今回は梅酒づくりに使う梅の実の違いについて見ていきます。梅の実を使って梅酒や梅干しなどを作ることを「梅仕事」と呼び、初めての梅仕事に人気なのが梅酒づくりです。最初はどんな梅の実を使うべきか迷うこともあるでしょう。使用する梅の熟度や品種によって味が変わるから、違いを知っておきたいな。この先は外食好き主婦ライターのスズキアユミと一緒に詳細を解説していきます。

ライター/スズキアユミ

食べることが大好きな主婦ライター。週に2回は外食を楽しみ、近隣のお店を開拓している。高級料理よりも庶民派の手軽なものが好み。

梅酒づくりに使うのは青梅?完熟梅?

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毎年5月下旬~6月ごろになると、季節を迎えた青梅がスーパーの店頭に並び始めます。家庭で梅仕事をするためのグッズも同時に姿を現し、まるで季節の風物詩のような光景です。

そこで気になるのが梅酒づくり。まだ体験したことがない方も、何度かチャレンジしたことがある方も、梅酒は青梅でつくるものと思い込んでいませんか。実は完熟した梅でも美味しく作ることができますよ。この記事では、青梅と完熟梅で作る梅酒の違いや、梅酒におすすめの品種などを解説します。

青梅と完熟梅で作る梅酒の味の違い

梅酒は青梅と完熟梅のどちらでも作れるとはいえ、味にどのような違いがあるかが気になるところ。半年~1年近く熟成させる梅酒ですから、些細な違いが味に大きな影響を及ぼして、費やした時間を台無しにしてしまわないか心配になりますよね。青梅で作った梅酒と完熟梅で作った梅酒。その味わいの違いを確認していきましょう。

青梅で作るとフレッシュな味わい

青梅で作る梅酒はフレッシュな風味と強い酸味、コクのある味わいが特徴です。青くて硬い実は、一見すると苦みやえぐみの原因になってしまいそうですが、そのような心配はまったくいりません。若い梅だからこそ出せる爽やかな香りが「梅酒らしさ」を演出し、酸味とコクが飲みごたえをもたらします。パンチが効いた飲み口が好きという方にぴったりの味わいです。

完熟梅で作るとまろやかな味わい

完熟梅で作る梅酒は、芳醇な香りとまろやかな酸味の優しい口当たりが特徴です。完熟すると甘ったるくなってしまうのではないかと想像する方もいるかもしれませんが、程よく酸味が抑えられる程度で、梅酒らしさは損なわれません。酸味が苦手な方や、ゆっくりと時間をかけて味わいたい方にはもってこいの味わいです。

梅酒づくりにおすすめの品種5選

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これから梅酒を作ってみたいという方のために、梅酒づくりにおすすめの梅の品種を5つご紹介します。梅の実の味や果汁をアルコールにしっかり移すことが美味しい梅酒づくりには必要な工程。そのため、使用する梅の実は果肉や果汁が多い品種が向いています

\次のページで「1.南高梅(なんこううめ):もっとも知名度の高い品種」を解説!/

おすすめの梅の品種
1.南高梅(なんこううめ)
2.古城(こじろ)
3.白加賀(しらかが)
4.豊後(ぶんご)
5.鶯宿(おうしゅく)

1.南高梅(なんこううめ):もっとも知名度の高い品種

1つ目は「南高梅(なんこううめ)」です。梅の実のトップブランドといわれるのがこの品種。和歌山県が代表産地ですが、人気の高さから全国的に生産地が広がっています。厚く柔らかい果肉と薄い皮、濃厚な味わいが特徴で、梅酒はもちろん、梅干しや梅ジャムといった加工品にも多く使用される品種です。

2.古城(こじろ):「青いダイヤ」と呼ばれる希少品種

2つ目は「古城(こじろ)」です。栽培が難しいため生産量が少ない希少な品種で、その美しい実は「青いダイヤ」とも呼ばれています。ぎゅっと引き締まった厚い果肉からは上品な香りが漂い、梅酒にすればさっぱりと軽やかな味に仕上がるのが特徴です。

3.白加賀(しらかが):すっきりした味わいの大粒品種

3つ目は「白加賀(しらかが)」です。東日本を中心に栽培される大粒の品種で、種が小さいぶん果肉が多いのが特徴。繊維が少なく緻密な果肉からじっくりと味わいが抽出されます。すっきりした味わいで、熱い季節にぴったりの仕上がりです。

\次のページで「4.豊後(ぶんご);梅とあんずの交配種」を解説!/

4.豊後(ぶんご);梅とあんずの交配種

4つ目は「豊後(ぶんご)」です。梅とあんずを掛け合わせて作られた品種で、大粒の実と酸味の少ない味わいが特徴。東北地方や長野県といった気温が低い地域で作られ、梅酒や梅ジャムの原料として人気を集めています。大粒の割に溜めが小さく、果肉が多いのが梅酒向きのポイントです。

5.鶯宿(おうしゅく):古来から親しまれている品種

5つ目は「鶯宿(おうしゅく)」です。平安時代の和歌にも登場するほど、日本に古来から存在する品種。はっきりとした香りがあり、「昔ながらの味わい」とも表現される力強い風味が特徴です。奈良県や徳島県、大分県での生産が特に多く、硬く引き締まった果肉には多くのエキスが含まれています。

梅酒の作り方

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誰でも簡単にできる梅酒の作り方をご紹介します。先ほどのおすすめ品種の中から好みの梅を使ってみるのもいいですし、まずは手始めにお手頃な梅で試してみてもいいでしょう。一度トライして勝手をつかめば、何度も作りたくなる手軽さです。

1.用意するもの・事前準備

まずは以下の材料やグッズを用意します。梅は表面に張りがあり、傷のないものを選びましょう。容器とフタは熱湯消毒をしてしっかりと乾燥させます。雑菌がついていると梅酒が悪くなる原因になるため、不安な場合はホワイトリカーで容器やフタの内部を拭きとっておくと安心です。

・梅(青梅もしくは完熟梅)…1kg
・氷砂糖…500~800g
・ホワイトリカー…1.8L
・果実酒づくり用の容器…4L分の容器
・竹串…数本

2.あく抜き~ヘタ取り

梅の実の下準備をします。青梅を使用する場合はあくを抜く必要があるため、大きめのボウルに梅の実を入れ、たっぷりと水を注いで2~4時間放置しましょう。完熟梅はあく抜きの必要はありません。終わったら流水で実の表面を優しく洗い、水気が残らないようにキッチンペーパーなどで丁寧にふき取ってから乾燥させます。

乾燥したら、実についているヘタを竹串で取り除く作業。梅の実を傷つけないように注意してください。特に完熟梅は柔らかいため、取り扱いには細心の注意が必要です。

\次のページで「4.梅を漬ける」を解説!/

4.梅を漬ける

梅の実を漬ける工程です。1/4~1/3の梅をまず容器に入れ、同じくらいの量の氷砂糖をその上から入れます。梅・氷砂糖・梅・氷砂糖と繰り返し重ねるように入れ、すべて入れ終わったらホワイトリカーを静かに注ぎ入れましょう。

フタをして冷暗所で保管しますが、氷砂糖がすべて溶けるまでは、週に何度か容器をゆすって容器内の糖分を均一に整えます。氷砂糖が溶けきってからは触らず、そのまま寝かせましょう。

5.飲み頃と保存方法

梅酒は3ヶ月ほど漬けたら飲めるようになり、1年~1年半ほど経ったころに飲み頃を迎えます。長期で保存する場合は、1年半ほど経ったころに梅の実を取り出してください。お酒だけの状態であれば何年も保存でき、熟成による味の変化を楽しめます。

好みの梅を使って梅酒を作ってみよう

青梅で作った梅酒も、完熟梅で作った梅酒も、それぞれに異なる魅力があり、何度も飲みたくなる味わいです。使用する梅の実は南高梅がメジャーですが、梅酒に適した品種は他にもありますので、お好みの物で梅酒づくりを試してみるのも楽しいですよ。

梅の実が出回るのは毎年6月ごろのみ。一度チャンスを逃すとまた来年まで着手できません。興味のある方は、次の梅のシーズンを逃さないようにトライしてみてくださいね

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雑学食べ物・飲み物

梅酒のおすすすめ品種は南高梅?青梅と完熟梅の違いや梅酒の作り方も外食好きライターが簡単にわかりやすく解説

今回は梅酒づくりに使う梅の実の違いについて見ていきます。梅の実を使って梅酒や梅干しなどを作ることを「梅仕事」と呼び、初めての梅仕事に人気なのが梅酒づくりです。最初はどんな梅の実を使うべきか迷うこともあるでしょう。使用する梅の熟度や品種によって味が変わるから、違いを知っておきたいな。この先は外食好き主婦ライターのスズキアユミと一緒に詳細を解説していきます。

ライター/スズキアユミ

食べることが大好きな主婦ライター。週に2回は外食を楽しみ、近隣のお店を開拓している。高級料理よりも庶民派の手軽なものが好み。

梅酒づくりに使うのは青梅?完熟梅?

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毎年5月下旬~6月ごろになると、季節を迎えた青梅がスーパーの店頭に並び始めます。家庭で梅仕事をするためのグッズも同時に姿を現し、まるで季節の風物詩のような光景です。

そこで気になるのが梅酒づくり。まだ体験したことがない方も、何度かチャレンジしたことがある方も、梅酒は青梅でつくるものと思い込んでいませんか。実は完熟した梅でも美味しく作ることができますよ。この記事では、青梅と完熟梅で作る梅酒の違いや、梅酒におすすめの品種などを解説します。

青梅と完熟梅で作る梅酒の味の違い

梅酒は青梅と完熟梅のどちらでも作れるとはいえ、味にどのような違いがあるかが気になるところ。半年~1年近く熟成させる梅酒ですから、些細な違いが味に大きな影響を及ぼして、費やした時間を台無しにしてしまわないか心配になりますよね。青梅で作った梅酒と完熟梅で作った梅酒。その味わいの違いを確認していきましょう。

青梅で作るとフレッシュな味わい

青梅で作る梅酒はフレッシュな風味と強い酸味、コクのある味わいが特徴です。青くて硬い実は、一見すると苦みやえぐみの原因になってしまいそうですが、そのような心配はまったくいりません。若い梅だからこそ出せる爽やかな香りが「梅酒らしさ」を演出し、酸味とコクが飲みごたえをもたらします。パンチが効いた飲み口が好きという方にぴったりの味わいです。

完熟梅で作るとまろやかな味わい

完熟梅で作る梅酒は、芳醇な香りとまろやかな酸味の優しい口当たりが特徴です。完熟すると甘ったるくなってしまうのではないかと想像する方もいるかもしれませんが、程よく酸味が抑えられる程度で、梅酒らしさは損なわれません。酸味が苦手な方や、ゆっくりと時間をかけて味わいたい方にはもってこいの味わいです。

梅酒づくりにおすすめの品種5選

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これから梅酒を作ってみたいという方のために、梅酒づくりにおすすめの梅の品種を5つご紹介します。梅の実の味や果汁をアルコールにしっかり移すことが美味しい梅酒づくりには必要な工程。そのため、使用する梅の実は果肉や果汁が多い品種が向いています

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