この記事では供物とお供え物についてみていきます。どちらも仏式の葬儀などで、故人にお供えの品物をあげる際に聞いたことがある人もいるかもしれませんね。両方とも同じような言葉ですが、故人との関係で使い分けをする必要があるみたいです。
今回はそんな葬儀に関わる言葉の違いについて、元々の意味から確認をしながら、言葉の違いが気になる文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

祖父の葬儀の時に、お供え物を墓前に上げてもらってありがたいと感じた文学部卒ライター。

供物とお供え物の違いとは?

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供物(くもつ)とお供え物は、両方とも神仏に供える物です。しかし、仏式のお葬式で使う場合には、少しニュアンスが違います。細かな違いをみていきましょう。

1.供物:故人と親しい人が供養のために贈る品物

供物とは、お葬式やお通夜の時に、故人の供養のために、家族や親族以外の親しい関係の方が霊前に差し上げる品物のこと。遺族へは故人の死を悼む気持ちを表し、故人には生前の感謝の気持ちを込めて贈ります。

2.お供え物:故人の家族や親族が用意する品物

お供え物の「お」は名詞の上につく接頭語で、丁寧の意味です。遺族や故人の親族が、故人の供養のために用意する品物をいいます。供物は、相手側から贈るという意味が含まれるため、身内が品物を用意することを表す語としてはふさわしくありません。お供え物には「お」という接頭語がつくことから、敬意を表すのではないかと思われがちですが、間違えないように注意しましょう。

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のしと水引・手配方法

のしと水引について、香典であれば「御霊前」と書かれた不祝儀袋でかまいません。しかし、供物を贈る場合には、表書きにどのようなのしを使ったらよいのか戸惑う方もいるでしょう。一般的なのしと水引について紹介します。

1.のしと水引について

のしの上書きは、「御供物(おくもつ)」や「御供(おそなえ)」。水引は黒と白の結び切りがふさわしいです。結び切りにするのは解けない結び方で、悲しいことが1回限りで済むように、お葬式が続かないようにという願いを込めているから。黄と白色の水引もありますが、こちらは葬儀からある程度時間が経過した時に使うので、葬儀の供物には選ばないほうがよいです。

2.手配方法について

供物も御供え物も、葬儀場に飾るのでなるべく早めに手配します。できれば、通夜の日の午前中遅くても告別式の始まる数時間前までには、間に合うようにしましょう。葬儀社が入っている場合には、そちらで手配するとスムーズです。提携先での供物の手配や宗派の違いなども熟知していることもありますので、遺族に失礼のない方法で贈れます。

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供物やお供え物にふさわしいもの

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供物にふさわしい物は、故人が好きだった物です。コーヒーや紅茶などの飲み物果物お菓子もよいでしょう。ただし、なるべく日持ちのするものがよさそうです。特に果物は傷みやすいものや汁が出やすいものは避ける傾向にあります。近年では果物の缶詰を選ぶ方もいるとのこと。お菓子は真空パックや個包装がされているゼリーや、どら焼き、焼き菓子などがおすすめです。

五供(ごくう)について

五供とは、仏教のお葬式やお盆、お彼岸などで供物にするのにがふさわしいとされています5つの物のことです。故人の好きな物が分からない場合は、故人の旅立ちに文字通り花を添える生花や、水やりなどの世話がいらないプリザーブドフラワーなどもおすすめ。五供は以下の通り。

1.…線香(香りが強いものから弱いもの、煙が出にくいものまで様々)
2.…仏花の菊以外に、ユリ、カーネーション、かすみ草、胡蝶蘭などの白い花
3.灯明…ろうそく、LED電球のろうそく
4.
5.飲食…飲み物や食べ物(お酒は宗派によってはNGである場合も)

供物やお供え物にはNGのもの

供物やお供え物にNGなものは、です。仏教では殺生を禁止しているためといわれています。また、お花をあげる場合、とげがあって人を傷つけやすいものは、あの世で故人を傷つけるともいわれていて厳禁です。バラやアザミなどは避けるようにしましょう。宗派によって見解が違いますので、故人がお酒を好きで贈りたい場合には、選ぶ前に確認することをおすすめします。

斎場で決められている場合がある

斎場によっては、葬儀社と提携している業者からでないと、供物やお供え物としての持ち込みが禁止されている場合があります。その場合、斎場に供物やお供えをしたいと問い合わせると申し込みができるので、事前に確認するとよいでしょう。

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遺族から供物の辞退があったら

近年では、故人の希望などにより供物の辞退を申し出ている遺族も増えてきています。葬儀の案内に「供物の辞退」や「ご厚志を辞退」などの文言がみられた場合は、余計な負担をかけさせないように供物を贈るのは止めたほうがよいでしょう。

供物は故人の家族や親類以外が贈る物・お供え物は遺族や親族が用意する物

供物もお供え物も、葬儀などの際に故人を偲んで供養のためにお供えの品物をあげるという意味では同じです。しかし、供物は相手に贈るという意味を含んでいるので、遺族や故人の親族以外の親しい方が贈る物を表しています。一方で、お供え物は遺族や故人の親族が用意する品物のことです。相手に贈るというニュアンスはありません。

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雑学

簡単で分かりやすい供物とお供え物の違い!のしや手配方法、選び方やNGの品物も文学部卒ライターが解説

この記事では供物とお供え物についてみていきます。どちらも仏式の葬儀などで、故人にお供えの品物をあげる際に聞いたことがある人もいるかもしれませんね。両方とも同じような言葉ですが、故人との関係で使い分けをする必要があるみたいです。
今回はそんな葬儀に関わる言葉の違いについて、元々の意味から確認をしながら、言葉の違いが気になる文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

祖父の葬儀の時に、お供え物を墓前に上げてもらってありがたいと感じた文学部卒ライター。

供物とお供え物の違いとは?

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供物(くもつ)とお供え物は、両方とも神仏に供える物です。しかし、仏式のお葬式で使う場合には、少しニュアンスが違います。細かな違いをみていきましょう。

1.供物:故人と親しい人が供養のために贈る品物

供物とは、お葬式やお通夜の時に、故人の供養のために、家族や親族以外の親しい関係の方が霊前に差し上げる品物のこと。遺族へは故人の死を悼む気持ちを表し、故人には生前の感謝の気持ちを込めて贈ります。

2.お供え物:故人の家族や親族が用意する品物

お供え物の「お」は名詞の上につく接頭語で、丁寧の意味です。遺族や故人の親族が、故人の供養のために用意する品物をいいます。供物は、相手側から贈るという意味が含まれるため、身内が品物を用意することを表す語としてはふさわしくありません。お供え物には「お」という接頭語がつくことから、敬意を表すのではないかと思われがちですが、間違えないように注意しましょう。

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