簡単に分かる「菩提寺」と「檀家」の違い!「檀那寺」との違いも院卒日本語教師が分かりやすく解説
実はこの「菩提寺」も「檀家」も、現代の日本でもよく使われる仏教用語です。
今回はそんな「菩提寺」と「檀家」の意味や違いを、言葉に詳しい院卒日本語教師の”むかいひろき”と一緒に解説していきます。
ライター/むかいひろき
ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に言葉の違いについて分かりやすく解説していく。
「菩提寺」も「檀家」もどちらも仏教に関連した言葉
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「菩提寺(ぼだいじ)」や「檀家(だんか)」という言葉を聞いたことがありますか?家族や親族のお葬式の準備のとき、お盆の準備の時にはじめて聞いたという人も多いかもしれません。まずはこの「菩提寺」と「檀家」がどのような意味のなのか、見ていきましょう。
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「菩提寺」:先祖の墓や位牌があり、葬儀などを営む寺
最初に、辞書を使って「菩提寺」の意味を確認していきましょう。国語辞典には「菩提寺」は次のような意味が掲載されています。
先祖代々の墓や位牌をおき、葬式などの仏事を営む寺。檀那寺(だんなでら)。
出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「ぼだい₋じ【菩提寺】」
「菩提寺」は「先祖の墓や位牌があり、葬儀などを営む寺」のことを言います。あなたはお盆や家族・親族の命日に、必ずお参りするお寺はありませんか?きっとそのお寺があなたの家族の菩提寺です。先祖代々のお墓や位牌がある菩提寺には、お墓の管理や法事や葬儀などの仏事全般を依頼することができます。
江戸時代には寺請制度が設けられ、誰もが必ず一つの「菩提寺」を持ち、その「菩提寺」に墓を作ることが定められました。この時から「菩提寺」の制度は一気に広まりましたが、最近は自身の家族の「菩提寺」が分からない人も増えてきており、制度は廃れ始めています。
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「檀家」:ある寺に属して、仏事などを依頼し寺を援助する家
次に、辞書を使って「檀家」の意味を確認していきましょう。国語辞典には「檀家」は次のような意味が掲載されています。
一定の寺に属して諸仏事を依頼し、布施などによってその寺を援助する家。また、その家の人。檀越(だんおつ)。だんけ。
出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「だん₋か【檀家】」
「檀家」は「ある寺に属して、仏事などを依頼し寺を援助する家」という意味の言葉です。つまり、自身の「菩提寺」がある人は、そのお寺の「檀家」であると言えるわけですね。(ものすごく厳密に言えば「檀家」ではない場合もあるのですが、それは後の「檀那寺」のコーナーで説明します。)
あるお寺の「檀家」になることで、そのお寺に法事や葬儀などの仏事一般をお願いしたり、お墓の管理をしてもらったりすることができるのです。
「菩提寺」とよく似た言葉!「檀那寺」とは?
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「菩提寺」とよく似た意味の言葉に「檀那寺(だんなでら)」という言葉があります。こちらも家族・親戚の葬儀や法事の準備の際に耳にすることがあるかもしれません。意味合いも似ていますが、厳密には違いもあります。ここで確認していきましょう。
\次のページで「「檀那寺」:その家が檀家となって属している寺」を解説!/

