この記事では「草履」と「下駄」の違いについてみていきます。どちらも、日本の伝統的な「はきもの」を意味する言葉ですが、特に「草履」の方は、漢字も難しいことから読み方もわからない人もいて当然でしょう。今回はその違いについて、国語の講師でもある空野キノコと一緒に解説していきます。

ライター/空野きのこ

大学在学中から文学・国文法や教育について本格的に学び、現在は小中学生に勉強を教えている講師。その知識と経験を活かし、言葉の雑学を中心に分かりやすく解説していく。

草履は「ぞうり」と読む

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まずは「草履」の読み方について説明したいと思います。「草履」の「履」の字は訓読み「履く(はく)」音読みでは「り」と読む字です。ですので、「草履」「ぞうり」と読みます。「履」という字は常用漢字ではあるものの、中学三年生で習う画数も多い難しい字ですので、読めない人がいても無理はないかもしれませんね。

草履と下駄のざっくりした違い

今度は「草履」と「下駄」のおおまかな違いについて説明しましょう。「草履」と「下駄」の違いとはズバリ、履くときに足を乗せる部分が、「草履」コルクなどやわらかい素材を革や布などで覆ったものであるのに対し、「下駄」木で出来ているという点です。

\次のページで「草履と靴の最も大きな違い」を解説!/

草履と靴の最も大きな違い

また、ネットを見てみると、「草履」と「靴」の最も大きな違いとは何なのかが気になっている人も多いようなので、ここでその違いについても説明したいと思います。「草履」と「靴」の最も大きな違いとは、ズバリ履き物との足の固定方法の違いが挙げられるでしょう。

「草履」つま先から足の甲あたりをヒモなどで固定するのに対し、「靴」足の甲から「かかと」、ハイカットのものなどの場合はそれ以上を覆うことで足と固定しますよね。このような違いは「草履」と「靴」の見た目の違いにも大きく影響を及ぼしていると言えるのではないでしょうか。

草履と下駄の語源を説明

さきほど、「草履」と「下駄」の違い「草履」がやわらかいものであるのに対し、「下駄」は木製という、素材の違いにあることを説明しましたが、ここからはそれぞれの名前の語源について説明していきたいと思います。

「草履」は古代中国語で「藁のはきもの」

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まずは「草履」の語源について説明しましょう。「草履」とはそれ自体がもともと中国から伝わったもので、使われている漢字からも想像はつきますが、名前の意味としては「植物のわら(藁)でできた履き物」という意味です。

というのも、最近の草履といえば、さきほど説明した「やわらかい素材を革や布などで覆った」いわゆる「革草履」ですが、昔の草履「わら」で作られていました。ですので、そのような草履のことを今では区別して言うために「わら草履」などと呼んだりします。

「下駄」は「低い足駄」のこと

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次は「下駄」の語源について説明したいと思います。「下駄」の「下」は低いという意味を表し、「低い足駄(あしだ)」のことを指しました。といっても、まず「足駄」って何?という人が多いかと思いますが、「足駄」とは下駄類、つまり木でできた履物の総称です。

今では高さのある下駄のことを「高下駄」と言ったりしますが、昔は逆に下駄全般のことを「足駄」と呼び、その中でも高さの低いもの「下駄」と呼びました。そして、その「足駄」の語源についても説明すると、もともとは「足板(あしいた)」、あるいは「足下(あしした)」と呼んでいたのが、やがて時とともに音が変化していき、「あしだ」になったのではないかと考えられています。

着物に下駄はおかしいの?

ところで、最近では着物に下駄を合わせるのは組み合わせとしておかしいと思っている方もいらっしゃるようです。しかし、実は着物に下駄を合わせること自体はおかしいことではありません。確かに下駄というのは草履と比べると、日常やカジュアルな場面ではくものであり、最近では着物を着るのも、成人式など何か特別な機会だけという人が多いので、そういう場面で下駄をはくのは場違いと言えるでしょう。

しかし、そういったフォーマルな場でなく、日常的な場面で着物を着る場合に下駄を合わせること自体はおかしなことではありません。つまり、着物と下駄という組み合わせがダメなのではなく、フォーマルな場に下駄を履くことがおかしいのです。ただし、ダメではないといってもやはりファッションですし、着物と履き物のデザインの合わせ方によっては見た目でおかしい場合があることは注意してください。

草履……カジュアルから、デザイン次第でフォーマルな場面もOK
下駄……日常などカジュアルな場面で履くもの

草履はやわらかいもので、下駄は木で作られたもの!

今回の説明で、「草履」と「下駄」の違いは、足を乗せる部分が「やわらかい素材」で出来ているか「木」で出来ているかという違いや、「草履」と違って「下駄」はフォーマルな場では場違いになってしまうといった違いを知っていただけたかと思います。

現代では多くの人にとって、「草履」「下駄」は正直あまり身近なものではないと思いますが、暑くなる季節にむけて、普段使いできそうなものを一足買ってみるのもいいかもしれません。

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簡単でわかりやすい!草履と下駄の違いとは?読み方や靴との最も大きな違いも現役塾講師がわかりやすく解説

この記事では「草履」と「下駄」の違いについてみていきます。どちらも、日本の伝統的な「はきもの」を意味する言葉ですが、特に「草履」の方は、漢字も難しいことから読み方もわからない人もいて当然でしょう。今回はその違いについて、国語の講師でもある空野キノコと一緒に解説していきます。

ライター/空野きのこ

大学在学中から文学・国文法や教育について本格的に学び、現在は小中学生に勉強を教えている講師。その知識と経験を活かし、言葉の雑学を中心に分かりやすく解説していく。

草履は「ぞうり」と読む

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まずは「草履」の読み方について説明したいと思います。「草履」の「履」の字は訓読み「履く(はく)」音読みでは「り」と読む字です。ですので、「草履」「ぞうり」と読みます。「履」という字は常用漢字ではあるものの、中学三年生で習う画数も多い難しい字ですので、読めない人がいても無理はないかもしれませんね。

草履と下駄のざっくりした違い

今度は「草履」と「下駄」のおおまかな違いについて説明しましょう。「草履」と「下駄」の違いとはズバリ、履くときに足を乗せる部分が、「草履」コルクなどやわらかい素材を革や布などで覆ったものであるのに対し、「下駄」木で出来ているという点です。

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