この記事では「低圧」と「高圧」の違いについてみていきます。どちらも圧力の強さを表す言葉です。特に電力供給の分野においてはよく聞く言葉になるでしょう。高圧電力と低圧電力では用いられる用途にも差が出てくるといわれている。「電気圧力」の種類から「低圧電力」と「高圧電力」の各々の特徴についても、工事会社勤務の現役OLライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

工事会社勤務9年目。入社から現在まで、現場踏査や設計業務など幅広く経験。地下埋設物には少々くわしい。専門用語が飛び交う職場で自分の言葉に置き換え、理解しなおす言語化作業に日々奮闘中の現役OLライター。

「低圧」と「高圧」の違いは電力会社の電圧の種類

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一般的に「低圧」や「高圧」と表現する場合は、電気の圧力の種類のことをさしていますね。簡単に説明すると、高圧は直流で750V超~7000V以下、交流で600V超~7000V以下、低圧は直流750V以下、交流600V以下の電圧のことです。これらの数値は電気設備基準における送電電圧の規格によって定められています。ここからくわしくみていきましょう。

低圧:直流750V以下、交流600V以下の電圧

低圧とは、直流750V以下、交流600V以下の電圧のこと。「低圧電力」といわれ、契約電力でいうと50kW未満の範囲をさしていますね。一般家庭をはじめ商店や飲食店などが契約することが多いです。低圧電力は、電柱に設置されているトランスとよばれる柱上変圧器によって、100V~200Vに変圧されて需要家のもとへ届けられます。

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高圧:直流750V超~7000V以下、交流600V超~7000V以下

高圧とは、直流750V超~7000V以下、交流600V超~7000V以下の電圧のこと。「高圧電力」といわれ、契約電力でいうと50~2000kW未満の範囲をさしていますね。商業施設や工場、病院や学校など、中小規模の施設が契約することが多いです。

また、高圧電力を契約する場合には、キュービクル式高圧受電設備という変圧をするための設備を設置する必要があるんだそう。キュービクル式高圧受電設備によって、高圧で送電されてきた電気を変圧し、使用可能電圧まで下げることで実際に電気を使用することができるようになります。

特別高圧との違いは?

特別高圧とは、直流、交流ともに7000V超の電圧のこと。「特別高圧電力」といわれ、契約電力が2000kW以上の範囲のことをさしています。大規模な工場や、デパートなどの商業施設、オフィスビルなど、大量に電力を使用する施設が主な契約者です。

大量の電力を必要とする需要家の施設へは、直接変電所から送電線を引き込み電流を流す必要がでてくることも。この場合、送電線を引き込むための鉄塔が必要になってきたり、設備を管理するための電気主任技術者を配置する必要があったりと、特別高圧電力をしようするためには、特別な設備や人材が必要不可欠になってくるんだそう。

「低圧電力」と「高圧電力」の使い分けや料金の設定方法とは?

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ここからは「低圧電力」と「高圧電力」の使い分けについてさらにくわしく触れ、契約に応じた使用料金の設定方法などを確認していきましょう。

低圧電力:一般家庭や事務所、商店

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低圧電力は1か月の使用電力が50kW未満の場合に契約する電力です。低圧電力の契約電力は、指定の電気機器をあらかじめ設定し、その総容量に一定の係数を乗じて設算定する「負荷設備契約」と、契約主開閉器つまりメインブレーカーの容量をもとに契約電力を算定する「主開閉器契約」とがあります。

「主開閉器契約」は、多くの電気機器を持っていても、すべての機器を同時に使用しない場合などに選択すると契約電力が下がりお得に使用することができる場合もありますよ。契約電力が高くなるにつれて基本料金が高くなるため、どちらがお得に電気を使用できるのか見直してみるのもいいでしょう。

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高圧・特別高圧:ビル・工場

高圧電力は1か月の使用電力が50~2000kW未満の場合契約する電力です。高圧電力の契約電力は、直近12か月での電気の使用量の最大値をさす「デマンド」という数値をもとに決められています。

工場などで複数の設備を同時に使用したり、空調などをフル稼働させたりすると、使用電力は急激に高くなりますね。このようなタイミングで「デマンド」の数値は記録されているんだそう。「デマンド」の数値が上がると契約電力も上がることとなり、その結果基本料金も上がっていく仕組みになっていますね。

電力やガスエネルギーについて確認してみよう!

電気は、使用者に届けられる圧力によって、使用する施設や料金の設定方法に違いがあることがわかりました。また、電気の供給に関しては、その供給業者を使用者が選択できる「電力の自由化」がはじまっていますね。ぜひこの機会にご自宅や勤務先などの電気の契約書や明細などを確認し、電気の圧力や料金設定について調べてみてはいかがでしょうか?見直しをおこなういいきっかけにもなるでしょう。

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簡単でわかりやすい!「低圧」と「高圧」の違いとは?特別高圧との違いや高圧電力・低圧電力の使い分けも工事会社勤務の現役OLライターがくわしく解説

この記事では「低圧」と「高圧」の違いについてみていきます。どちらも圧力の強さを表す言葉です。特に電力供給の分野においてはよく聞く言葉になるでしょう。高圧電力と低圧電力では用いられる用途にも差が出てくるといわれている。「電気圧力」の種類から「低圧電力」と「高圧電力」の各々の特徴についても、工事会社勤務の現役OLライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

工事会社勤務9年目。入社から現在まで、現場踏査や設計業務など幅広く経験。地下埋設物には少々くわしい。専門用語が飛び交う職場で自分の言葉に置き換え、理解しなおす言語化作業に日々奮闘中の現役OLライター。

「低圧」と「高圧」の違いは電力会社の電圧の種類

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一般的に「低圧」や「高圧」と表現する場合は、電気の圧力の種類のことをさしていますね。簡単に説明すると、高圧は直流で750V超~7000V以下、交流で600V超~7000V以下、低圧は直流750V以下、交流600V以下の電圧のことです。これらの数値は電気設備基準における送電電圧の規格によって定められています。ここからくわしくみていきましょう。

低圧:直流750V以下、交流600V以下の電圧

低圧とは、直流750V以下、交流600V以下の電圧のこと。「低圧電力」といわれ、契約電力でいうと50kW未満の範囲をさしていますね。一般家庭をはじめ商店や飲食店などが契約することが多いです。低圧電力は、電柱に設置されているトランスとよばれる柱上変圧器によって、100V~200Vに変圧されて需要家のもとへ届けられます。

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