この記事では、ラッパとトランペットの違いについてみていきます。両方ともブラスバンドでおなじみの金管楽器を指す言葉ですが、細かく見ていくと種類を表したり、構造上の違いが見られるものがあったりして、色々な違いがあるみたいです。
今回はそんな楽器の違いについて、中学の部活で吹奏楽部に所属していた文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

中学生の頃、吹奏楽部で下手なサックスを吹いていた文学部卒ライター。

ラッパとは?

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ラッパというと、トランペットを連想する方も多いかもしれません。ラッパの定義を見てみましょう。

1.金管楽器の総称

ラッパはトランペットだけではなく、音の出る部分が広がった円錐形の金管楽器の総称です。金属製のマウスピースをはめて、片方の開口部から息を吹き、ピストン部分で音の高低を調節するような仕組みの楽器を表しています。トランペット以外には、トロンボーンユーフォニウムホルンなどの楽器がありますね。

2.バルブのない単純な構造の円錐形の楽器

また、バルブが付いていない単純な構造の円錐形の楽器についてもラッパということがあります。漢字表記は「喇叭」。

ビューグル(bugle)と呼ばれる信号用のラッパで、日本では自衛隊や消防署などの式典や日常生活の合図などで用いられているとのこと。他に、狩猟などの際に熊などの危険な動物を避けるために鳴らす熊よけラッパ行商ラッパと呼ばれるものがあり、豆腐やさんなどが到着した合図のために吹くものがあります。どれも、形状がトランペットに似ているということです。

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トランペットとは?

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トランペットは金管楽器の中でも、高音部の担当をする楽器で、音の高低を調節するバルブを押さえて演奏します。主管の長さを2回折り曲げて楕円形のようにみえますが、実際には円錐形です。伸ばした形のものは、アイーダ・トランペットと呼ばれ、オペラ『アイーダ』の「凱旋行進曲」のファンファーレを吹く際に使用されています。

1.元々は貝殻

トランペットの語源はギリシア語の「strombos」、貝殻を表しています。日本でいうと、ほら貝を吹くような形で用いられていたのかもしれませんね。1180年の第3次十字軍では、イングランドのリチャード1世が「トルンパ(Trumpa)」を贈られたという記述が残っています。ヨーロッパでトランペットというように音が変化していったのではということです。

2.古代のエジプトから存在

トランペットは最古のものが、古代エジプト時代までさかのぼるといわれています。それは、ツタンカーメン王の墓の中に一緒に葬られていたからだということです。そこから、アッシリア、イスラエル、ギリシア、ローマに伝わって、アラブからヨーロッパ全体に広がりを見せました。

ラッパ(喇叭)を使った比喩表現

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日本語ではラッパや喇叭を使った比喩表現が見られます。どのような意味で使われるかみていきましょう。

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1.喇叭を吹く:大げさにいう

「喇叭を吹く(らっぱをふく)」は、物事を大げさに言うほらを吹くという意味。四字熟語でいうと「大言壮語」が近いかもしれませんね。喇叭を吹くと大きな音がなることから、実際よりも大きなことを言う比喩的な表現として使われました。「彼は酒を飲むと大いに喇叭を吹くので、話半分で聞いたほうがいいかもしれないぞ」といった使われ方があります。

2.ラッパ飲み:飲み物を直に口をつけて飲む

「ラッパ飲み」とは、主に瓶入りの飲み物に口をつけて直に飲むこと。飲むときの格好が、ラッパを吹いているときの姿勢に似ているから付いたといわれています。「ラムネをラッパ飲みすると、むせやすくなるから気をつけろよ!」というように使えますね。

3.ラッパズボン:フレアパンツ、ベルボトムやブーツカットのパンツ

「ラッパズボン」とは、ベルボトムやブーツカットのように膝から下、裾にかけて広がっているパンツ、フレアパンツのこと。ジーンズ素材以外のボトムにも使います。ラッパズボンはパンタロンと同じように少し古めかしい呼び方です。「おじいちゃんが若い頃は、エルビス・プレスリーを真似てラッパズボンを履いていたんだよ」といったような使い方をします。

ラッパは金管楽器の総称・トランペットは高音の金管楽器

ラッパは金管楽器の総称や、トランペットに似た形状で単純な構造をした大きな音のする楽器についていう時に使います。一方、トランペットは、金管楽器の中でも高音部を担当し、ピストンで音の高低を調節して演奏する楽器のことです。ラッパを金管楽器の総称としていう場合は、トランペットはその中の一部に含まれることになりますね。

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雑学

簡単で分かりやすいラッパとトランペットの違い!構造やラッパを使った比喩表現も文学部卒ライターが詳しく解説

この記事では、ラッパとトランペットの違いについてみていきます。両方ともブラスバンドでおなじみの金管楽器を指す言葉ですが、細かく見ていくと種類を表したり、構造上の違いが見られるものがあったりして、色々な違いがあるみたいです。
今回はそんな楽器の違いについて、中学の部活で吹奏楽部に所属していた文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

中学生の頃、吹奏楽部で下手なサックスを吹いていた文学部卒ライター。

ラッパとは?

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ラッパというと、トランペットを連想する方も多いかもしれません。ラッパの定義を見てみましょう。

1.金管楽器の総称

ラッパはトランペットだけではなく、音の出る部分が広がった円錐形の金管楽器の総称です。金属製のマウスピースをはめて、片方の開口部から息を吹き、ピストン部分で音の高低を調節するような仕組みの楽器を表しています。トランペット以外には、トロンボーンユーフォニウムホルンなどの楽器がありますね。

2.バルブのない単純な構造の円錐形の楽器

また、バルブが付いていない単純な構造の円錐形の楽器についてもラッパということがあります。漢字表記は「喇叭」。

ビューグル(bugle)と呼ばれる信号用のラッパで、日本では自衛隊や消防署などの式典や日常生活の合図などで用いられているとのこと。他に、狩猟などの際に熊などの危険な動物を避けるために鳴らす熊よけラッパ行商ラッパと呼ばれるものがあり、豆腐やさんなどが到着した合図のために吹くものがあります。どれも、形状がトランペットに似ているということです。

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