今回のテーマは「ハイミー」と「味の素」の違いです。料理に慣れている人ならどちらもなじみ深い調味料だと思うが、ハイミーと味の素はいわばごく近い親戚のような関係で、特に主成分については似通っている。
しかし、調味料として使うことでどのような効果が期待できるかは大きく異なっており、この違いをしっかり踏まえた上で活用するのが重要です。雑学好きライター・ねぼけねこと一緒に解説していきます。

ライター/ねぼけねこ

法学部出身。某大組織での文書作成・広報部門での業務に10年以上従事し、IT・プログラミング分野の歴史にも詳しい。

ハイミーと味の素の違いをざっくり解説

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最初に、ハイミーと味の素の違いをざっくり大まかに見ていきましょう。どちらもかなり長い歴史をもつ調味料で、料理や素材に「うま味」を加えたいときに使用するなど、多くの共通点があります。それでは、どのような点が異なっているのでしょうか。

ハイミー:料理をまろやかでコクのある味わいに仕上げる

最初に「ハイミー」について解説します。ハイミーは味の素社によって製造・販売されている複合調味料と呼ばれる調味料の一種で、1962年に発売されました。2022年には発売60周年を迎えたことになります。

その名前は「うま味が高い」を意味するハイ(High)とミー(味)を合体させたもので、最初は「ハイ・ミー」でしたがその後「ハイミー」となり、現在の正式名称は「うま味だし・ハイミー®」です。本稿では便宜上、「ハイミー」と呼んでいきます。

調味料としてのハイミーの特徴は、料理に加えることで、まろやかでコクのある味わいに仕上げることができる点です。その効果は少量でも期待でき、一般家庭から高級料亭まで幅広く使われています。

味の素:料理の味をととのえる

一方の味の素はハイミーよりも歴史が古く、1900年代初頭に開発されたことで「味の素社」も誕生しました。つまり、味の素がなければ前項で説明したハイミーも生まれなかったことになります。

味の素の主成分は昆布・しいたけ・かつお節に含まれる「うま味成分」と呼ばれるもので、これを使用することで料理の味をととのえたり、あるいは使われている食材のおいしさをさらに引き立てたりすることが可能です。

味の素もハイミーと同様に、一般家庭から飲食店まで広く使用されています。味を補う補助的な役割の調味料として、料理の下ごしらえから仕上げまでの間のあらゆる段階で使用できる点が特に重宝されていると言えるでしょう。

ハイミーと味の素の由来は?

ここまでで、ハイミーには料理にまろやかでコクのある味わいを与える効果があり、味の素は料理の味をととのえ、食材のおいしさを引き立てる効果があることが分かりました。次に、両者はどのような経緯を経て製造されるようになったのか、その由来を見ていきましょう。

ハイミー:前身は「味の素プラス」

ハイミーの名称は、その由来については先に少し述べましたが、「うま味が高い」を意味するハイ(High)と味(ミー)の二つの言葉をあわせたものです。しかし実はハイミーには前身となる商品があり、それは味の素®プラスと呼ばれていました。

後述しますが、味の素の主成分であるグルタミン酸ナトリウム(昆布のうま味成分)は味の素社が世界で初めて抽出したものです。そして、さらにこれにかつお節のうま味成分をプラスしたのが味の素®プラスでした。

そして、味の素®プラスをさらに洗練させていき、ハイミーが誕生しました。つまり、ハイミーはその前身から、すでに二つのうま味成分を合成した濃厚な調味料として製造・販売されていたのです。

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味の素:日本人の栄養状態改善のために開発

味の素の歴史はとても古く、20世紀初頭に化学者の池田菊苗博士が昆布だしから「うま味」成分を抽出することに成功したことから始まります。池田博士は日本人の栄養状態の改善を目的として、料理を美味しく食べる方法を研究していたのです。

このうま味成分がグルタミン酸で、味の素の主成分となりました。そして、池田博士の熱意を共有していた実業家の鈴木三郎助(二代目)が、世界初のうまみ調味料である味の素を開発。「おいしく食べて健康づくり」というコンセプトで味の素社が設立されました。

ハイミーと味の素の主成分

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ここまでで、料理におけるハイミーと味の素の役割と、それぞれが製造・販売されるようになった経緯を解説しました。続けて、さらにハイミーと味の素の主成分について見ていきましょう。どちらもうま味成分であるグルタミン酸ナトリウムがメインですが、ハイミーではさらに他の成分も使われています。

ハイミーの主成分:複数のうま味成分のかけあわせ

ハイミーは、味の素の主成分であるグルタミン酸ナトリウムと、かつお節のうま味成分であるイノシン酸ナトリウム、そして干ししいたけのうま味成分であるグアニル酸ナトリウムの三種類のうま味成分をかけあわせたものです。

これで料理がおいしくならないはずがありません。三つのうま味が組み合わさったことによって、ハイミーは味の素よりもさらに濃厚なコクを与える調味料として完成しました。

もちろんただ組み合わせればいいものではなく、三つの栄養素の配合のバランスのよさも大きな特徴です。バランスのいい濃厚なうま味は、料理の味をととのえる味の素の効果と、さらに濃厚な味わいとコクを与える効果の二つを兼ね備えていると言えるでしょう。

味の素の主成分:グルタミン酸ナトリウム

味の素の主成分は、うま味成分「グルタミン酸ナトリウム」です。先に説明した通り、もともとは昆布だしから抽出・発見された成分でしたが、現在はさとうきびを原材料としています。さとうきびの糖蜜へ発酵菌を加えて、発酵させることでグルタミン酸ナトリウムを作る製法は醤油や味噌にも通じるものがあると言えるでしょう。

グルタミン酸はもともと人体を構成しているアミノ酸の一種で、食品衛生法上の規定では、食品添加物として分類されています。

ハイミーと味の素はどう使い分けるといい?

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ハイミーと味の素の料理における役割や特徴、主成分、そして歴史などについて理解が深まったと思います。次は、それではハイミーと味の素はどのようなシーンで使うといいのか、その使いどころと、それによってもたらされるメリットを見ていきましょう。

\次のページで「ハイミーの使いどころとメリット」を解説!/

ハイミーの使いどころとメリット

ハイミーは、味の素よりもうま味とコクが強いので、汁ものや鍋もののだしとして使うのが最適です。

また煮物もそうで、総じて素材にしっかり味を染み込ませて食べるタイプの料理に合っていると言えるでしょう。通常の料理でも、「何かひと味足りない」と感じたら、ハイミーを入れることでワンランク上の味わいになることも多いです。

ちなみにハイミーにも味の素にも賞味期限はなく、この点も調味料として大きなメリットと言えるでしょう。調味料を使う際のよくある悩みのひとつとして「なかなか最後まで使い切れない」というのが挙げられますが、いずれも品質が変わらずずっと安心して使えるため、自分のペースで消費していくことが可能です。

味の素の使いどころとメリット

味の素はハイミーほど味わいが強くないので、味をととのえたり、下ごしらえの段階で素材に下味をつけたりするのに適しています。

スープや炒め物に加えたり、酢の物・冷奴などにふりかけるのもおすすめです。また、マリネや漬物の液にあらかじめ含ませておくのも上手な使い方と言えるでしょう。素材に下味をつける使い方としては、唐揚げやハンバーグの生地に加えておくという方法があります。

また応用編として、冷凍した魚や肉を解凍する際に少しだけふりかけておくと、素材の旨味を取り逃がしません。通常、こうした食材は解凍することで美味しさが失われてしまうのです。

ハイミーと味の素を活用したレシピ

最後に、ハイミーと味の素のレシピごとの活用方法を紹介します。ハイミーは煮物・カレー・中華料理などにおける具体的な使い方を、そして味の素はサラダ・ナムル・炒飯などを代表例として、効果的な活用術を見ていきましょう。

ハイミー:煮物、カレー、中華料理など

ハイミーは、強いうま味とコクがはっきり出るため、濃厚な味付けが求められる煮物や鍋料理、カレーなどに向いています。また、とろみのある中華料理や、油を使用した料理などで、味がしまらないと感じることがあればぜひ活用してみましょう。

具体的な使い方としては、調理をする段階でむやみに調味料を使わず、あえて少し薄味に仕上げておくのがコツです。そうして最後にハイミーを使えば、味を調整しつつ、強い味わいとコクを加えることができるでしょう。

ポイントは、最後にハイミーを加えることを想定し、その分を「引き算」して料理を作っておくことです。こうすることで調味料の節約にもなります。

味の素:サラダ、ナムル、炒飯など

先に述べた通り、味の素は味の調整や、素材に下味をつけるのに向いているので、炒飯やサラダ、ナムルのようなシンプルな料理に使うと、その良さがはっきり分かるでしょう。

例えばサラダの場合、ガーリックパウダー・塩・レモン・オリーブオイルと一緒に味の素をふりかけると、全体で高品質のおいしいドレッシングに仕上がります。またナムルを作る際、ごま油・塩・炒り白ごまと味の素を一緒に使うのもおすすめです。

味の素はごま油などを使った油料理との相性も大変良いといわれています。炒飯にふりかけて味をととのえれば、うま味たっぷりのお店の味に仕上がるでしょう。

味の素よりもハイミーの方が濃い味わいになる

歴史的にはハイミーよりも味の素の方が古いです。味をととのえたり素材に下味をつけたりする程度の役割だった味の素に、さらに他のうま味成分を加えることで、もっと濃厚な調味料に仕上がったのがハイミーだと言えるでしょう。

味の素は料理の補助的な役割を負っているのに対し、ハイミーはより積極的に、料理の味わいを濃くする役割を負っているということです。レシピや状況にあわせて、それぞれ適切に使い分けましょう。

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簡単でわかりやすい!ハイミーと味の素の違いは?由来や主成分、料理ごとの使い分けも雑学好きライターが詳しく解説

味の素:日本人の栄養状態改善のために開発

味の素の歴史はとても古く、20世紀初頭に化学者の池田菊苗博士が昆布だしから「うま味」成分を抽出することに成功したことから始まります。池田博士は日本人の栄養状態の改善を目的として、料理を美味しく食べる方法を研究していたのです。

このうま味成分がグルタミン酸で、味の素の主成分となりました。そして、池田博士の熱意を共有していた実業家の鈴木三郎助(二代目)が、世界初のうまみ調味料である味の素を開発。「おいしく食べて健康づくり」というコンセプトで味の素社が設立されました。

ハイミーと味の素の主成分

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ここまでで、料理におけるハイミーと味の素の役割と、それぞれが製造・販売されるようになった経緯を解説しました。続けて、さらにハイミーと味の素の主成分について見ていきましょう。どちらもうま味成分であるグルタミン酸ナトリウムがメインですが、ハイミーではさらに他の成分も使われています。

ハイミーの主成分:複数のうま味成分のかけあわせ

ハイミーは、味の素の主成分であるグルタミン酸ナトリウムと、かつお節のうま味成分であるイノシン酸ナトリウム、そして干ししいたけのうま味成分であるグアニル酸ナトリウムの三種類のうま味成分をかけあわせたものです。

これで料理がおいしくならないはずがありません。三つのうま味が組み合わさったことによって、ハイミーは味の素よりもさらに濃厚なコクを与える調味料として完成しました。

もちろんただ組み合わせればいいものではなく、三つの栄養素の配合のバランスのよさも大きな特徴です。バランスのいい濃厚なうま味は、料理の味をととのえる味の素の効果と、さらに濃厚な味わいとコクを与える効果の二つを兼ね備えていると言えるでしょう。

味の素の主成分:グルタミン酸ナトリウム

味の素の主成分は、うま味成分「グルタミン酸ナトリウム」です。先に説明した通り、もともとは昆布だしから抽出・発見された成分でしたが、現在はさとうきびを原材料としています。さとうきびの糖蜜へ発酵菌を加えて、発酵させることでグルタミン酸ナトリウムを作る製法は醤油や味噌にも通じるものがあると言えるでしょう。

グルタミン酸はもともと人体を構成しているアミノ酸の一種で、食品衛生法上の規定では、食品添加物として分類されています。

ハイミーと味の素はどう使い分けるといい?

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ハイミーと味の素の料理における役割や特徴、主成分、そして歴史などについて理解が深まったと思います。次は、それではハイミーと味の素はどのようなシーンで使うといいのか、その使いどころと、それによってもたらされるメリットを見ていきましょう。

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