今回は「芭蕉(ばしょう)」と「バナナ」の違いを見ていきます。どちらもよく似た植物で、そっくりな実までつけるから、素人ではなかなか見分けられなのです。ですが芭蕉とバナナには5つも違いがあり、一度学べば次からはハッキリと見分けがつくでしょう。とはいっても、日本の屋外で栽培されているのは大体が芭蕉だけどな。この先は外食好き主婦ライターのスズキアユミと一緒に詳細を解説していきます。

ライター/スズキアユミ

食べることが大好きな主婦ライター。週に2回は外食を楽しみ、近隣のお店を開拓している。高級料理よりも庶民派の手軽なものが好み。

芭蕉(ばしょう)とバナナの違いは5つ!

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芭蕉(ばしょう)とバナナはどちらも「ショウガ目バショウ科バショウ属」に分類される同じ仲間の植物。芭蕉は「ジャパニーズ・バナナ」とも呼ばれ、バナナによく似た見た目をしています。少し見ただけでは見分けがつきませんが、次の5つの違いを知れば簡単に芭蕉とバナナを見分けられるようになるでしょう。

1.果実の大きさ
2.果実がおいしいかどうか
3.花や苞(ほう)の色
4.葉の裏の色
5.生育する気候

1.果実の大きさ

芭蕉とバナナの果実は大きさが違います。芭蕉の果実は全長7~8cmほどで、小さなバナナといった風貌です。対するバナナの果実は、日本で最も多く流通しているキャベンディッシュという品種で15~17cmほど。芭蕉の2倍以上の大きさです。

2.果実がおいしいかどうか

芭蕉とバナナでは、果実が食べられるかどうかという点でも違いがあります。芭蕉の果実は種が多く、果肉がほとんど入っていません。そのわずかな果肉にはタンニンという渋み成分が多く含まれているため、なんとか食べたとしてもおいしくないのが実情です。

対するバナナの果実は、甘くて柔らかく、とてもおいしいのは皆さんもご存じのとおりですね。バナナの中には加熱調理向きの甘くない種類もありますが、適切に調理すれば非常に味のいい食材であるため、バナナがおいしいことに変わりはありません。

\次のページで「3.花や苞(ほう)の色」を解説!/

3.花や苞(ほう)の色

花や苞(ほう)と呼ばれる部分の色も、芭蕉とバナナでは違いが見られます。苞とは、花の付け根あたりにあるまくれ上がった葉のように見える部分のことです。芭蕉の花と苞が黄色なのに対し、バナナの花と苞は紫色で、明らかに異なっています。

4.葉の裏の色

芭蕉もバナナも、葉の表面はツヤのある鮮やかな緑色をしていますが、葉の裏はそれぞれ違った特徴を持っています。芭蕉の葉の裏は、表の色から連想できるような薄めの緑色をしている一方、バナナの葉の裏は白っぽく、粉をふいているのが特徴です。

5.生育する気候

芭蕉とバナナは生育する気候も異なります。基本的にはどちらも熱帯の気候を好む植物ですが、芭蕉はある程度の寒さにも耐えることができ、温帯である日本でも生育が可能です。

一方のバナナは熱帯~亜熱帯が生育環境として適しており、寒さには極端に弱いのが特徴。沖縄や鹿児島などの一部の地域を除き、日本で栽培するのは難しい植物です。日本の屋外でバナナのような植物を見かけたら、大半が芭蕉と考えて問題ないでしょう。

芭蕉とバナナの歴史

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芭蕉やバナナは、どこで生まれ、いつごろから人々の生活の近くにあったのでしょうか。特にバナナは身近な食品で、あるのが当たり前のような存在ですね。芭蕉とバナナの原産地や活用の歴史をそれぞれ紐解いていきましょう。

芭蕉の歴史

芭蕉は中国原産で、中国の知識人たちの庭には古くから芭蕉が植えられていました。芭蕉を題材にして漢詩を読んだり、芭蕉の葉に書をしたためたりしたと伝えられています。また、芭蕉の根や種子を漢方薬として使用した歴史もあるようです。

日本では、すでに江戸時代には各地で植栽としての活用が広がっていました。沖縄では芭蕉の繊維を利用して布を作り、衣服などに加工して活用していたといいます。

\次のページで「バナナの歴史」を解説!/

バナナの歴史

バナナの原産地は東南アジア。紀元前5千年~1万年前、偶然にも種のないバナナが発見され、その苗を元にバナナの栽培が始まりました。日本には1903年に台湾からバナナがもたらされ、当時は高級な食べ物で庶民には手が出ない貴重な存在でしたが、1963年のバナナ輸入自由化によって広く食べられる存在に変化。現在のように身近な存在になりました。

芭蕉とバナナの種類

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複数の種類が存在する芭蕉とバナナ。種類によって活用方法が違ったり、味や大きさが違ったりと、それぞれ突出した特徴を持っています。特にバナナは、いろいろな種類を食べ比べて楽しむこともできるので興味深いのではないでしょうか。

芭蕉の種類

芭蕉には、繊維をとることを目的として栽培される「糸芭蕉(いとばしょう)」と、観賞を目的として栽植される「花芭蕉(はなばしょう)」に大きく分けられます。糸芭蕉の正式名称は「リュウキュウバショウ」といい、沖縄で作られる芭蕉布の原料はこのリュウキュウバショウです。

バナナの種類

バナナには数多くの種類があります。もっともメジャーなのが「キャベンディッシュ」で、世界の50%、日本では90%がキャベンディッシュだといわれるほど消費量の多いバナナです。「ラカタン」はキャベンディッシュよりも酸味のある味わいで、フィリピンで人気の高い品種。「レディー・フィンガー(モンキー・バナナ)」は7cm程度の小さいバナナで、皮が薄くて甘みが強いのが特徴です。「プランテン」は加熱調理専用のバナナで、世界のバナナ生産量のうちの20%ほどを占めています。

この他にも、「台湾バナナ」や「ハイランド」、「モラード」、「シマバナナ」など、各地で独自に栽培される品種も多く存在します

芭蕉とバナナは別の植物!近くにあれば観察してみよう

芭蕉とバナナはよく似た見た目ですが別の植物。果実の大きさやおいしさ、花や苞の色、葉の裏の色、生育する気候に違いがあります。日本の屋外で見られるのは大半が芭蕉ですが、沖縄などの暖かい地方ではバナナも混ざっているかもしれません。特徴をよく観察し、芭蕉かバナナかを見分けてみるのも面白いですね

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雑学食べ物・飲み物

「芭蕉」と「バナナ」の違いは5つ!ジャパニーズ・バナナって何のこと?種類や見分け方も外食好きライターが簡単にわかりやすく解説

今回は「芭蕉(ばしょう)」と「バナナ」の違いを見ていきます。どちらもよく似た植物で、そっくりな実までつけるから、素人ではなかなか見分けられなのです。ですが芭蕉とバナナには5つも違いがあり、一度学べば次からはハッキリと見分けがつくでしょう。とはいっても、日本の屋外で栽培されているのは大体が芭蕉だけどな。この先は外食好き主婦ライターのスズキアユミと一緒に詳細を解説していきます。

ライター/スズキアユミ

食べることが大好きな主婦ライター。週に2回は外食を楽しみ、近隣のお店を開拓している。高級料理よりも庶民派の手軽なものが好み。

芭蕉(ばしょう)とバナナの違いは5つ!

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芭蕉(ばしょう)とバナナはどちらも「ショウガ目バショウ科バショウ属」に分類される同じ仲間の植物。芭蕉は「ジャパニーズ・バナナ」とも呼ばれ、バナナによく似た見た目をしています。少し見ただけでは見分けがつきませんが、次の5つの違いを知れば簡単に芭蕉とバナナを見分けられるようになるでしょう。

1.果実の大きさ
2.果実がおいしいかどうか
3.花や苞(ほう)の色
4.葉の裏の色
5.生育する気候

1.果実の大きさ

芭蕉とバナナの果実は大きさが違います。芭蕉の果実は全長7~8cmほどで、小さなバナナといった風貌です。対するバナナの果実は、日本で最も多く流通しているキャベンディッシュという品種で15~17cmほど。芭蕉の2倍以上の大きさです。

2.果実がおいしいかどうか

芭蕉とバナナでは、果実が食べられるかどうかという点でも違いがあります。芭蕉の果実は種が多く、果肉がほとんど入っていません。そのわずかな果肉にはタンニンという渋み成分が多く含まれているため、なんとか食べたとしてもおいしくないのが実情です。

対するバナナの果実は、甘くて柔らかく、とてもおいしいのは皆さんもご存じのとおりですね。バナナの中には加熱調理向きの甘くない種類もありますが、適切に調理すれば非常に味のいい食材であるため、バナナがおいしいことに変わりはありません。

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