今回は仰向けと仰臥位(ぎょうがい)の違いについてみていきます。どちらも同じ体位(姿勢)なのですが、他にも別の呼び方や仰向けの姿勢で寝るメリット・デメリット、急病人に遭遇した場合に推奨される体位があるそうです。そんな体位の雑学を看護師の近野チカと一緒に解説していきます。

ライター/近野チカ

看護師でwebライター。腰が痛くなるので、寝るときは横向きで寝るタイプ。

仰向けと仰臥位の違いとは?

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仰向けと仰臥位は同じ姿勢(体位)のことを指します。その違いはなんなのか、詳しくみていきましょう。

仰向けとはあおむけること

仰向けとはあおむけること、またはその状態をいいます。顔や胸、腹などを上に向かせることであり、逆の状態がうつ伏せです。

仰臥位とは仰向けのこと

介護や看護業界の専門用語で仰向けは仰臥位といい、背臥位(はいがい)と呼ぶこともあります。支える面積が広いので筋肉の緊張が少なく、エネルギー消費も少ない、最も安定している体位です。

仰臥位以外の姿勢はなんという?

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仰向けを仰臥位というように、横向きなど他の姿勢にも専門用語での呼び方があり、また横向きやうつ伏せ以外にも様々な体位があります。

など

仰臥位のメリット・デメリット

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仰臥位には最も安定している姿勢ですが、舌根沈下や痰がたまりやすい可能性があるなどのデメリットがあります。

仰臥位のメリット

仰臥位には以下のようなメリットがあります。

\次のページで「仰臥位のデメリット」を解説!/

など

仰臥位のデメリット

メリットがある反面、以下のようなデメリットもあります。

など

意識のない急病人やケガ人には回復体位を

急病人やケガ人(傷病者)に遭遇した場合、原則、水平の状態(仰向け)にします。

意識がある場合は本人に聞いて、楽だと感じる体位になるよう介助しましょう。骨折などの疑いがあり、痛みがある場合は無理に行わず、実施する場合も刺激しないよう、ゆっくり行います。

意識がないが呼吸がある場合、仰向けだと舌根沈下を起こし、吐いた場合は嘔吐物が詰まり窒息する恐れがあるので、気道確保できる回復体位がベストです。回復体位は、横向きに下顎を出すようにして、両肘を曲げます。上側になっている傷病者の膝を90度になるように引き寄せ、後ろに倒れないようにすると完成です。

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仰向けとはあおむけること、仰臥位とは仰向けのこと

仰向けとはあおむけることです。介護や医療現場では仰向けのことを仰臥位といい、背臥位ともいいます。仰臥位以外には側臥位、シムス位、腹臥位、座位、半座位、立位などがあり、意識はないが呼吸のある傷病者には回復位がベストです。

仰臥位は休息や睡眠にとる姿勢で安静に適した姿勢で、床面への接する部分が広く安定します。体への負担が少ない姿勢です。しかし、舌根沈下が起きやすく、気道が狭くなったり閉塞する可能性があり、痰もたまりやすい姿勢でもあります。

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雑学

簡単でわかりやすい! 仰向けと仰臥位の違いとは? メリット・デメリットも看護師が詳しく説明

今回は仰向けと仰臥位(ぎょうがい)の違いについてみていきます。どちらも同じ体位(姿勢)なのですが、他にも別の呼び方や仰向けの姿勢で寝るメリット・デメリット、急病人に遭遇した場合に推奨される体位があるそうです。そんな体位の雑学を看護師の近野チカと一緒に解説していきます。

ライター/近野チカ

看護師でwebライター。腰が痛くなるので、寝るときは横向きで寝るタイプ。

仰向けと仰臥位の違いとは?

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仰向けと仰臥位は同じ姿勢(体位)のことを指します。その違いはなんなのか、詳しくみていきましょう。

仰向けとはあおむけること

仰向けとはあおむけること、またはその状態をいいます。顔や胸、腹などを上に向かせることであり、逆の状態がうつ伏せです。

仰臥位とは仰向けのこと

介護や看護業界の専門用語で仰向けは仰臥位といい、背臥位(はいがい)と呼ぶこともあります。支える面積が広いので筋肉の緊張が少なく、エネルギー消費も少ない、最も安定している体位です。

仰臥位以外の姿勢はなんという?

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仰向けを仰臥位というように、横向きなど他の姿勢にも専門用語での呼び方があり、また横向きやうつ伏せ以外にも様々な体位があります。

  • 側臥位(そくがい)…腕を下にして横向きで寝た状態。右側を下にした場合は右側臥位、左を下にした場合を左側臥位という。
  • シムス位…左側臥位で左腕を後方に、左胸を床につけて左股関節・左膝関節を軽く曲げ、右股関節・右膝関節を強く曲げて右太ももを胸に近づけた体位。妊婦にとっては楽な体位。
  • 腹臥位(ふくがい)…顔を横に向け、うつぶせに寝た状態。
  • 座位…仰臥位の状態から上半身を90度に起こした状態。
  • 半座位…ファーラー位ともいう。仰臥位の状態から上半身を40度に起こした状態をいい、15〜30度に起こした体位はセミファーラー位という。
  • 立位…立った状態。

など

仰臥位のメリット・デメリット

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仰臥位には最も安定している姿勢ですが、舌根沈下や痰がたまりやすい可能性があるなどのデメリットがあります。

仰臥位のメリット

仰臥位には以下のようなメリットがあります。

\次のページで「仰臥位のデメリット」を解説!/

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