

晩白柚:食べる前に飾って楽しむ人も

晩白柚(ばんぺいゆ)は12月ごろに収穫される、熊本県八代市の特産物です。晩白柚の特徴はなんといってもその大きさで、20㎝を超える大きさのものも。見た目にインパクトがあるため、食べる前に飾って楽しむ人も多いようです。皮がとても分厚く、果肉はさっぱりとした甘みがあります。

安政柑:サラダに使われることもある

安政柑は、晩白柚の次に大きいサイズが特徴の文旦です。15㎝〜20㎝の大きさで、皮が分厚くてどっしりとしています。広島県で栽培されていて、甘みと酸味のバランスが良く、爽やかな味わいが特徴的。サラダに使われることもあります。

\次のページで「阿久根文旦:ボンタンアメに使われている文旦」を解説!/

阿久根文旦:ボンタンアメに使われている文旦

鹿児島県阿久根市を中心に栽培されていて、「ボンタンアメ」に使われている文旦です。「阿久根ボンタン」とも呼ばれており、800g〜1kgの大きめのサイズとなっています。皮が分厚く酸味が強いのが特徴的で、文旦の砂糖漬け(ザボン漬け)にぴったりの品種です。

地域による呼び方の違いを知ろう!

ここまで文旦の呼び方の違いを紹介してきました。地域や年代によって「ボンタン」や「ザボン」と呼び方が変わるのは興味深いですね。皆さんはなんと呼んでいたでしょうか。また、文旦にはたくさんの種類があることもわかりました。初めて聞いた種類もあったと思います。それぞれに特徴的な見た目と味わいがあるため、興味がある方はぜひ食べてみてください!

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簡単でわかりやすい!文旦・ボンタン・ザボンの違い!実は同じ品種?雑学好きライターが詳しく解説

今回は文旦・ボンタン・ザボンの違いを解説していきます。これらは「みかんより大きい柑橘類の食べ物」という、なんとなくのイメージがある人も多いと思う。皆はどの名前が馴染み深いでしょうか。

一見別物に思えるこの3つ、実は同じ品種のことで地域や年代によって名称が異なっているだけなんです。今回はそんな柑橘類の食べ物を、呼び方の違いを確認しつつ、雑学好きライターの篠崎まおと一緒に解説していきます。

ライター/篠崎まお

漢字と慣用句が好きな文学部卒ライター。趣味はSNSを眺めることと料理。今まで得てきた知識をもとに、わかりやすい情報をお届けする。

文旦・ボンタン・ザボンの違いとは?

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別物のように思える文旦・ボンタン・ザボンの3つですが、実は同じものを指しています。一般的には「文旦」と呼ぶことが多く、地域や年代によって文旦がなまり「ボンタン」と呼ぶようになったようですね。特に九州や四国で「ボンタン」と呼ばれています。一方「ザボン」は文旦の標準和名です。

なぜ呼び方が違うの?

文旦は江戸時代に、中国の船の船長「謝文旦(ジアブンタン)」から伝わったといわれています。ジアブンタンは果肉が淡い黄色の品種を「文旦」、果肉が赤い品種を「謝文(ジアブン)」と呼び分けて伝えました。そこから呼び名がなまり、文旦をボンタン、ジアブンをザボンと呼ぶようになったのです。

またもう1つの説として、中国の「文さん」という役者の家に見事な実がなっていたことから文旦と名付けられた説もあります。中国では役者を「旦」といったことから、「文さん」と「旦」で文旦になったのですね。

文旦とはどんなもの?

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ここまで名称の違いを解説してきましたが、文旦とは実際どのような柑橘類なのでしょうか。

実は文旦は国内生産量の90%近くを高知県が占めています。高知県の特産物といえますね。爽やかで芳醇な香りがあり、皮をむいた瞬間に広がります。またすっきりとした甘みとかすかに感じる苦みがあり、後味が良いのも特徴的。1つが2kg以上になるものもあり、果肉が大きくて食べごたえがあります。

文旦の種類

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文旦には種類があり、収穫されている時期も様々です。また高知県だけではなく、他の地域でも栽培されています。ここからはいくつかの代表的な文旦の種類をみていきましょう。

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