この記事では「飲む」と「呑む」の違いについてみていきます。どちらも飲食物を体内に取り込むことを意味しているな。大きな違いは常用漢字であるかないかという点にあるようです。今回はそんな使い分けの難しい「飲む」と「呑む」の違いについて、雑学好き文系ライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

工事会社勤務9年目。心に浮かんだもやもやを言語化することでストレス発散をはかる現役OLライター。読書が趣味で、日々様々な言葉に触れている。最近は、言葉の持つ意味を理解して文章をより豊かに読み進めていく丁寧な読書を心がけている。

「飲む」と「呑む」の違いは常用漢字かそうでないか

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「飲む」と「呑む」の読み方は両者とも「のむ」となります。両者はニュアンスや意味も同じようなことを表現していますね。「飲む」と「呑む」の違いは常用漢字であるかそうでないかという点にあるんだそう。簡単に説明すると「飲む」は常用漢字、「呑む」は常用外漢字です。まずは広辞苑に掲載されている意味からみていきましょう。

【のむ(飲む・呑む)】
1.口に入れて噛まずに食道の方へ送りこむ。喉に流しこむ。特に、酒を飲む。
2.吸い込む。吸う。
3.こらえておもてに出さない。
4.圧倒する。また、見くびる。
5.うけいれる。
6.姿を包み込んで見えなくする。
7.収める。隠し持つ。
8.≪呑≫呑行為をする。
9.≪呑≫謡曲の特殊な発音法。

(出典:広辞苑)

飲む:常用漢字として使われる

「飲む」は常用漢字となっています。引用した広辞苑の意味からもわかるように、水分などを「口に入れて噛まずに食道の方へ送りこむこと」「喉に流しこむこと」などを表していますね。

また、煙草を吸うことや、息を吸うという行為を「飲む」と表現することも。さらに受け入れるという行為を「飲む」と表すこともありますね。例えば「条件を飲む」「要求を飲む」などです。「飲む」という動詞は汎用性の高い表現だといえるでしょう。

呑む:常用漢字ではない

「呑む」は常用漢字ではありません。そのため「呑む」と表記する場合も基本的には「飲む」と表記しても間違いではないのです。ただ「呑」という字の成り立ちは、大きく口を開けた象形文字であるため「のみ込む」という行為を表現する場合には「呑」を用いることが多いんだそう。

ちなみに常用漢字以外の漢字は、通称「常用外漢字」と表現されますが、正式には「表外漢字」といわれます。

例文から確認する「飲む」と「呑む」の使い分け

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ここからは実際に表記する際の使い分け方法について、例文を確認しながら理解を深めていきましょう。

飲むの例文や使い方

「飲む」は前述したように常用漢字になるため「呑む」と表記されている場合でも、基本的には書き換えて使用することができました。汎用性が高い動詞であることも特徴の1つですね。具体例を確認してみましょう。

・喉が渇いたから水を飲む
・持病の薬を飲む
・思わず息を飲む
・雰囲気に飲まれる
・先方の要求を飲む
・人込みに飲まれる

\次のページで「呑むの例文や使い方」を解説!/

呑むの例文や使い方

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「呑む」は「飲む」と書き換えられる場合が多いですが、先に引用した広辞苑をみてもわかるように「呑行為」については「呑」という字が使われています。また「丸のみ」にする「のみ込む」という意味合いが強く出ている場合は「呑」の字が用いられることが多いんだそう。具体例を確認していきましょう。

・仲間と楽しくお酒を呑む
・彼女の冗談を鵜呑みにする
行為は違法行為にあたるらしい
・思わず息を呑む
・泣く泣く条件を呑む

「息をのむ」は「呑む」という漢字で表現されることもあり、この場合は驚きや緊迫した様子を強くイメージさせる印象になります。また「条件をのむ」「要求をのむ」と表現する場合は、「呑む」という漢字を使うこともありますね。「飲む」という漢字を使うことももちろん可能ですが、「呑む」という漢字で「受け入れる」という意味を表すことができるのです。

\次のページで「「飲む」と「呑む」上手に使い分けよう!」を解説!/

【呑行為】
1.証券取引所の会員または商品取引所の商品取引員が、顧客から市場における売買取引の委託を受けたとき、その注文を取引所に出さずに自己が相手方となって売買を成立させ、顧客には注文通りに取引所で売買したようにみせかける行為。
2.競馬・競輪などで、法律によって指定されている団体または地方公共団体以外の者が、馬券・車券などを売買するなどの行為を行うこと。

(出典:デジタル大辞林)

「飲む」と「呑む」上手に使い分けよう!

「飲む」と「呑む」は厳密には使い分ける必要はないといわれています。特に法令や公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社会生活の場では「飲む」という常用漢字を選択することが一般的となっていましたね。しかし、フレーズの雰囲気にあわせて「飲む」と「呑む」を使い分けて使用してみると文章のニュアンスが伝わりやすくなるかもしれません。ぜひ必要に応じて使い分けを意識してみてくださいね!

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言葉雑学食べ物・飲み物

簡単でわかりやすい!「呑む」と「飲む」の違いとは?使い分けや例文も雑学好きライターがくわしく解説

この記事では「飲む」と「呑む」の違いについてみていきます。どちらも飲食物を体内に取り込むことを意味しているな。大きな違いは常用漢字であるかないかという点にあるようです。今回はそんな使い分けの難しい「飲む」と「呑む」の違いについて、雑学好き文系ライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

工事会社勤務9年目。心に浮かんだもやもやを言語化することでストレス発散をはかる現役OLライター。読書が趣味で、日々様々な言葉に触れている。最近は、言葉の持つ意味を理解して文章をより豊かに読み進めていく丁寧な読書を心がけている。

「飲む」と「呑む」の違いは常用漢字かそうでないか

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「飲む」と「呑む」の読み方は両者とも「のむ」となります。両者はニュアンスや意味も同じようなことを表現していますね。「飲む」と「呑む」の違いは常用漢字であるかそうでないかという点にあるんだそう。簡単に説明すると「飲む」は常用漢字、「呑む」は常用外漢字です。まずは広辞苑に掲載されている意味からみていきましょう。

【のむ(飲む・呑む)】
1.口に入れて噛まずに食道の方へ送りこむ。喉に流しこむ。特に、酒を飲む。
2.吸い込む。吸う。
3.こらえておもてに出さない。
4.圧倒する。また、見くびる。
5.うけいれる。
6.姿を包み込んで見えなくする。
7.収める。隠し持つ。
8.≪呑≫呑行為をする。
9.≪呑≫謡曲の特殊な発音法。

(出典:広辞苑)

飲む:常用漢字として使われる

「飲む」は常用漢字となっています。引用した広辞苑の意味からもわかるように、水分などを「口に入れて噛まずに食道の方へ送りこむこと」「喉に流しこむこと」などを表していますね。

また、煙草を吸うことや、息を吸うという行為を「飲む」と表現することも。さらに受け入れるという行為を「飲む」と表すこともありますね。例えば「条件を飲む」「要求を飲む」などです。「飲む」という動詞は汎用性の高い表現だといえるでしょう。

呑む:常用漢字ではない

「呑む」は常用漢字ではありません。そのため「呑む」と表記する場合も基本的には「飲む」と表記しても間違いではないのです。ただ「呑」という字の成り立ちは、大きく口を開けた象形文字であるため「のみ込む」という行為を表現する場合には「呑」を用いることが多いんだそう。

ちなみに常用漢字以外の漢字は、通称「常用外漢字」と表現されますが、正式には「表外漢字」といわれます。

例文から確認する「飲む」と「呑む」の使い分け

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ここからは実際に表記する際の使い分け方法について、例文を確認しながら理解を深めていきましょう。

飲むの例文や使い方

「飲む」は前述したように常用漢字になるため「呑む」と表記されている場合でも、基本的には書き換えて使用することができました。汎用性が高い動詞であることも特徴の1つですね。具体例を確認してみましょう。

・喉が渇いたから水を飲む
・持病の薬を飲む
・思わず息を飲む
・雰囲気に飲まれる
・先方の要求を飲む
・人込みに飲まれる

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