簡単でわかりやすい面罵と罵倒の違い!意味や例文・類語も文学部卒ライターが詳しく解説
1.毒突く(どくづく):ひどい悪口を言う
「毒突く」(どくづく)とは、相手に向かってひどい悪口をいうということ。「毒」には、人や動物などの健康や命をそこなうものを表すところから転じて、ためにならない、悪いといった意味があります。「突く」は、相手の弱点や予想しない所や、急所などを選んで鋭くあげつらったり、攻めたりすることです。
「相手に正論で返されて、顔を真赤にして毒突いたのは滑稽で見ものだったよ」「横領をした課長は、内部告発をした部下に毒突いていた」というように使えます。
2.ボロクソに貶す:必要以上にひどくののしる
「ボロクソに貶す(けな-す)」とは、相手の存在を必要以上におとしめる、ひどくののしるという意味。
ボロクソは漢字で「襤褸糞」、「襤褸(ぼろ)」は使い古した布や着古して破けたりつぎはぎだらけの衣服、「糞(くそ)」は排泄物のことです。この2つの単語を合わせて、他よりもひどく劣っていること、価値が全くないことにたとえています。「貶す」は相手をおとしめていることです。つまり、相手を価値のない劣る存在だとして、声高に悪口を言っているのですね。
「料理評論家がこの店のお菓子はまずいとボロクソに貶し、店主に出ていけと塩をまかれた」「社長の娘とは知らずに、彼女をボロクソに貶した取引先の営業さんは、後で降格処分を受けたそうだ」というような使い方をします。
3.罵詈雑言:さまざまな悪口の限りを言い尽くす
「罵詈雑言(ばりぞうごん)」とは、あれこれと相手の欠点をあげつらい、悪口の限りを言い尽くすという意味の四字熟語。「罵詈」は口汚くののしることや、そのののしった言葉自体をいいます。「雑言」はくだらない言葉という意味から転じて、数々の悪口という意味です。
「別れ話を切り出したら、相手は罵詈雑言を浴びせた」「人ってどこで繋がっているか分からないから、罵詈雑言で一方的に責めるのはよくないね」といった例があります。
面罵は本人を直接ののしり、罵倒は激しい言葉で相手に悪口を言うこと
面罵は、対象の相手に直接、面と向かってののしる様子のことです。罵倒の場合は、激しい言葉で相手に強く悪口を言うことで、実際には顔を見ていなくても電話などで応対した時にも使えます。いずれにしろ、相手に手ひどい悪口を言ってけなす意味の熟語ですので、人から見てあまり良い印象を持たれることがないでしょう。