簡単でわかりやすい!就任と着任の違いとは?赴任との違いも現役塾講師がわかりやすく解説
「着」は草を集めてくっつけた様子
「着」についてはみなさんも普段から何かと使うことの多い字かと思いますが、その成り立ちはご存じでしょうか?「着」という字は、実は以前は「著」という字を「着く」という意味でも使っていたのですが、それを簡略化して使うようになったものです。そして元となっている「著」という字は、下の「者」は「ものを集める」ことを意味し、それに「草かんむり」をつけることで、草から作った衣服を「きる」という様子から出来たのではないかなどと考えられています。
「着」も「就」と同じように訓読みで「着(つ)く」と読みますが、字に「(実在するものを)着る」というイメージがあるからか、「到着」など、実際に存在するものが移動し、どこか他の場所に着くときに使われることの多い字です。ですので、役職だけでなく、働く場所も移動する意味を持つ「着任」という単語に使われるのでしょう。
「就く」……仕事など、成し遂げるべきことに取りかかる時に使う。
「着く」……実在するものが移動し、別の場所に着いた時に使う。
赴任との違いは?
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ここまで「就任」と「着任」の違いを説明してきましたが、同じく「任」の字を使い、同じように仕事で異動になった時に使われる言葉なだけに、「赴任」という言葉も「就任」や「着任」と混同されがちです。そこで、ここからは「赴任」という言葉について説明したいと思います。
「赴任」の「赴」は訓読みで「赴(おもむ)く」と読み、「ある場所や方角のほうへ行く」という意味の字です。ですので、「赴任」も勤務地ごと変わるときに使いますが、新しい勤務先へ「行く」意味を持ち、新しい勤務に着くことを意味する「着任」と反対語の関係にあたります。
就任は役職だけ、着任は役職と勤務地が新しくなるときに使う!
ここまでの説明で、「就任」は役職が新しくなるときに使い、「着任」は役職だけでなく、勤務地も新しくなるときに使うという違いがあることや、「赴任」との違いなどもわかっていただけましたか。今回の説明が、少しでもみなさんのご理解に役立てたならば幸いです。

