みんな、プラセボとかプラシーボとか聞いたことはあるか?なんでも新薬開発や医療現場で使われているらしいが、普段の生活では聞かないかもな。そんなプラセボ、プラシーボの違いを看護師ライターの近野チカと一緒に解説していきます。

ライター/近野チカ

看護師でwebライター 。ジェネリック薬が登場してから種類が増えすぎて、薬の名前が覚えられないのが悩み。

プラセボとプラシーボの違いとは

image by iStockphoto

薬にはプラセボ、プラシーボがあります。日本語で言う「偽薬」なのですが違いはあるのかないのか、詳しくみていきましょう。

プラセボとは偽薬のこと

偽薬(ぎやく)ともいいます。乳糖やでんぷんなど薬としての効き目のないものを錠剤やカプセル剤にしたものです。英語やフランス語のplaceboといい、ラテン語が語源になっています。

プラシーボはプラセボと同じく、偽薬のこと

英語やフランス語のplaceboをカタカナで表記した場合、プラセボかプラシーボとするのかの違いでプラセボ同様、偽薬を指しています。

プラセボ効果とは

薬としての効果がない乳糖やでんぷんでできたプラセボですが、本物の薬を服用した時と同様の効果を得られることがわかっており、これをプラセボ効果といいます。

痛みに対してはプラセボ効果が出やすく、プラセボを痛み止めとして服用した場合、痛み止めを服用したように痛みが和らぐのです。逆に有害な作用(いわゆる副作用)が出る場合もあり、ノセボ効果といいます。プラセボ効果のメカニズムははっきりわかっていません。薬を飲んだ安心感など精神的な要因やもともと備わっている自然治癒力などが影響し、効果が出ると考えられています。

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プラセボは新薬の臨床試験や医療現場で使われる

プラセボはどこで利用されているのでしょうか。主に、新薬の臨床試験や医療現場で使われています。

新薬の臨床試験の対照薬として

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製薬会社が新しく薬を開発すると、動物実験を経て、最終的にヒトに投与して効果があるか等を確認します。これが臨床試験(治験)です。

治験は3回実施され、1回目少数の健康なヒトに副作用など薬の安全性を確認するために、2回目少数の患者さんに有効で安全な投与量や投与方法などを確認するために、3回目多数の患者さんに有効性と安全性について今まで使われてきた基準となる薬などとの比較を行います。

この臨床試験でプラセボを服用したグループと、新薬を服用したグループで有効性や安全性を比較し、プラセボに比べて副作用が少なく、はっきり効果が確認されれば、厚生労働省へ承認申請し、無事に薬として認可されると新薬として販売されるのです。

医療現場で用いられるプラセボ

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プラセボは痛み、下痢、不眠などの症状に特に効果があると言われています。薬は多く服用すれば良いものではなく、用量・用法をきちんと守らないと副作用が強く出たり、かえって症状を悪化させることがあるのです。そのため、痛み止めを処方された量を服用してもまだ痛みを訴える患者に対し、プラセボを服用させます。プラセボとは告げずに服用させることはインフォームド・コンセント(説明と同意)の観点から問題がありますが、実はプラセボだと説明してもある程度の効果が得られるのです。

逆に、本当の薬でも医師に対して患者の信頼度が低いと薬が効かない可能性もあり、信頼関係ができているかどうかも薬の効き方を左右します。

プラセボやプラシーボは偽薬のことで、新薬の臨床試験や医療現場で使われている

プラセボやプラセーボは偽薬のことで、薬としては効き目のないものを錠剤やカプセル剤にしたものです。2種類の呼び方があるのは、英語やフランス語のplaceboをカタカナ表記にした際の表現の違いで、新薬の効果や副作用などを確認する臨床試験(治験)において新薬の対照薬として利用されており、医療現場でも気休めとして処方されることがあります。本当の薬でも、医師と患者の信頼関係ができていないと思うような効果が得られないことがあり、薬の効果をより高く得るには「この薬は効く」と思って服用するのがおすすめです。

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雑学

簡単でわかりやすい!プラセボとプラシーボの違いとは?効果や使用用途も看護師ライターが詳しく解説

みんな、プラセボとかプラシーボとか聞いたことはあるか?なんでも新薬開発や医療現場で使われているらしいが、普段の生活では聞かないかもな。そんなプラセボ、プラシーボの違いを看護師ライターの近野チカと一緒に解説していきます。

ライター/近野チカ

看護師でwebライター 。ジェネリック薬が登場してから種類が増えすぎて、薬の名前が覚えられないのが悩み。

プラセボとプラシーボの違いとは

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薬にはプラセボ、プラシーボがあります。日本語で言う「偽薬」なのですが違いはあるのかないのか、詳しくみていきましょう。

プラセボとは偽薬のこと

偽薬(ぎやく)ともいいます。乳糖やでんぷんなど薬としての効き目のないものを錠剤やカプセル剤にしたものです。英語やフランス語のplaceboといい、ラテン語が語源になっています。

プラシーボはプラセボと同じく、偽薬のこと

英語やフランス語のplaceboをカタカナで表記した場合、プラセボかプラシーボとするのかの違いでプラセボ同様、偽薬を指しています。

プラセボ効果とは

薬としての効果がない乳糖やでんぷんでできたプラセボですが、本物の薬を服用した時と同様の効果を得られることがわかっており、これをプラセボ効果といいます。

痛みに対してはプラセボ効果が出やすく、プラセボを痛み止めとして服用した場合、痛み止めを服用したように痛みが和らぐのです。逆に有害な作用(いわゆる副作用)が出る場合もあり、ノセボ効果といいます。プラセボ効果のメカニズムははっきりわかっていません。薬を飲んだ安心感など精神的な要因やもともと備わっている自然治癒力などが影響し、効果が出ると考えられています。

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