今回は「宇和ゴールド」と「グレープフルーツ」の違いを見ていきます。宇和ゴールドは「河内晩柑(かわちばんかん)」という品種の柑橘のブランド名です。「和製グレープフルーツ」とも呼ばれるフルーツで、グレープフルーツとよく似た見た目をしているぞ。ですがよくよく確認すると、宇和ゴールドとグレープフルーツには5つも違いがあったんです。この先は外食好き主婦ライターのスズキアユミと一緒に詳細を解説していきます。

ライター/スズキアユミ

食べることが大好きな主婦ライター。週に2回は外食を楽しみ、近隣のお店を開拓している。高級料理よりも庶民派の手軽なものが好み。

宇和ゴールドとグレープフルーツは別物?

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宇和ゴールドとグレープフルーツはどちらも柑橘類。特にグレープフルーツは知名度が高く、世界的に流通しているため、イメージが付きやすい方も多いでしょう。宇和ゴールドは見た目がグレープフルーツに似ていることから、「和製グレープフルーツ」などと呼ばれることもありますが、別の種類のフルーツです。

宇和ゴールドは河内晩柑(かわちばんかん)のブランド名の1つ

宇和ゴールドは、河内晩柑(かわちばんかん)という品種の柑橘を販売するために付けられたブランド名の1つ。生産地によって異なるブランドとして流通・販売されており、宇和ゴールドの他にも以下のようなブランド名が存在します。

・ジューシーフルーツ
・ジューシーオレンジ
・サウスオレンジ
・灘オレンジ
・愛南ゴールド
・ハーブ柑
・美生柑
・天草晩柑
・夏文旦

宇和ゴールドとグレープフルーツの違いは5つ!

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宇和ゴールドとグレープフルーツには以下の5つの違いがあります。見た目が似ているとはいえ、別のフルーツですから多くの違いがあるのも当然。それが個性や魅力にもなっています。1つずつ確認していきましょう。

違い1.形と色
違い2.味
違い3.発祥
違い4.名前の由来
違い5.生産地と旬

違い1.形と色

宇和ゴールドは黄色の球体で、やや下ぶくれの形をしています。早い時期に収穫される実の表面はなめらかですが、梅雨の時期を過ぎて収穫されるものは表面に凹凸ができたり、「回青現象(かいせいげんよう)」と呼ばれる色の変化が起こったりすることも。回青現象とは、一度黄色く色づいた実の表面の一部が、気温の上昇によって緑色に戻ってしまう現象です。

グレープフルーツは、宇和ゴールドと同じようにやや下ぶくれの球体。品種によって色が異なり、黄色の果皮と黄色の果肉をした「ホワイト・マーシュ」、黄色の果皮と赤みがかった果肉の「ピンク(ルビー)・マーシュ」、ピンクがかった果皮と濃い赤色の果肉の「スタールビー」に分けられます。

違い2.味

宇和ゴールドはスッキリとした甘みと酸味があり、気にならない程度にほのかな苦みがあります。春~夏に出回るものは甘みと酸味が弱く、果汁も少なくなるのが特徴。それが食感にも影響し、春夏はシャキシャキとした果肉の食感、それ以外の季節はジューシーな味わいが楽しめるフルーツです。

一方のグレープフルーツは甘さが控えめで、さわやかな酸味と苦みを感じるさっぱりした味わい。産地によって果汁量が異なることもいわれていますが、おおむね一定したジューシーさを持っています。

違い3.発祥

宇和ゴールドは弓削瓢柑(ゆげひょうかん)という柑橘が突然変異したもので、1935年に熊本県の河内村で自生しているのが発見されました。1970年代には量産化が始まり、年々生産量を増やしています。

グレープフルーツはオレンジと文旦が自然交配して自生したもので、1750年代にカリブ海のバルバドスという島で発見されました。19世紀にアメリカ大陸に持ち込まれると各地に広がり、その後に世界各国へ広まったといわれています。

\次のページで「違い4.名前の由来」を解説!/

違い4.名前の由来

宇和ゴールドの品種名である「河内晩柑」は、河内村で発見された遅い季節にとれる柑橘というところから名前が付けられました。ブランド名の「宇和ゴールド」は、愛媛県宇和島市で生産されている点と、柑橘類のブランド名によく使用される「ゴールド」を合わせて作られています。

一方のグレープフルーツは、実のつき方が名前の由来です。3~10個ほどの実が、まるでぶどう(グレープ)のように房状に実をつけることから、英語名でグレープフルーツと名付けられました。

違い生5.産地と旬

宇和ゴールドは70%が愛媛県、27%が熊本県で作られ、その他は高知県、和歌山県、鹿児島県、大分県で生産されています(2019年の生産量)。木に実がついた状態で冬を越す必要があるため、温暖な地域での栽培が適しているからです。旬は4~7月にかけてで、春から夏の長期間に渡って楽しむことができます。

グレープフルーツのほとんどは海外で生産されており、中国が全体の45.7%、次いでアメリカ合衆国が14.5%、南アフリカ共和国が5.3%です(2011年の生産量)。ほぼ1年を通じて生産されているため、旬を感じることはほとんどありませんが、もっともおいしいのはアメリカのフロリダ州で4~5月に収穫されたものだといわれています。

宇和ゴールドの食べ方・選び方

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宇和ゴールドは皮が厚いため、食べるときにはちょっとしたコツや工夫が必要です。また、せっかく食べるのであればおいしい個体を選びたいもの。宇和ゴールドの食べ方や、品質のいい個体の選び方を分かりやすくご紹介します

宇和ゴールドの果肉の食べ方

宇和ゴールドは表面の果皮が厚いうえ、内果皮(果肉を直接包んでいる皮)も硬いので、ミカンのように皮のまま食べるには少し抵抗があります。そのため、果肉だけを取り出して食べるのが一般的です。果肉の取り出し方には2種類あります。1つ目は表面の皮が付きのまま横半分に切り、グレープフルーツ用のスプーンを使って果肉を取り出す方法。もっとも手軽で手が汚れにくいやり方です。

2つ目は1房ずつに分け、中心部分の筋(皮の結合部分)を切り取って、両面の皮を裏返すようにして果肉を取り出す方法。果汁がこぼれやすいものの、果肉を余すところなく食べられるのがメリットです。

宇和ゴールドの皮のむき方

宇和ゴールドは表面の果皮をむくのにも、ちょっとしたコツがいります。手だけでは難しいため、包丁を使ってむきやすいように調整をしましょう。まずは宇和ゴールドの上下を少しだけ切り落とします。次に、残った果皮に縦方向の切込みを4~6か所ほど入れたら準備完了です。ワタの部分に指をかけ、切込みに沿って縦に皮をむけば、きれいに取り除くことができます。

\次のページで「おいしい宇和ゴールドの選び方」を解説!/

おいしい宇和ゴールドの選び方

宇和ゴールドを選ぶときは、手に持って重さを確かめてみましょう。ずっしりと重みがあれば、しっかり果肉がつまっている証拠です。見た目の面では、表面にハリと艶があるものが品質のいい個体ですが、宇和ゴールドは季節によって皮の表面の質感が変わるため、見た目の良さに神経質になりすぎる必要はありません。

宇和ゴールドを食べてみよう!

宇和ゴールドは、和製グレープフルーツと呼ばれるほどグレープフルーツに似た見た目をしています。しかし味わいはグレープフルーツとは異なり、苦みが少なく甘さと酸味のバランスがいいスッキリとした味わいです。グレープフルーツの苦みが苦手な方は、宇和ゴールドならおいしく食べることができるのではないでしょうか

宇和ゴールドの旬は4~7月。時期によっても味わいが変化しますので、旬の間にぜひ何度か食べて味を比べてみてくださいね。

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雑学食べ物・飲み物

宇和ゴールドとグレープフルーツの違いは5つ!食べ方や選び方のコツも外食好きライターが簡単にわかりやすく解説

今回は「宇和ゴールド」と「グレープフルーツ」の違いを見ていきます。宇和ゴールドは「河内晩柑(かわちばんかん)」という品種の柑橘のブランド名です。「和製グレープフルーツ」とも呼ばれるフルーツで、グレープフルーツとよく似た見た目をしているぞ。ですがよくよく確認すると、宇和ゴールドとグレープフルーツには5つも違いがあったんです。この先は外食好き主婦ライターのスズキアユミと一緒に詳細を解説していきます。

ライター/スズキアユミ

食べることが大好きな主婦ライター。週に2回は外食を楽しみ、近隣のお店を開拓している。高級料理よりも庶民派の手軽なものが好み。

宇和ゴールドとグレープフルーツは別物?

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宇和ゴールドとグレープフルーツはどちらも柑橘類。特にグレープフルーツは知名度が高く、世界的に流通しているため、イメージが付きやすい方も多いでしょう。宇和ゴールドは見た目がグレープフルーツに似ていることから、「和製グレープフルーツ」などと呼ばれることもありますが、別の種類のフルーツです。

宇和ゴールドは河内晩柑(かわちばんかん)のブランド名の1つ

宇和ゴールドは、河内晩柑(かわちばんかん)という品種の柑橘を販売するために付けられたブランド名の1つ。生産地によって異なるブランドとして流通・販売されており、宇和ゴールドの他にも以下のようなブランド名が存在します。

・ジューシーフルーツ
・ジューシーオレンジ
・サウスオレンジ
・灘オレンジ
・愛南ゴールド
・ハーブ柑
・美生柑
・天草晩柑
・夏文旦

宇和ゴールドとグレープフルーツの違いは5つ!

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宇和ゴールドとグレープフルーツには以下の5つの違いがあります。見た目が似ているとはいえ、別のフルーツですから多くの違いがあるのも当然。それが個性や魅力にもなっています。1つずつ確認していきましょう。

違い1.形と色
違い2.味
違い3.発祥
違い4.名前の由来
違い5.生産地と旬

違い1.形と色

宇和ゴールドは黄色の球体で、やや下ぶくれの形をしています。早い時期に収穫される実の表面はなめらかですが、梅雨の時期を過ぎて収穫されるものは表面に凹凸ができたり、「回青現象(かいせいげんよう)」と呼ばれる色の変化が起こったりすることも。回青現象とは、一度黄色く色づいた実の表面の一部が、気温の上昇によって緑色に戻ってしまう現象です。

グレープフルーツは、宇和ゴールドと同じようにやや下ぶくれの球体。品種によって色が異なり、黄色の果皮と黄色の果肉をした「ホワイト・マーシュ」、黄色の果皮と赤みがかった果肉の「ピンク(ルビー)・マーシュ」、ピンクがかった果皮と濃い赤色の果肉の「スタールビー」に分けられます。

違い2.味

宇和ゴールドはスッキリとした甘みと酸味があり、気にならない程度にほのかな苦みがあります。春~夏に出回るものは甘みと酸味が弱く、果汁も少なくなるのが特徴。それが食感にも影響し、春夏はシャキシャキとした果肉の食感、それ以外の季節はジューシーな味わいが楽しめるフルーツです。

一方のグレープフルーツは甘さが控えめで、さわやかな酸味と苦みを感じるさっぱりした味わい。産地によって果汁量が異なることもいわれていますが、おおむね一定したジューシーさを持っています。

違い3.発祥

宇和ゴールドは弓削瓢柑(ゆげひょうかん)という柑橘が突然変異したもので、1935年に熊本県の河内村で自生しているのが発見されました。1970年代には量産化が始まり、年々生産量を増やしています。

グレープフルーツはオレンジと文旦が自然交配して自生したもので、1750年代にカリブ海のバルバドスという島で発見されました。19世紀にアメリカ大陸に持ち込まれると各地に広がり、その後に世界各国へ広まったといわれています。

\次のページで「違い4.名前の由来」を解説!/

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