簡単で分かりやすい「検視」と「検死」の違い!どんなときに実施するの?「検案」や「解剖」も元塾講師が詳しく解説!
「解剖」:検視・検案以外の方法
「検視」「検案」でも死因や事件性の有無が分からないときに、死体を切開してさらに情報を得るために行うのが「解剖」です。死因を特定するための解剖を法医解剖と言います。法医解剖には次の2種類です。
一つ目が「司法解剖」。事件性が疑われる死体の解剖で、報道やドラマなどでよく耳にする解剖はこの司法解剖に当たります。司法解剖は遺族が希望しても、検察や警察が不要と判断すれば行われません。逆に裁判所が発行する「鑑定処分許可書」があれば、遺族の同意なしで司法解剖ができます。
もう一つが「行政解剖」。事件性がないと断定された死体の解剖で、死因の究明のために行われる解剖です。監察医が行うと規定されていましたが、2013年施行の「死因・身元調査法」により、監察医がいない地域でも遺族の許諾なしで警察署長が解剖を指示できるようになりました。
「検視」と「検死」の違いは法律用語かどうか
「検視」も「検死」も司法機関によって行われるものですが、その違いは法律用語であるかどうかの違いです。「検視」は刑事訴訟法で規定されている手続きであるのに対して、「検死」は死因究明、事件性の有無の判定のための「検視」「検案」「解剖」という手続き全般を指しています。この「検死」によって亡くなった方の死因だけでなく、事件性があるかどうかなどを総合的に判断していくのです。