今回はえんどう豆とグリーンピースの違いがテーマです。もしかすると、えんどう豆に対してグリーンピースはとても小さいから、両者はもともと全く別の食べ物だと思っている人もいるかも知れない。しかしどちらもエンドウの実(種子)を収穫したもので、収穫のタイミングによって名称が違うんです。
では、それぞれどのタイミングで収穫するとえんどう豆あるいはグリーンピースになるのか。また、双方の栄養価や使い道にはどのような違いがあるのかについても、雑学好きライター・ねぼけねこと一緒に解説していきます。

ライター/ねぼけねこ

法学部出身。某大組織での文書作成・広報部門での業務に10年以上従事し、IT・プログラミング分野の歴史にも詳しい。

えんどう豆とグリーンピースの違いをざっくり解説

えんどう豆とグリーンピースは、同じエンドウの実(種子)ですが、成長の程度によって呼び方が異なります。成熟した実を食べるのがえんどう豆で、グリーンピースは豆が未熟なうちに収穫したものと考えて下さい。

よって栄養価も異なり、もともとえんどう豆はビタミンやミネラル類などの栄養素が豊富ですが、グリーンピースはさらにその上をいきます。グリーンピースは未熟な実なので、エンドウがこれから大きく育つための栄養がたくさん詰まっているといえるでしょう。

えんどう豆:エンドウが成熟したもの

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えんどう豆はエンドウの成熟したもので、ビタミンやミネラルなどの栄養素が多く含まれています。また、食物繊維も豊富なのでお腹の状態の改善にも効果が期待できるでしょう。

旬の季節は春から初夏にかけてで、関東以南では冬に種をまき、春に収穫を始めるという栽培スケジュールになっています。一方、冬の寒さが厳しい北海道や東北では主に春先に播種し、初夏から夏にかけて収穫することがほとんどです。

また、えんどう豆は調理方法やレシピも豊富で、煮たり炒めたりしてもおいしく食べられます。スープやサラダの具材としても最適といえるでしょう。

グリーンピース:エンドウの実が未熟なもの

えんどう豆とグリーンピースは、同じエンドウの種子ですが、収穫するタイミングによってどちらかの分類になります。えんどう豆は豆が完全に熟してから収穫したものですが、グリーンピースは豆が未熟なうちに収穫したものです。

そのため、グリーンピースはえんどう豆よりも栄養価が高く、ビタミンA・C・K、葉酸、鉄分、マグネシウムなどが豊富に含まれています。

また使い道もさまざまで、えんどう豆と同じように煮ても炒めても揚げてもよく、スープやサラダにもよく合うでしょう。詳しくは後述しますが、エンドウは収穫のタイミングによって呼び名が異なるものの、総じて栄養価は高いといえます。

えんどう豆とグリーンピースの栄養価の違い

前項では、えんどう豆とグリーンピースの違いをざっくり説明しました。次に、栄養価の違いという観点から両者の違いを見ていきましょう。先に少し述べましたが、えんどう豆よりもグリーンピースの方が栄養価は高いといえます。

\次のページで「えんどう豆:タンパク質をはじめ栄養素が豊富」を解説!/

えんどう豆:タンパク質をはじめ栄養素が豊富

えんどう豆には、タンパク質をはじめ、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、栄養素が豊富に含まれています。

例えばビタミンKは血液の凝固に必要なビタミンで、不足すると出血が止まりにくくなるのに加え、骨の健康にも欠かせません。またビタミンB1は糖質をエネルギーに変換する効果がありますし、皮膚や粘膜の健康維持・免疫力向上についてのビタミンCの必要性はいうまでもないでしょう。

さらに、正常な赤血球を作るのに必要な葉酸や、腸内環境を整えて血糖値や血中コレステロール値を下げる効果がある食物繊維も外せません。

グリーンピース:食物繊維・ビタミン・カリウムなど

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一方のグリーンピースは、前項で説明したえんどう豆に含まれる栄養素に加えて、ビタミンB2とビタミンB6が豊富に含まれています。ビタミンB2は脂質をエネルギーに変換する際に必要で、タンパク質の合成にも関与しているので成長促進や粘膜の健康維持にも必要不可欠です。

またビタミンB6は、タンパク質の分解や合成を助け、皮膚や粘膜の維持のために必須の栄養素で、さらにアレルギー症状や月経前症候群の症状を緩和する効果も期待できます。

さらに、含まれている食物繊維は、グリーンピースひと握りで大盛りサラダと同じくらいといわれており、便秘改善に役に立つでしょう。カリウムも豊富に含まれているので、体内の水分・塩分量を調整してくれる効果も期待でき、総じて美容にもいいと言えそうです。

えんどう豆とグリーンピースの使い方の違い

ここまでで、えんどう豆とグリーンピースの大まかな違いと、栄養価について解説してきました。同じエンドウから収穫されるとはいえ、どちらも特徴があることが分かったと思います。次に、双方のそんな特徴を踏まえて、料理ではどのような形で使われているのかを見ていきましょう。

えんどう豆:煮物や菓子・プロテインなど

えんどう豆の使い道は煮物や炒め物、スープなどたくさん考えられます。例えば煮物なら豚肉・鶏肉・きのこ・人参・玉ねぎなどの材料がえんどう豆の甘みとマッチするので、とても扱いやすい食材だといえるでしょう。

また、揚げたりして塩味を足すだけで酒のつまみになりますし、スナック菓子の原材料としてもよく使われます。宮城県の郷土料理とされる「ずんだ」などもえんどう豆から作ることができ、とても用途が広いのです。

さらに、筋力トレーニングをする人にとってはおなじみのプロテインにも、えんどう豆は使われています。プロテインは牛乳や植物性たんぱく質から抽出された原料が使われていますが、植物性たんぱく質を使ったものとして「大豆(ソイ)」と「えんどう豆」があるのです。

グリーンピース:缶詰や冷凍食材など

一方、グリーンピースは生で食べられることはほとんどなく、加工品として使われることがほとんどです。例えば、スープやカレーなどの具材として缶詰に入ったものを利用する人は多いのではないでしょうか。

また、グリーンピース単体あるいは刻んだニンジンとトウモロコシと混ぜられた、いわゆるミックスベジタブルのように、冷凍されたものを使ったことがある人も少なくないでしょう。これらはサラダや炒め物を作る際の心強い味方です。

もともとグリーンピースは鮮度を保つのが難しく、放置するとすぐに傷みます。また料理で使う場合も容器を開けて一気に大量に調理されることが多いので、こうした形で保存・販売されるようになったといえるでしょう。

えんどう豆とグリーンピースの仲間はどんなものがある?

えんどう豆とグリーンピースの違いについて、理解が深まったと思います。ここで少し視点を変えて、えんどう豆とグリーンピースの仲間としてどのようなものがあるのかを見ていきましょう。エンドウは、収穫するタイミングの細かな違いによって「さやえんどう」「絹さや」として扱われることもあるのです。

また、数十年前にアメリカから輸入された、比較的新しい品種である「スナップエンドウ」についても解説します。

1.若どりしてさやごと食べる「さやえんどう」「絹さや」

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まず、えんどう豆とグリーンピースの仲間として「さやえんどう」「絹さや」が挙げられます。どちらももともとは同じエンドウですが、さやえんどうは、さやの中の豆が大きく成長する前に収穫し、さやごと食べるという点が特徴的です。

調理する前にヘタを手で折り、引っぱって筋を取る作業が必要になるため、食材として使用する際はやや手間がかかることがあるでしょう。

一方の絹さやも、さやの中の豆が小さい内に収穫する点は同じで、さやえんどうよりもさらに収穫時期が早いものを指します。このためさやは薄く、豆も小さいですが、さやえんどうと比べて甘みが強く、歯ごたえが柔らかい点が特徴的です。

2.グリーンピースの改良品種「スナップ(スナック)エンドウ」

えんどう豆とグリーンピースの仲間として、他にも「スナップエンドウ」が挙げられます。これはグリーンピースの改良品種で、成長してからも豆がやわらかく、さやごと食べることができ、肉厚で歯ごたえがあり、ほんのりとした甘みがあるのが特徴的です。

スナップエンドウは、1970年代にアメリカから輸入された品種で、当時は「スナックエンドウ」と呼ばれていました。しかし1983年には農林水産省が「スナップエンドウ」という名称に統一することを決めています。もっとも、現在でもスナックエンドウと呼ばれることは珍しくありません。

えんどう豆とグリーンピースはどちらもエンドウの実

えんどう豆とグリーンピースは、どちらもエンドウから収穫されます。エンドウは、どのタイミングで収穫するかによって「さやえんどう」として扱われたり「絹さや」として扱われたりしますが、えんどう豆は実(種子)が成熟してからのもの、グリーンピースはそれよりも比較的早い段階で収穫されたものです。

総じて豆類は栄養価が高いものですが、えんどう豆とグリーンピースも同じで、上手に摂取することで健康維持にも役立つでしょう。

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雑学

簡単でわかりやすい!えんどう豆とグリーンピースの違いとは?栄養価や使い方も雑学好きライターが詳しく解説

今回はえんどう豆とグリーンピースの違いがテーマです。もしかすると、えんどう豆に対してグリーンピースはとても小さいから、両者はもともと全く別の食べ物だと思っている人もいるかも知れない。しかしどちらもエンドウの実(種子)を収穫したもので、収穫のタイミングによって名称が違うんです。
では、それぞれどのタイミングで収穫するとえんどう豆あるいはグリーンピースになるのか。また、双方の栄養価や使い道にはどのような違いがあるのかについても、雑学好きライター・ねぼけねこと一緒に解説していきます。

ライター/ねぼけねこ

法学部出身。某大組織での文書作成・広報部門での業務に10年以上従事し、IT・プログラミング分野の歴史にも詳しい。

えんどう豆とグリーンピースの違いをざっくり解説

えんどう豆とグリーンピースは、同じエンドウの実(種子)ですが、成長の程度によって呼び方が異なります。成熟した実を食べるのがえんどう豆で、グリーンピースは豆が未熟なうちに収穫したものと考えて下さい。

よって栄養価も異なり、もともとえんどう豆はビタミンやミネラル類などの栄養素が豊富ですが、グリーンピースはさらにその上をいきます。グリーンピースは未熟な実なので、エンドウがこれから大きく育つための栄養がたくさん詰まっているといえるでしょう。

えんどう豆:エンドウが成熟したもの

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えんどう豆はエンドウの成熟したもので、ビタミンやミネラルなどの栄養素が多く含まれています。また、食物繊維も豊富なのでお腹の状態の改善にも効果が期待できるでしょう。

旬の季節は春から初夏にかけてで、関東以南では冬に種をまき、春に収穫を始めるという栽培スケジュールになっています。一方、冬の寒さが厳しい北海道や東北では主に春先に播種し、初夏から夏にかけて収穫することがほとんどです。

また、えんどう豆は調理方法やレシピも豊富で、煮たり炒めたりしてもおいしく食べられます。スープやサラダの具材としても最適といえるでしょう。

グリーンピース:エンドウの実が未熟なもの

えんどう豆とグリーンピースは、同じエンドウの種子ですが、収穫するタイミングによってどちらかの分類になります。えんどう豆は豆が完全に熟してから収穫したものですが、グリーンピースは豆が未熟なうちに収穫したものです。

そのため、グリーンピースはえんどう豆よりも栄養価が高く、ビタミンA・C・K、葉酸、鉄分、マグネシウムなどが豊富に含まれています。

また使い道もさまざまで、えんどう豆と同じように煮ても炒めても揚げてもよく、スープやサラダにもよく合うでしょう。詳しくは後述しますが、エンドウは収穫のタイミングによって呼び名が異なるものの、総じて栄養価は高いといえます。

えんどう豆とグリーンピースの栄養価の違い

前項では、えんどう豆とグリーンピースの違いをざっくり説明しました。次に、栄養価の違いという観点から両者の違いを見ていきましょう。先に少し述べましたが、えんどう豆よりもグリーンピースの方が栄養価は高いといえます。

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