この記事では「content」と「contents」の違いを見ていきます。日本語でよく耳にする「デジタルコンテンツ」「コンテンツビジネス」などの「コンテンツ」はどちらを使うのか知っているか。発音的には「contents」っぽいが実際はどうなのでしょうか。読み方の確認、意味の違いなどを元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「content」と「contents」の違い

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「content」と「contents」、単数形と複数形の違いではありますが、どのような違いがあるのでしょうか。まずは、どう発音するのかを見ていきます。

content:コンテントゥ
contents:コンテンツ

発音だけ見てみると、日本語の「コンテンツ」は「contents(複数形)」と思ってしまいますが、実は違います。日本語の「コンテンツ」は大半のケースで英単語の「content(単数形)」が語源です。なお、アクセントはいずれも第一音節にあります。「content」も「contents」も何かの中身を指していますが、まずはどのような違いがあるのか見ていきましょう。

「content」:ひとつのまとまり

「content(単数形)」は映画やスピーチ、ウェブサイトなどの情報や内容のようなひとつのまとまりとして扱う場合に使われます。このような情報や内容は数えることができませんので「content」は不可算名詞ですね。

また、食品などに含まれる物質の含有量なども「content」を使います。例えば「fat content(脂肪分)」「salt content(塩分)」などですね。ただし、形容詞と一緒に使う場合は可算名詞となり不定冠詞「a」が必要となります(例:a high salt content=塩分が多い)。

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「contents」:箱やカバンなどの中身

一方「contents(複数形)」は箱やカバンなどの中身、本や手紙、レポートなどに書かれている内容・項目(chapterやsection)など数えられるものを指して使います。箱やカバンの中身は何か入っていて数えられますよね。ですから、複数形の「contents」を使います。

「table of contents」をご存じの人も多いでしょう。本の「目次」ですね。目次は本の内容を示していますが、複数のチャプターで構成されており、そのチャプターを指しているので複数形の「contents」が使われています。

「content」と「contents」を使った例文

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次に「content」と「contents」を使った例文でさらに理解を深めていきましょう。

「content」を使った例文

初めに「content」を使った例文を見てみましょう。

1. This website has a lot of content.
「このウェブサイトには多くのコンテンツがある。」
2. This film was banned for its adult content.
「この映画はアダルトコンテンツのせいで禁止された。」
3. These applications will help you to create digital content.
「これらのアプリはデジタルコンテンツをつくるのに役に立つ。」
4. You should eat foods with a low fat content.
「脂肪分が少ない食品を摂取したほうがよい。」

1~3はウェブサイトや映画などの内容や情報をひとつのまとまりとしてとらえているので、不可算名詞の「content(単数形)」が使われています。4は「low」という形容詞がありますので、可算名詞の「content」となり不定冠詞の「a」が必要です。しかし、それでも脂肪分をひとつのまとまりととらえているので「content」を使います。

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「contents」を使った例文

次に「contents」を使った例文を見ていきましょう。

1. The contents of the box is fragile.
「箱の中身は壊れやすい。」
2. I was told to show the contents of my bag.
「バッグの中身を見せるように言われた。」
3. I asked her to keep the contents of the letter confidential.
「彼女に手紙の内容を秘密にするよう頼んだ。」
4. Prime Minister Sakuragi has decided not to disclose the contents of the report.
「桜木首相は報告書の内容を公開しない決定をした。」

1と2は箱やバッグの中身のことで複数の物があるのが一般的ですので、複数形の「contents」を使います。3と4では手紙やレポートの内容ですが、書かれている内容はいくつかの項目があると考えられますので、やはり複数形の「contents」が適しているでしょう。

ちなみに通販などで大きな段ボールに本が1冊しか入っていない場合がありますよね。このような場合は「content」と単数にするのがよさそうですが、「箱の中身」を指すのであれば、たとえ1冊しか入っていなくても「contents」と複数形を使っても問題ないようです。

もうひとつの「content」

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「content」は内容や中身という意味を持つ名詞ですが、アクセントの位置が第二音節にある場合は、「満足(名詞)」「満足させる(動詞)」「満足している(形容詞)」となります。アクセントの違いで意味が異なるのは少し面倒ですね。「満足」というと「satisfy/satisfaction」を思い浮かべる人も多いと思いますが、「satisfy/satisfaction」は「大いに満足」しているのに対して「content」は「まあまあ満足」しているということで、100パーセントの満足には届かない程度を示しています。

最後に例文で使い方を確認しておきましょう。

1. I played the piano to my heart's content.(名詞
「思う存分ピアノを演奏した。」
2. Nothing contents me.(動詞
「私はどんなことにも満足することはない。」
3. I am not content with my current job.(形容詞
「今の仕事に満足していない。」

「content」と「contents」の違いは対象となるもの

「content」と「contents」の違いは対象となるものです。「content」はウェブサイトなどの電子媒体、スピーチ、映画、教育課程などの情報や内容のようにひとつのまとまりとして扱えるものを、「contents」は箱やバッグなどの入れ物の中身、書類(手紙やレポート)に含まれる情報や項目のように複数あると扱えるものを指して使います。また、「content」はアクセントの位置が変わると、全く別の「満足」という意味になることも併せて覚えておいてください。

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雑学

簡単で分かりやすい「content」と「contents」の違い!日本語の「コンテンツ」はどっち?元塾講師が詳しく解説!

この記事では「content」と「contents」の違いを見ていきます。日本語でよく耳にする「デジタルコンテンツ」「コンテンツビジネス」などの「コンテンツ」はどちらを使うのか知っているか。発音的には「contents」っぽいが実際はどうなのでしょうか。読み方の確認、意味の違いなどを元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「content」と「contents」の違い

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「content」と「contents」、単数形と複数形の違いではありますが、どのような違いがあるのでしょうか。まずは、どう発音するのかを見ていきます。

content:コンテントゥ
contents:コンテンツ

発音だけ見てみると、日本語の「コンテンツ」は「contents(複数形)」と思ってしまいますが、実は違います。日本語の「コンテンツ」は大半のケースで英単語の「content(単数形)」が語源です。なお、アクセントはいずれも第一音節にあります。「content」も「contents」も何かの中身を指していますが、まずはどのような違いがあるのか見ていきましょう。

「content」:ひとつのまとまり

「content(単数形)」は映画やスピーチ、ウェブサイトなどの情報や内容のようなひとつのまとまりとして扱う場合に使われます。このような情報や内容は数えることができませんので「content」は不可算名詞ですね。

また、食品などに含まれる物質の含有量なども「content」を使います。例えば「fat content(脂肪分)」「salt content(塩分)」などですね。ただし、形容詞と一緒に使う場合は可算名詞となり不定冠詞「a」が必要となります(例:a high salt content=塩分が多い)。

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