3分でわかる「ざれごと」と「たわごと」の 違い!「冗談」「軽口」「しゃれ」との違いも語学系主婦ライターがわかりやすく解説
ライター/小島 ヨウ
ドイツ語学科卒、英語劇や市民劇団に所属した語学系おばさんライター。漢字や言葉の使い方に興味あり。わかりやすくをモットーに深ぼり解説する。
「ざれごと」と「たわごと」の違い
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「本気にしちゃだめだよ、彼お得意の戯言だから」「浮気する彼女の言い訳は戯言だ」という二つの例文、どちらの「戯言」が「ざれごと」で「たわごと」と読むか、わかりますか?どう読もうが同じような意味だろうと思うかもしれませんが、ニュアンス的にちょっと違います。どう使い分けるのか、みていきましょう。
「ざれごと」:ふざけておもしろく言う言葉
「ざれごと」はふざけたりからかったり、面白おかしい話の場合に使われます。漫才のような言葉のやりとりや冗談など笑えるケースです。例文で確認しましょう。
・頭の回転がはやい彼はざれごとを良く言う。
・ざれごとは禁止、真剣に話をしよう。
・歴史の先生の授業はざれごとばかりで楽しい。
「たわごと」:正気でないようなおかしな言葉
「たわごと」はばかばかしい・根拠のない・つまらない言葉や話に使われます。つじつまが合わないくだらない話、聞くのもうんざりするようなネガティブな場合です。例文で確認しましょう。
・たわごとを言っていないで、しっかり勉強してほしい。
・人生の教訓でも、「老人のたわごと」と祖父は謙遜する。
・新入の彼は不真面目でたわごとが過ぎる。
「ざれる」はおふざけ、「たわけ」はののしり
「戯」は「たわむれる」と読むと、おもしろいことをする・いたずらをする・男女がいちゃつくこと、などの意味になります。「戯曲」「演戯」など音読み「ぎ」の意味は芝居や演技のことです。
さらに「戯れる(ざれる)」「戯け(たわけ)」とも読みます。「ざれる(じゃれる)」はふざけること。一方で「たわけ」は時代劇などで使われる古風なののしり言葉で、おろか者・ばかもの、といった意味。ここからも「ざれごと」はおふざけで面白い、「たわごと」はおろかでばかげている、というニュアンスの違いが分かりますね。
「冗談(じょうだん)」:ユーモアのある遊び言葉
「冗談」とは遊び心で言う面白おかしい言葉で、場を和ませる会話のアクセントになります。荒唐無稽で不快な場合、冗談が本当になるなんてこともありますが、真実事実と違うだましたり繕ったりするための「嘘(うそ)」ではありません。
「軽口(かるくち)」:軽くてこっけい味のある言葉
「軽口」とはテンポが良く、くだらなくとも面白い言葉や話で、口が軽くてよくしゃべる人も意味に含まれます。「軽口をたたく」と使い、軽くて気が利いた上手な会話をいいますが、うかつな発言をする・べらべらとおしゃべりするといったマイナスの印象がしますね。
「しゃれ」:興をそえる気の利いた一言
「しゃれ」はいろんな意味があります。類語としては、笑いをそそる気が利いた言葉、似た言葉や音をかけたトンチの意味。くだらない・へたな言葉遊びは「だ」をつけた「だじゃれ」です。
ほかにも「しゃれにならない」と使うといたずらや冗談、「しゃれこむ」は遊ぶこと。「おしゃれ」なら気の利いた服装・華やかな装い、「しゃれた」と使えば今風ですっきりスマートなことなどの意味になります。
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