今回のテーマは「dinner」と「supper」の違いを見ていきます。どちらも「夕食」と学校では教わったでしょう。朝食や昼食を表す単語は1つなのに、なぜ夕食だけ2つあるのでしょうか。「dinner」のほうがちょっといい夕食ってぐらいの使い分けをしていないか。「dinner」がどんな食事なのか、「supper」との違い、アメリカとイギリスでの使い方の違いなどを元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「dinner」と「supper」の違い

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皆さん、「夕食」という意味の英単語はご存じですよね。「dinner」と「supper」を教わったと思いますが、どちらを使えばいいのか疑問に思ったことはありませんか。「朝食=breakfast」「昼食=lunch」は1つずつですが、夕食はなぜか2つありますので、どちらを使ってもいいのか使い分けが必要なのか、悩んでしまいますよね。

実は、2つあるのにはきちんとした理由があったのです。まずは「dinner」と「supper」の違いを歴史的な背景も含め見ていきましょう。

「dinner」:1日の中でメインの食事

「dinner」は「1日の中でメインの食事」のことで、1日の中でいちばん量が多く豪華な食事を指しています。さらにこの「dinner」、時間はどの時間でもいいのです。つまり、その日の食事の中で昼食がいちばん量が多く豪華であれば、「昼食=dinner」と言っても問題ありません。意外でしょう?

実は、19世紀のアメリカ南部は農業従事者が多く、電気も普及していない時代、みんなが集まって明るい時間に食事ができるのは昼食でした。みんなが集まり自然と昼食がその日のメインの食事となりますので、当時は「昼食」を「dinner」と言っていました

しかし、時代も変わり、学校や会社がある現在は夕食がメインの食事となっている人も多いため、「夕食」を「dinner」と言うのが普通になっていますね。皆さんのお宅でも夕食がメインとなっているのではないでしょうか。

「supper」:夜に家で食べる軽い食事

「supper」の語源はフランス語の「souper=夕食」で、「dinner」と異なり必ず「夜」に食べる食事のことを指しています。また、「supper」はどちらかというと家で食べる軽い、カジュアルな食事と言ってよいでしょう。「dinner」の項目で説明しましたが、19世紀のアメリカ南部では昼食が「dinner」でしたので、夕食はこの「supper」を使っていました。

しかし、現在は多くの人にとって夕食がメインの食事となっているので、「夕食」という場合は「supper」より「dinner」がよく使われています

また「supper」は夜に食べる軽い食事のことですので、受験勉強などで夜遅くまで勉強しているときにちょっとつまむような簡単な食事のことも「supper=夜食」と言います。

食事:アメリカ英語とイギリス英語の違い

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次に食事の表現におけるアメリカ英語とイギリス英語の違いを見ていきましょう。文化や歴史的な背景が食事にも影響しています。イギリスでは紅茶を飲む習慣があるのはご存じですよね。この習慣が食事の表現にも関係があります。では、詳しく見ていきましょう。

\次のページで「アメリカ英語で食事というとき」を解説!/

アメリカ英語で食事というとき

まずはアメリカ英語で食事をどのように言うか確認しましょう。

breakfast:朝食
brunch:ブランチ、朝食を兼ねた昼食、朝食をとらなかったときの遅い朝食
lunch:昼食
dinner:夕食(1日の中でメインの食事)
supper:夕食(夜の軽い食事)
※dinnerとsupperは同じように使われることも多い

「bruch」は朝食と昼食を兼ねて普段の昼食よりちょっと早い時間にとる食事で、「breakfast」と「lunch」を合わせた単語です。アメリカでは昼食にサンドイッチを食べても、ステーキを食べても「lunch」を使います。夕食は「dinner」と「supper」の両方が使われますが、外食などでは「dinner」、家族と一緒に家で食べるなら「supper」のような使い分けも多いですね。

また、「Sunday dinner」というのがあり、日曜日の昼のいつもより遅い時間に少し豪華で量の多い食事のことで、「lunch」ではなく「dinner」を使っているのは「dinner」の本来に意味に沿った使い方でしょうね。

イギリス英語で食事と言うとき

では次にイギリス英語で食事をどのように言うか見てみましょう。

breakfast:朝食
lunch:昼食
dinner:夕食、1日のメインとなる食事
tea:昼食にdinnerを食べたときの夕食
supper:teaと同じ、少し軽めの夕食

朝食、昼食の言い方はアメリカ英語と変わりません。「dinner」はふつう「夕食」でいいのですが、日曜日の昼に遅めに食べる大きな食事を「Sunday dinner」と言いますので、その日の夜にとる軽い食事は「tea」または「supper」を使います。「tea」で軽い夕食というのはいかにもイギリスらしいですね。ただ、この「tea」は北部でよく使われています

また、学校の給食は「lunch」を使わず「school dinner」と言うのですよ。「lunch」のような軽い食事のイメージではないのでしょうね。ちなみに給食の配膳をする女性のことを「dinner ladies」と言うそうです。

\次のページで「食事に関する単語を含んだ例文」を解説!/

食事に関する単語を含んだ例文

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最後に食事に関する単語を含んだ例文をいくつか紹介しますので、さらに理解を深めていきましょう。

アメリカ英語
1. My sister had pancakes for breakfast.
「姉は朝食にパンケーキを食べた。」
2. What do you have for lunch?
「ランチは何にする。」
3. Mom cooked steak for dinner yesterday.
「昨日は母が夕食にステーキをつくってくれた。」

イギリス英語
1. Our school dinners are very healthy.
「私たちの給食はとてもヘルシーだ。」
2. I had lunch with my girlfriend.
「彼女とランチをした。」
3. What do you have for tea?
「夕食は何にするの。」

「dinner」はメインの食事、「supper」は夜の軽い食事

「dinner」と「supper」、どちらも「夕食」という意味ですが、「dinner」は本来の意味である「1日の中でメインとなる食事」であることから「昼食」として使うこともあります。「Sunday dinner」はその一つですね。「supper」は夜の食事ですが、軽めでカジュアルな夜の食事のことで「dinner」ほどの量や豪華さはありません。また、イギリス英語では軽い夕食を「tea」と言うのはぜひ覚えておいてください。知らないと「紅茶」と勘違いして話がうまくつながらないこともありそうです。

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簡単でわかりやすい「dinner」と「supper」の違い!「dinner」は夕食じゃない?本来の意味や使い分けも元塾講師が詳しく解説!

今回のテーマは「dinner」と「supper」の違いを見ていきます。どちらも「夕食」と学校では教わったでしょう。朝食や昼食を表す単語は1つなのに、なぜ夕食だけ2つあるのでしょうか。「dinner」のほうがちょっといい夕食ってぐらいの使い分けをしていないか。「dinner」がどんな食事なのか、「supper」との違い、アメリカとイギリスでの使い方の違いなどを元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「dinner」と「supper」の違い

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皆さん、「夕食」という意味の英単語はご存じですよね。「dinner」と「supper」を教わったと思いますが、どちらを使えばいいのか疑問に思ったことはありませんか。「朝食=breakfast」「昼食=lunch」は1つずつですが、夕食はなぜか2つありますので、どちらを使ってもいいのか使い分けが必要なのか、悩んでしまいますよね。

実は、2つあるのにはきちんとした理由があったのです。まずは「dinner」と「supper」の違いを歴史的な背景も含め見ていきましょう。

「dinner」:1日の中でメインの食事

「dinner」は「1日の中でメインの食事」のことで、1日の中でいちばん量が多く豪華な食事を指しています。さらにこの「dinner」、時間はどの時間でもいいのです。つまり、その日の食事の中で昼食がいちばん量が多く豪華であれば、「昼食=dinner」と言っても問題ありません。意外でしょう?

実は、19世紀のアメリカ南部は農業従事者が多く、電気も普及していない時代、みんなが集まって明るい時間に食事ができるのは昼食でした。みんなが集まり自然と昼食がその日のメインの食事となりますので、当時は「昼食」を「dinner」と言っていました

しかし、時代も変わり、学校や会社がある現在は夕食がメインの食事となっている人も多いため、「夕食」を「dinner」と言うのが普通になっていますね。皆さんのお宅でも夕食がメインとなっているのではないでしょうか。

「supper」:夜に家で食べる軽い食事

「supper」の語源はフランス語の「souper=夕食」で、「dinner」と異なり必ず「夜」に食べる食事のことを指しています。また、「supper」はどちらかというと家で食べる軽い、カジュアルな食事と言ってよいでしょう。「dinner」の項目で説明しましたが、19世紀のアメリカ南部では昼食が「dinner」でしたので、夕食はこの「supper」を使っていました。

しかし、現在は多くの人にとって夕食がメインの食事となっているので、「夕食」という場合は「supper」より「dinner」がよく使われています

また「supper」は夜に食べる軽い食事のことですので、受験勉強などで夜遅くまで勉強しているときにちょっとつまむような簡単な食事のことも「supper=夜食」と言います。

食事:アメリカ英語とイギリス英語の違い

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次に食事の表現におけるアメリカ英語とイギリス英語の違いを見ていきましょう。文化や歴史的な背景が食事にも影響しています。イギリスでは紅茶を飲む習慣があるのはご存じですよね。この習慣が食事の表現にも関係があります。では、詳しく見ていきましょう。

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