今回のテーマは法定点検の「12ヶ月点検」と「24ヶ月点検」の違いです。自家用車を持っていると毎年点検を受けなければならないよな。どんな点検をやっているか知っているか。この記事では、法定点検の目的、点検を受けなかった場合の罰則、車検との違いなどを元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「12ヶ月点検」と「24ヶ月点検」の違い

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そもそも法定点検とは何のために行うのでしょうか。法定点検とは車が故障なく安全に走行できるように車の所有者に義務付けられた点検整備のことで、道路運送車両法という法律で定められています。自家用車(普通車・軽自動車)の場合は「12ヶ月点検」と「24ヶ月点検」の2つ。まずはこの2つの法定点検の違いを見ていきましょう。

「12ヶ月点検」:26項目

「12ヶ月点検」とは車検の1年後に行われる点検で、点検項目は全26項目あります。点検を行うことで車の状態、故障なく快適に走れるかどうかを把握し、問題があれば部品の交換や修理などを行い安全走行を維持することができるのです。

しかし、この「12ヶ月点検」、実は点検を行わなくても罰則はありません。義務であるにもかかわらず罰則がないのです。そのため、「12ヶ月点検」を行っているのは3~5割程度と言われています。

だからといって「罰則がなければ点検しなくていい」と考えている人は注意が必要です。もし法定点検を受けず、車両不良に起因する事故などを起こせばドライバーが法的責任を問われることとなりかねません。また、メーカーによるリコールなどのサービスを受けられなくなることもありますので、安全のため、また法的に守られるためにも「12ヶ月点検」はやっておくのがよいでしょう。

主な点検項目
・パワーステアリングベルトの緩み
・ブレーキペダルの遊び
・ブレーキの効き具合
・タイヤの状態
・ブレーキパッドの摩耗
・クラッチペダルの遊び
・エンジンオイルの漏れ
・バッテリーターミナルの接続 など

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「24ヶ月点検」:56項目

「24ヶ月点検」は車検と同時に行う検査で2年ごとに行います。検査項目は「12ヶ月点検」の26項目に30項目を加えた56項目です。2年ごとに行う点検整備ですので、車の安全走行のために検査項目も増えます。

「24ヶ月点検」を行わない場合も罰則はないのですが、「24ヶ月点検」は車検と同時に行う関係もあり「12ヶ月点検」のように点検を行わないというケースはほとんど見られません。というのも、後述しますが車検は公道を走るための検査ですので、車検を受けていないと罰則の対象となるからです。

主な点検項目(「12ヶ月点検」と重ならない項目)
・ハンドル操作の不具合
・ギアボックス取付の緩み
・フロント及びリアホイールベアリングのがた
・サスペンションの取付部・連結部の緩み、がた、損傷
・ブレーキドラムの摩耗、損傷
・デファレンシャルオイルの漏れ、オイル量
・電気配線の接合部の緩み、損傷
・マフラーの損傷
・フレーム・ボディの緩み、損傷

「車検」と「法定点検」は何が違う?

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ここでは「車検」について見ていきます。まず自家用車の場合ですが、初回の車検は新車登録の3年後に実施し、以降2年ごとに実施するものです。では、「車検」とはどのような検査なのか、また罰則があるのかなどを見ていきましょう。

「車検」:保安基準に適合しているかの検査

法定点検の「12ヶ月点検」と「24ヶ月点検」は自家用車を故障なく安全に走行できるようにするのが目的でした。一方「車検(正確には自動車継続検査)」は車が保安基準(自動車の構造や装置、乗車定員など)に適合しているかどうかを判断するための検査で、「車検」が通らないと運転することはできず、「車検」を受けていない車を運転すると法律違反で罰則を受けることとなります。

少しわかりにくいですよね。例えばブレーキパッド。車検ではブレーキパッドが摩耗していて残りわずかでも制動力が保安基準を満たしていれば合格となるのです。

つまり、「車検」では車が公道を走るための基準に適合しているかどうかがポイントであり、安全かつ快適な走行が目的ではありません。ブレーキバッドの例では、もしかすると数ヶ月後にブレーキが効かなくなるかもしれないということですので、車検に通っても安心はできないと言えそうです。

「車検」なしで走行した場合の罰則

「車検」に通っていない車を走行させた場合はどのような罰則を受けるのでしょうか。「車検」に通らないまま、または検査を受けないまま車を走行させると、6ヶ月以上の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。法定点検を行わないのとは違うので注意が必要ですね。

さらに、「車検」に通らなければ自賠責保険が切れてしまいますので、自動車損害賠償保障法違反にもなりますし、公道を走行させてはいけない車を運転すれば交通違反となり減点や免許停止などの処分を受けることとなります。「法定点検」も「車検」もきちんとやっておくのが自身の安全を守るためにも必要だということですね。

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事業用車両の法定点検

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バスやトラック、タクシーなど事業用の車両については自家用車よりも短い期間で定期的な点検を行うことが義務付けられています。不特定多数の乗客を乗せたり、いろいろな荷物を載せたりすることもあるので、点検を怠ると罰則の対象となるのも自家用車(普通車・軽自動車)との違いです。

中小型トラック(自家用)・レンタカー(乗用車)は6か月ごとの法定点検(22項目)と12ヶ月ごとの法定点検(83項目)、事業用のバス・トラック・タクシー、自家用の大型トラックなどは3か月ごとの法定点検(50項目)と12ヶ月ごとの法定点検(100項目)が義務付けられています。

より安全が求められるだけに点検項目も自家用車と比べると多い点も注目すべきところですね。

「12ヶ月点検」と「24ヶ月点検」の違いは点検項目数

法定点検である「12ヶ月点検」と「24ヶ月点検」の違いは点検項目数で、2年ごとに行う「24ヶ月点検」のほうが項目数が多くなっています。車検とは異なり法定点検は車の走行性能を維持するための点検で法律で義務付けられているにも関わらず、行わなくても罰則の対象となりません。とは言え、法定点検を行っていないと事故にあったときに法的責任を問われたり、メーカーのサービスを受けられないことがありますので、そうならないよう気をつけてほしいですね。

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簡単でわかりやすい!法定点検(12ヶ月点検・24ヶ月点検)の違いとは?やらないとどうなる?車検との違いも元塾講師が詳しく解説!

今回のテーマは法定点検の「12ヶ月点検」と「24ヶ月点検」の違いです。自家用車を持っていると毎年点検を受けなければならないよな。どんな点検をやっているか知っているか。この記事では、法定点検の目的、点検を受けなかった場合の罰則、車検との違いなどを元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「12ヶ月点検」と「24ヶ月点検」の違い

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そもそも法定点検とは何のために行うのでしょうか。法定点検とは車が故障なく安全に走行できるように車の所有者に義務付けられた点検整備のことで、道路運送車両法という法律で定められています。自家用車(普通車・軽自動車)の場合は「12ヶ月点検」と「24ヶ月点検」の2つ。まずはこの2つの法定点検の違いを見ていきましょう。

「12ヶ月点検」:26項目

「12ヶ月点検」とは車検の1年後に行われる点検で、点検項目は全26項目あります。点検を行うことで車の状態、故障なく快適に走れるかどうかを把握し、問題があれば部品の交換や修理などを行い安全走行を維持することができるのです。

しかし、この「12ヶ月点検」、実は点検を行わなくても罰則はありません。義務であるにもかかわらず罰則がないのです。そのため、「12ヶ月点検」を行っているのは3~5割程度と言われています。

だからといって「罰則がなければ点検しなくていい」と考えている人は注意が必要です。もし法定点検を受けず、車両不良に起因する事故などを起こせばドライバーが法的責任を問われることとなりかねません。また、メーカーによるリコールなどのサービスを受けられなくなることもありますので、安全のため、また法的に守られるためにも「12ヶ月点検」はやっておくのがよいでしょう。

主な点検項目
・パワーステアリングベルトの緩み
・ブレーキペダルの遊び
・ブレーキの効き具合
・タイヤの状態
・ブレーキパッドの摩耗
・クラッチペダルの遊び
・エンジンオイルの漏れ
・バッテリーターミナルの接続 など

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