色の度合いを表す言葉はいろいろあるな。
代表的なものが「彩度」と「明度」ですが、両者の違いがわかる人は少ないんじゃないか。
今回は彩度と明度の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

彩度と明度の違い

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デジタル写真やデジタルイラストレーションの分野でよく聞く言葉が「彩度」と「明度」です。聞いたことはあるけれど、具体的な違いがわからない人も多いのではないでしょうか。ここでは「彩度」と「明度」の違いについて解説していきます。

彩度:鮮やかさの尺度

彩度とは色の鮮やかさを表す尺度です。鮮やかさと言うと、言葉で表現すると難しいのですが、「色の強さ」と思ってもらって差し支えないでしょう。単純に言えば色の「濃い」と「薄い」とも言えるのです。「彩度」が一番高い色を「純色(混じりけのない色)」と呼び、一番低いと白や黒、グレーなどで表現されるいわゆる「モノクロ」の色あいとなります。

明度:明るさの尺度

明度とは色の明るさを表す尺度。簡単に言えば明るいか暗いかということで、一番明度が高い色は「白」、一番明度の低い色は「黒」となるのです。「純色」に「白」を混ぜると明度は上がり、彩度は低くなります。同様に「純色」に「黒」を混ぜると「明度」は下がり、「彩度」も低くなったと言えるのです。

その他の色の要素

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「彩度」や「明度」に関連して「純色」という言葉もお伝えしましたが、他にも色に関係する要素はいくつか存在しています。ここでは一例として、「色相」と「輝度」という言葉についても見ていきましょう。

\次のページで「色相:色味の違い」を解説!/

色相:色味の違い

「色相」とは、赤色・青色のような色味の違いのことです。「色相」と「彩度」と「明度」の3つを合わせて、「色の3属性」と呼びます。「色相」の変化を近い色味どうしで円状に並べたものを「色相環」と呼び、デザインなどの分野での色使いの基本です。「色相環」に並んだ色で反対側どうしにある色は、お互いの色を引き立てる配色となる「補色」に該当します。

輝度:色に明るさの違いを考慮した値

「輝度」は色によって人間が認識する明るさの違いを考慮した尺度。色の三原色である赤・緑・青では、同じ「明度」であっても緑が明るく感じ、青が暗く感じます。赤であれば0.3、緑であれば0.6、青であれば0.1の倍数を、それぞれの「明度」にかけることで算出される特殊な尺度です。

彩度と明度の使い方

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「彩度」と「明度」の意味をマスターしたところで、実際にどのように使うのかを見ていきましょう。イラストや写真を仕事にしている人だけでなく、ちょっとしたポスターやパンフレットなどの色使いを考える上でも参考になりますよ。

彩度:雰囲気を演出できる

「彩度」が高ければ鮮やかな色味、低ければ落ち着いた色味が表現できます。表現したい目的や意図にあわせて、対象の雰囲気を変えられるのが「彩度」の特徴。

例えばバラの花びらの写真は、鮮烈で妖艶、絢爛な印象を与えたいので「彩度」は高めがいいでしょう。逆にサクラの花びらの写真では、開花期間の短さが醸し出す儚さを伝える意味でも、低めの「彩度」の方が好まれるかもしれません。

明度:見え方を演出できる

「明度」とは明るさの違いなので、当然高ければ明るい印象、低ければ暗い印象を与えます。映画の爽快なシーンでは「明度」を上げ、悲しいシーンでは下げるのが定石と言えるでしょう。「明度」の差が大きいと「コントラスト(お互いの色を際立たせる効果)」が強くなります。「コントラスト」を強烈にして境界線をはっきりとさせると、見え方もはっきりするのです。

\次のページで「彩度は鮮やかさ、明度は明るさの尺度」を解説!/

彩度は鮮やかさ、明度は明るさの尺度

ここまで「彩度」と「明度」の違い、関連用語として「色相」と「輝度」、そして「彩度」と「明度」の使い方について解説してきました。今まで漠然と使っていた言葉たちの理解が深まると、色使いにも興味が湧いてきたのではないでしょうか。

現代は絵画や写真といったアート分野だけではなく、映画やアニメーションなどの映像作品、広告などさまざまな分野で色使いは研究されています。印象に残ったものが、どのような色使いをされているのか調べてみるのも面白いですよ。

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言葉雑学

3分で簡単にわかる彩度と明度の違い!色相や輝度との違いも雑学好きライターがわかりやすく解説

色の度合いを表す言葉はいろいろあるな。
代表的なものが「彩度」と「明度」ですが、両者の違いがわかる人は少ないんじゃないか。
今回は彩度と明度の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

彩度と明度の違い

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デジタル写真やデジタルイラストレーションの分野でよく聞く言葉が「彩度」と「明度」です。聞いたことはあるけれど、具体的な違いがわからない人も多いのではないでしょうか。ここでは「彩度」と「明度」の違いについて解説していきます。

彩度:鮮やかさの尺度

彩度とは色の鮮やかさを表す尺度です。鮮やかさと言うと、言葉で表現すると難しいのですが、「色の強さ」と思ってもらって差し支えないでしょう。単純に言えば色の「濃い」と「薄い」とも言えるのです。「彩度」が一番高い色を「純色(混じりけのない色)」と呼び、一番低いと白や黒、グレーなどで表現されるいわゆる「モノクロ」の色あいとなります。

明度:明るさの尺度

明度とは色の明るさを表す尺度。簡単に言えば明るいか暗いかということで、一番明度が高い色は「白」、一番明度の低い色は「黒」となるのです。「純色」に「白」を混ぜると明度は上がり、彩度は低くなります。同様に「純色」に「黒」を混ぜると「明度」は下がり、「彩度」も低くなったと言えるのです。

その他の色の要素

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「彩度」や「明度」に関連して「純色」という言葉もお伝えしましたが、他にも色に関係する要素はいくつか存在しています。ここでは一例として、「色相」と「輝度」という言葉についても見ていきましょう。

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