この記事ではサステナブルとサステナビリティの違いについてみていきます。どちらも同じ言葉だというイメージがあるよな。違いはずばり形容詞か名詞かということになるが、使い方によってはニュアンスが違うことがあるみたいです。
今回はそんなサステナブルとサステナビリティの違いを、定義から確認しつつ、言語文化学部卒のライターさやかと一緒に解説していきます。

ライター/さやか

現在、4歳の娘を育てながらライターとして活動中。夫は企業のサステナビリティに関わる職に就いている。サステナブルな取り組みには興味があり、普段からそういった商品を買うなど、生活に取り組めることから無理なく楽しんでいる。

サステナブルとサステナビリティの違いとは?

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近年、これらの言葉を耳にする機会はとても多くなりました。しかし、言葉の意味を問われると、意外とあいまいに理解したままである人も多いのではないでしょうか。この記事では、「サステナブル」「サステナビリティ」の違いについて解説していきます。

サステナブルは形容詞、サステナビリティは名詞

どちらも英語ですが、「サステナブル(sustainable)」「持続可能な」という意味の形容詞で、「サステナビリティ(sustainability)」「持続可能性」という意味の名詞になります。

これらは「sustain(持続する)」+「able(可能な)」という単語を組み合わせて生まれた言葉であり、基本的には、これらは単に「持ちこたえられる」といった意味の単語です。

サステナブル:持続可能な地球の環境や人の営み

しかし、現在は「サステナブル」「サステナビリティ」という言葉は、一般的に「自然環境の保全」「平和で平等な社会を実現すること」など、社会の課題や目標をニュアンスに含んだ使い方をされていることが多いのではないでしょうか。

また、「サステナブル投資」「サステナブル経営」という言葉もありますが、これは単にずっと継続できる投資や経営のことを指しているのではなく、自然環境の保全やより良い社会にするための活動をしている企業などを投資先として選ぶことであったり、そういったことに配慮して企業を経営することなどを表しています。

サステナビリティ:サステナブルと意味するところは同じ

サステナビリティは名詞であるため、使い方としては「企業におけるサステナビリティ」「社会のサステナビリティを考える」という表現になります。「サステナビリティな」といった使い方は正しくないので、間違えないように注意しましょう。

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これらが広がった背景

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「サステナビリティ」という言葉が日本において広まったのは、2015年に国連総会で「我々の世界を変革する 持続可能な開発のための2030アジェンダ」という文書が採択されたあたりからではないでしょうか。

それまでにも、国連の計画や「アジェンダ21」などにも「持続可能性」という言葉は登場するようですが、時代の変化とともに徐々に注目が大きくなってきました。特に、この2015年の文書の中に登場する「SDGs」という社会の17の目標がとても有名ですね。SDGsに取り組む企業なども多くなっていった結果、今ではこれらの言葉の認知度も高まってきたのでしょう。

ともに持続可能な世界へ向かうこの旅をはじめるにあたり、
だれひとり取り残さないことを誓います。

(引用:公益財団法人 日本ユニセフ協会「SDGs 前文」より一部抜粋)

「SDGs」や「エシカル」などの言葉との関係は?

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「SDGs」「ダイバーシティ」「エシカル」「LOHAS(ロハス)」など、サステナブルと一緒に語られることの多い言葉について、意味を混同しそうになりませんか?ここでは、これらの言葉についても簡単に解説していきます。

SDGs・ダイバーシティ:人類の行動指針、キーワードとしての「多様性」

「SDGs」は「Sustainable Development Goals」の略です。持続可能な社会の実現に向けて国連が掲げる「17の目標と169のターゲット」のことであり、人類と地球にとっての重要な課題に対する行動指針などを示しているものになります。

また、「ダイバーシティ(diversity)」とは「多様性」のことであり、一般社会において「ダイバーシティ」が用いられる場合は、人種・性別・文化・価値観などの多様性を指していることが多いようです。

エシカル・LOHAS:社会問題に対する姿勢や価値観

「エシカル(ethical)」「倫理的な」「道徳上の」といった意味の形容詞ですが、現代社会においては「環境保護・人権問題などの社会問題に対する姿勢が倫理的である」という認識で使われていることが多くなってきています。

例えば、ファッション業界で「エシカルなブランド」という表現をする場合、「環境・社会問題に対して倫理的である」=「オーガニックコットンなどの生産によって、貧困地域の経済活動や就労支援に貢献している。また、それを使った製品を作っている」ブランドであるなど、そういった文脈で「エシカル」を使うことが多いようです。

また、「LOHAS(ロハス)」という言葉もありますが、これは「Lifestyle of Health and Sustainability」の略で、「健康と持続可能な社会の実現を意識した生き方」といった、価値観や概念などを表現する際に用いられます。

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CSR・ESG:企業の社会的責任、健全な経営に関する指針

ビジネスシーンにおいて「CSR」「ESG」という言葉を耳にすることもあるのではないでしょうか。

「CSR」は「Corporate Social Responsibility」の略であり、「企業の社会的責任」のこと。企業が社会に与える影響を考えて、自社の利益だけではなく社会に対して倫理的な姿勢で経営をする指針のようなもので、「企業はCSRを果たしていく必要がある」といった表現で用いられることが多いようです。

「ESG」「環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)」の英語の頭文字を合わせた言葉。企業が社会の中で長期に渡り経営を続けていくためには、この3点のバランスを考慮することが必要だという考え方です。このバランスが良い企業を投資先として選択する投資方法「ESG投資」と言います。

「サステナブル」な未来へ、今できることは

私たちの社会はまだまだ様々な課題を抱えていますが、これほどまでに「サステナブル」「エシカル」「SDGs」といった言葉や価値観が一般的に浸透する時代が来たことはなかったのではないでしょうか。

きっと、人々のこれまでの行動の積み重ねが、この大きな動きへと変わっていったのでしょう。今、私たちができることはおそらく、これまでと変わらず、小さなことでも行動し続けることですね。

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雑学

3分でわかる!サステナブルとサステナビリティの違いとは?SDGsと関係ある?言語文化学部卒ライターが簡単にわかりやすく解説!

CSR・ESG:企業の社会的責任、健全な経営に関する指針

ビジネスシーンにおいて「CSR」「ESG」という言葉を耳にすることもあるのではないでしょうか。

「CSR」は「Corporate Social Responsibility」の略であり、「企業の社会的責任」のこと。企業が社会に与える影響を考えて、自社の利益だけではなく社会に対して倫理的な姿勢で経営をする指針のようなもので、「企業はCSRを果たしていく必要がある」といった表現で用いられることが多いようです。

「ESG」「環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)」の英語の頭文字を合わせた言葉。企業が社会の中で長期に渡り経営を続けていくためには、この3点のバランスを考慮することが必要だという考え方です。このバランスが良い企業を投資先として選択する投資方法「ESG投資」と言います。

「サステナブル」な未来へ、今できることは

私たちの社会はまだまだ様々な課題を抱えていますが、これほどまでに「サステナブル」「エシカル」「SDGs」といった言葉や価値観が一般的に浸透する時代が来たことはなかったのではないでしょうか。

きっと、人々のこれまでの行動の積み重ねが、この大きな動きへと変わっていったのでしょう。今、私たちができることはおそらく、これまでと変わらず、小さなことでも行動し続けることですね。

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