この記事では「適正」と「適性」の違いを見ていきます。どちらも「てきせい」と読む同音異義語ですが使い分けは理解できているか?それぞれの意味の違いや使い分け、類語などを元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「適正」と「適性」の違い

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「てきせい」を漢字で書く問題、テストなどで見たことがある人も多いのではないでしょうか。この記事で扱う「適正」と「適性」の違いが分かれば間違えることはありません。まずは、「適正」と「適性」の意味の違いを詳しく見ていきましょう。

「適正」:物や事柄が適している

「適正」は文字通り「適していて正しい」という意味で、あるものごとに対して基準や条件に合っていることを言います。例えば「適正価格」。これは、ある物の価格をみたときに、その価格が通常考えられる範囲内にあり、さらにその中でも最もふさわしい価格のことです。常識的に考えて高すぎたり安すぎたりしない価格ということになりますね。

つまり、ある基準や条件に対してぴったり合っていて、ずれや間違いがないことを表す言葉が「適正」なのです。

「適性」:性質や資質が適している

一方「適性」は人間の性質や能力、資質がその物事や分野に適しているという意味です。人間にはそれぞれ個性がありますので、その性質や能力にはさまざまな可能性があります。その性質や能力などが適しているときに使うのが「適性」です。進学や就職のとき、自分がどの分野に適性があるのかをチェックするのが「適性検査」で皆さんも受けたことがあるのではないでしょうか。

「適正」は基準や条件に適しているかどうか、正しいかどうかを示していますが、「適性」は正しいかどうかは関係なく向き不向きを示しています

「適正」と「適性」の使い分け

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では、実際に例文を見ながら「適正」と「適性」の違いについて理解を深めていきましょう。

\次のページで「「適正」を使った例文」を解説!/

「適正」を使った例文

まず「適正」と使った例文です。

1. 適正体重を維持し健康に過ごす。
2. 現行ルールは適正に運用されている。
3. 適正な手続きをとり許可を取らなければならない。
4. 彼の解決策は適正さを欠いている。

例文はいずれも何かしらの基準や条件に対して適していること、正しいことを示しているので「適正」を使っています。1は健康維持に適している体重のこと、2はルールに沿った運用ができていること、3は許可を得るのに定められた必要な手続きをすべて取るという意味です。そして4の「適正さを欠く」というのはその手段や手続きが定められた基準に合っていないことを示しています。

このように「適正」は基準や条件に沿っていて正しいことを示しているということが見えてきたのではないでしょうか。

「適性」を使った例文

次に「適性」を使った例文です。

1. あなたには教育者としての適性がない。
2. 上司は部下の適性を見抜く必要がある。
3. 子どもの適性を見て習い事を決めた。
4. SPIは多くの企業が利用している適性検査だ。

1は何かの要素がないあるいは不足しているため教育者としてふさわしくない、向いていないということ、2は部下の能力どのようなことに適しているかを見抜く、3は子どもの能力や資質に合った習い事決めたということ、そして4はSPIが就職希望者や新入社員などがどのような職業、分野に向いているのかを検査するものである、ということです。

このように「適性」はその人の能力や資質がその物事や分野に適していること、向いていることを示しています

\次のページで「「適正」と「適性」の類語」を解説!/

「適正」と「適性」の類語

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最後に「適正」と「適性」の類語をそれぞれ挙げていきます。類語からもこの2つの違いが見えてくるのではないでしょうか。

「適正」の類語

「適正」の類語を見てみましょう。

妥当(だとう):あることによく当てはまっていること。
適切(てきせつ):ぴったり当てはまっていること。
適当(てきとう):うまく当てはまること。
相応(そうおう):つりあいがとれていること。ふさわしいこと。
正当(せいとう):道理にかなっていて正しいこと。

「適性」の類語

次に「適性」の類語です。

適任(てきにん):その仕事や役割にふさわしいこと。
相性(あいしょう):性格や性質が合うこと。
適合(てきごう):ある条件や事情にぴったり当てはまること。
向き不向き(ふきふむき):その人に適しているか、適していないか。

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「適正」と「適性」は何がふさわしいかが違う

「適正」と「適性」はどちらにも「ふさわしい」という意味を持っていますが、その違いは何がふさわしいかの違いです。「適正」は物や事柄がある基準や条件にふさわしい(合っている、正しい)「適性」は人の能力や性質、資質がふさわしい(向いている)ということを表しています。「正」が使われているのは正しいかどうか、「性」が使われているのは性質や性格などを示しているのが使い分けのポイントです。

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簡単で分かりやすい「適正」と「適性」の違い!使い分けや類語も元塾講師が詳しく解説!

この記事では「適正」と「適性」の違いを見ていきます。どちらも「てきせい」と読む同音異義語ですが使い分けは理解できているか?それぞれの意味の違いや使い分け、類語などを元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「適正」と「適性」の違い

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「てきせい」を漢字で書く問題、テストなどで見たことがある人も多いのではないでしょうか。この記事で扱う「適正」と「適性」の違いが分かれば間違えることはありません。まずは、「適正」と「適性」の意味の違いを詳しく見ていきましょう。

「適正」:物や事柄が適している

「適正」は文字通り「適していて正しい」という意味で、あるものごとに対して基準や条件に合っていることを言います。例えば「適正価格」。これは、ある物の価格をみたときに、その価格が通常考えられる範囲内にあり、さらにその中でも最もふさわしい価格のことです。常識的に考えて高すぎたり安すぎたりしない価格ということになりますね。

つまり、ある基準や条件に対してぴったり合っていて、ずれや間違いがないことを表す言葉が「適正」なのです。

「適性」:性質や資質が適している

一方「適性」は人間の性質や能力、資質がその物事や分野に適しているという意味です。人間にはそれぞれ個性がありますので、その性質や能力にはさまざまな可能性があります。その性質や能力などが適しているときに使うのが「適性」です。進学や就職のとき、自分がどの分野に適性があるのかをチェックするのが「適性検査」で皆さんも受けたことがあるのではないでしょうか。

「適正」は基準や条件に適しているかどうか、正しいかどうかを示していますが、「適性」は正しいかどうかは関係なく向き不向きを示しています

「適正」と「適性」の使い分け

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では、実際に例文を見ながら「適正」と「適性」の違いについて理解を深めていきましょう。

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