雑学

簡単でわかりやすい!水酸化マグネシウムと酸化マグネシウムの違いとは?薬の効果や副作用も看護師ライターが詳しく解説

この記事では、水酸化マグネシウムと酸化マグネシウムの違いについてみていきます。この2つに共通しているのは医薬品として利用されている点です。物質としての違いや性質の違いがあるのかなど、看護師でWebライターの近野チカと一緒に解説していきます。

ライター/近野チカ

看護師でWebライター。酸化マウグネシウムは実際服用したこともある。

水酸化マグネシウムと酸化マグネシウムとの違いとは?

名前の通り、水酸化マグネシウムはマグネシウムの水酸化物であり、酸化マグネシウムはマグネシウムの酸化物です。原料や製造方法、使用用途には違いがあるのか、詳しくみていきましょう。

水酸化マグネシウムとは中和剤、難燃剤、医薬品などに使われる無機化合物

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Rob Lavinsky, iRocks.com – CC-BY-SA-3.0, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

水酸化マグネシウムは、ブルーサイトという鉱物を粉砕、かん水(海水などの塩化ナトリウムなどの塩分を含んだ水のこと)からアルカリ沈殿法といったように、原料によって製造方法が異なります。工業製品、医薬品としての水酸化マグネシウムは白色です。

水酸化マグネシウムの用途は、廃棄物処理施設や排水処理施設で排煙脱硫剤や酸性排水の中和剤として、プラスチック樹脂や建材などに添加する難燃剤、食品添加物として利用されています。医薬品としては制酸薬や下剤です。

酸化マグネシウムは医薬品などに使われるマグネシウムの酸化物

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酸化マグネシウムは、水酸化マグネシウムや炭酸マグネシウムを焼成(金属などの材料に熱を加えて製品を作り上げる処理方法)して作られる、マグネシウムの酸化物です。放熱材料、合成ゴム、酸中和剤、接着剤、蛍光塗料、医薬品に使われており、医薬品としては胃薬や緩下剤として利用されています。

どちらも制酸薬、緩下剤として使用されている

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薬には様々な種類があり、同じ薬でも複数の効果を持つものも少なくありません。胃薬と言っても胃酸の分泌を抑える薬、胃の粘膜を保護する薬、胃などの消化管の動きを促す薬、消化を助ける薬があります。水酸化マグネシウムや酸化マグネシウムのように金属(マグネシウムなど)を含む制酸薬は、強酸性の胃酸を中和するので胃薬として処方されるのです。

また水酸化マグネシウムや酸化マグネシウムは、大腸での水分吸収を抑えることで便に含まれる水分が増えるため、便を柔らかくするとともに大腸を刺激して排便を促します。このように便の硬さを調整し、間接的に大腸を刺激する薬が緩下剤です。下剤は大きく分けて、この緩下剤のほか、大腸の粘膜を刺激して腸蠕動を促す刺激性下剤の2種類があります。

副作用の高マグネシウム血症に注意

水酸化マグネシウムや酸化マグネシウムを服用する際に気をつけたいのが、高マグネシウム血症です。

どんな人に出やすい?

腎臓の病気や高齢者のように腎機能が低下している方の場合は、高マグネシウム血症の副作用が出ることがあります。腎臓の病気でないのに高齢者の腎機能がなぜ低下するかというと、そもそも人は年齢を重ねるごとに見た目だけでなく、視力低下や聴力低下、素早い反応ができなくなる、胃腸での消化吸収や心臓など内臓全般の機能などが低下するものなのです。個人差はありますが、80代は30代に比べて腎機能が半分程度に低下するといわれています。

しかし腎機能が正常な成人であれば、医師に指示された量を守って服用する分には問題ありません。

どんな症状?対処法は?

正常なマグネシウムの血中濃度は1.8〜2.4mg/dlです。

高マグネシウム血症の症状は軽度であれば無症状ですが、血中のマグネシウム濃度が5mg/dlを超えると吐き気や体に力が入りにくい、声をかければ覚醒するが、声をかけないと眠ってしまう意識障害の一種である傾眠(けいみん)1分間に脈が50〜60回未満になる徐脈(じょみゃく)、低血圧などが出現します。血中濃度が12mg/dlを超えると意識混濁(傾眠を含め、意識がはっきりしない状態)〜意識を失う、呼吸が抑制され、最悪心停止に至ることがあるので注意が必要です。

症例数としては少なく、腎不全の持病がある人や高齢者といったリスクの高い人以外が服用しても副作用が起こる心配は入りませんが、万が一、このような症状が出た場合はすぐに病院にいきましょう。

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