雑学

3分で簡単にわかる「鋳造」と「鍛造」の違い!読み方やそれぞれのメリット・デメリットも工学系院卒ライターがわかりやすく解説!

よぉ、桜木建二だ。この記事では鋳造と鍛造と違いについて踏み込んでいくぞ。鋳造は「ちゅうぞう」、鍛造は「たんぞう」と読み、どちらも金属加工の方法だが、その工程や出来上がった製品の特徴は全く違うようだ。人類が金属を手にした数千年前から行われているこれら2つの加工法を、学生時代に金属工学を学んだ工学系院卒ライターthrough-timeと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/through-time

工学修士で、言葉や文学も大好きな雑食系雑学好きWebライター。金属工学を学んだ経験を生かし、鋳造と鍛造の違いについて詳しく解説していく。

鋳造(ちゅうぞう)とは

image by iStockphoto

鋳造(ちゅうぞう)は金属加工法のひとつで、融点より高い温度に熱して溶かした金属材料を、特定の形状の型に流し込んで冷やし固めるものです。英語でcasting「鋳る(いる)」ともいい、鋳造に使う型鋳型(いがた)鋳造した品鋳物(いもの)と呼ばれます。

鋳造の特徴

鋳造のメリットは、製法にもよりますがとにかく形状や大きさ、材料、生産数の自由度が高いことです。ただし鍛造と比べて強度がないほか、製品内部に空洞ができたり、溶かした金属が鋳型を充填しきれず欠けができたりするデメリットもあります。そのため、かつて鋳物は割れやすいと思われていました。

鋳造産業は特に自動車とのかかわりが深く、多くの部品が鋳造製品です。ほかにも船舶、鉄道、飛行機、産業機械などの部品や、身近なところではフライパンや鍋などの調理器具や、マンホールのふたが鋳造技術で作られています。

鋳造の歴史

鋳造の歴史は古く、紀元前3600年ごろ、メソポタミアで青銅を鋳造したのが始まりとされています。銅とスズの合金である青銅は銅よりも融点が低く、木炭を使った原始的な炉でも溶かすことができたのです。また、炉に風を送る道具「鞴(ふいご)」が発明されたことで、より高い温度を得ることができ、融点の高い鉄も溶かせるようになりました。

鋳造技術が日本に伝えられたのは弥生時代後半に相当する紀元前4世紀ごろで、青銅と鉄、両方がもたらされたといわれています。

奈良・東大寺の大仏像は奈良時代に鋳造されたものです。まず木材で骨組みを作り、木や縄、粘土で原型の仏像を作ります。その後粘土で型をとり、出来上がった鋳型に500tもの銅を流し込んで完成させました。

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硬貨も古くは鋳造されていた。そのため、現在も硬貨を製造することを「鋳造」というが、実際に鋳造しているのは貨幣原料の合金インゴットのみで、その後はインゴットを圧延→貨幣の形に打ち抜き→模様をプレスという工程で作られている。貨幣鋳造は英語でmintingだ。

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