
簡単で分かりやすい!あんぽ柿と市田柿の違いとは?特徴や味、栽培地、レシピも農業高校卒ライターが詳しく解説
違いその2.味と食感

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次に、味と食感について見ていきましょう。あんぽ柿と市田柿は、同じ干し柿ですが、その味と食感は全く異なります。それぞれの特徴を具体的に見ていきましょう。
あんぽ柿:ジューシーで濃厚な甘み
あんぽ柿は、干し柿とは異なり水分量が多く、トロッとした食感と羊羹のような甘さが特徴です。干し柿に比べて皮も中身も柔らかく、濃厚な甘さを持ち、食感はゼリーや羊羹に例えられます。
あんぽ柿は水分量が50%前後と干し柿よりも多く、それによってゼリーのような特別な食感を実現。あんぽ柿は干し柿よりも甘みがあり、ジューシーな味わいが楽しめます。また、乾燥しても柔らかさが残り、さまざまな食べ方が可能。菓子や漬け物を作る際には砂糖を加えて練り込むことで自然な甘さと良い香りを楽しむことができます。
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市田柿:もっちりとした食感と上品な甘味
市田柿は、鮮やかな飴色の果肉を持ち、もっちりとした食感と上品な甘味が特徴です。干すことによって味が凝縮され、水分が抜けて果肉はしっかりとした食感を持ちます。甘みもより引き立ち、柿本来の風味を楽しむことが可能。
この特徴的な食感と上品な甘味は、長い間日本人に愛されてきた味わいです。市田柿は、干し柿の代表的な品種であり、日本の伝統的な食文化に根付いています。
市田柿のもっちりとした食感と上品な甘味は、お茶うけやスイーツだけでなく、栄養価も高く、健康にも良い食材として有名。その独特の味わいは、多くの人々に喜ばれており、幅広い料理やお菓子に活用されています。
あんぽ柿:福島県伊達市
あんぽ柿は福島県伊達市で生産されており、その地域の経済を支える重要な産業です。農林水産省のデータによれば、福島県の干柿の生産量は3,073トンで、そのうちあんぽ柿の生産量は少なくとも1,207トン。
伊達市は阿武隈川の肥沃な大地と昼夜の寒暖の差があるため、果樹栽培が盛んに行われています。また、伊達市・伊達郡などでは冬期に出稼ぎ労働者が少ないため、あんぽ柿の生産が地域の経済を支える重要な産業です。
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