この記事では無機質とミネラルの違いについてみていきます。無機質とミネラルってどっちも同じ意味でしょうと思っていたが、なぜなのかどう違うのかよく分からないよな。この2つの違いは、簡単に言うと日本語か英語かのようです。ただ、英語でミネラルというと必ずしも栄養素のミネラルとは限らない。詳しくみていこう。
今回はそんな無機質とミネラルの違いを、栄養士ライターのミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。不足しやすいミネラルのカルシウムや鉄を取れる食事を目指している。

無機質とミネラルの違いは?

結論から言うと、無機質は日本語、ミネラルは英語で、どちらも同じものを指しています。日本語では無機質でもミネラルでもどちらを使っても問題ないでしょう。しかし、英語の”ミネラル(mineral)”では使い方によって意味が変わります。例えば、栄養素のミネラル・鉱物・発掘された鉱石・無機物など様々です。

無機質もミネラルも日本語として使う分には同じですが、英語のmineralは栄養素以外の使い方もされる、と覚えておきましょう。

無機質・ミネラルとは?

image by iStockphoto

「無機質・ミネラル」とは、体に欠かせない五大栄養素のひとつです。体を構成する主要4元素(水素・酸素・炭素・窒素)ではありませんが、微量ながらも健康を維持するために重要な役割を持っています。また、体を構成する成分の1つとなりますが、体内で合成できないため食品から摂取しなければなりません。「無機質・ミネラル」は、健康に欠かせない栄養素ということです。

五大栄養素とは、たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルのことで、生きるために必要な栄養です。ビタミンとミネラルは微量栄養素と言われ、少量ですが人間の健康維持に欠かせない栄養となっています。

ビタミンとミネラルの違いは、体を構成する栄養かどうかです。ミネラルは直接体を作る栄養として働きます。ビタミンは、たんぱく質・脂質・炭水化物などの主に代謝に関わり、直接体を構成せず手助けする栄養素です。ビタミンもミネラルも少量で体の調子に変化をもたらす重要な栄養素の1つとなっています。

無機質・ミネラルの種類と働き

日本で「無機質・ミネラル」は、ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛・銅・マンガン・ヨウ素・セレン・クロム・モリブデンが食事摂取基準に取り入れられています。体の調子を整える微量栄養素ですが、不足だけでなく取りすぎにも注意が必要です。主要な「無機質・ミネラル」の働きをみていきましょう。

1.体内の水分バランスを整える「ナトリウム」

image by iStockphoto

食塩など塩味の成分であるナトリウムは主に細胞外液に存在し、細胞の水分バランスに関与します。通常の食生活で不足することはありません。むしろ、日本人は世界的にも塩味の強い食生活をしており、過剰摂取に注意が必要です。多く摂取しすぎると、むくみや高血圧、胃がんなどの原因になります。

2.「カリウム」も水分バランスを整え高血圧予防に

主に細胞内液に存在し細胞の水分バランスに関与し筋肉の収縮に作用するのがカリウムです。ナトリウムの排出を促すためナトリウムとは逆の働きをし、むくみや高血圧予防になります。様々な食品に含まれていますが、特に野菜や果物に多いです。

\次のページで「3.骨や歯を作る「カルシウム」」を解説!/

3.骨や歯を作る「カルシウム」

カルシウムは99%が骨や歯に、残りの1%は体の組織や血液に存在しています。不足すると骨粗しょう症や骨軟化症の原因になるため、成長期の子供はもちろん大人にも大切な栄養です。カルシウムは、牛乳やチーズなどの乳製品や、丸ごと食べられるイワシなどの小魚に豊富に含まれています。

日本人の食生活では、カルシウムが不足しやすいです。成長や将来の健康のためにも、カルシウムを積極的に食事で取り入れた食事を目指しましょう。

4.カルシウムとともに骨や歯を作る「マグネシウム」と「リン」

マグネシウムやリンもカルシウムとともに骨や歯の成分となっています。マグネシウムは酵素の活性化や神経や筋肉の伝達に必要な栄養です。不足すると不整脈やしびれなどの症状が現れます。海藻類や大豆、穀物などに豊富で、通常の食生活では過剰摂取になることは基本的にありません。

リンは体内の酸とアルカリのバランスを保ったり細胞膜やDNAなどの構成成分になったり、体の中で重要な働きをしています。リンは多くの食品に含まれていますが、特にたんぱく質の豊富なものに多いです。

5.血液の成分「鉄」

image by iStockphoto

鉄は赤血球のヘモグロビンの成分で、主に酸素を体に運搬する働きをしており、そのほかの鉄は主に肝臓に貯蔵されています。鉄分は不足すると肝臓に貯蔵された鉄を利用しますが、それも足りなくなると現れるのが、貧血や疲れやすいなどの症状です。

レバーやあさりやしじみなどの貝類、緑黄色野菜などに豊富に含まれています。特に、月経のある女性や妊婦は鉄が不足しやすいので注意が必要です。

6.「亜鉛」はたんぱく質構成成分

亜鉛はたんぱく質を合成する酵素として働きます。多くの食品に含まれていますが、特にカキや牛肉に豊富です。通常、過剰摂取になることは少ないですが、不足すると味覚障害や子供なら成長障害の原因となります。

無機質とミネラルは同じ!健康維持に大切な栄養

無機質とミネラルは同じもののことで、体を作るのに必要な微量栄養素の総称でしたね。それぞれ違う働きをしており、不足や過剰摂取に注意が必要です。健康維持のためにも、無機質・ミネラルを意識した食事をしてみてほしいです!

" /> 簡単で分かりやすい!無機質とミネラルの違いは?同じものなの?種類や働きも栄養士ライターが詳しく解説 – Study-Z
雑学

簡単で分かりやすい!無機質とミネラルの違いは?同じものなの?種類や働きも栄養士ライターが詳しく解説

この記事では無機質とミネラルの違いについてみていきます。無機質とミネラルってどっちも同じ意味でしょうと思っていたが、なぜなのかどう違うのかよく分からないよな。この2つの違いは、簡単に言うと日本語か英語かのようです。ただ、英語でミネラルというと必ずしも栄養素のミネラルとは限らない。詳しくみていこう。
今回はそんな無機質とミネラルの違いを、栄養士ライターのミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。不足しやすいミネラルのカルシウムや鉄を取れる食事を目指している。

無機質とミネラルの違いは?

結論から言うと、無機質は日本語、ミネラルは英語で、どちらも同じものを指しています。日本語では無機質でもミネラルでもどちらを使っても問題ないでしょう。しかし、英語の”ミネラル(mineral)”では使い方によって意味が変わります。例えば、栄養素のミネラル・鉱物・発掘された鉱石・無機物など様々です。

無機質もミネラルも日本語として使う分には同じですが、英語のmineralは栄養素以外の使い方もされる、と覚えておきましょう。

無機質・ミネラルとは?

image by iStockphoto

「無機質・ミネラル」とは、体に欠かせない五大栄養素のひとつです。体を構成する主要4元素(水素・酸素・炭素・窒素)ではありませんが、微量ながらも健康を維持するために重要な役割を持っています。また、体を構成する成分の1つとなりますが、体内で合成できないため食品から摂取しなければなりません。「無機質・ミネラル」は、健康に欠かせない栄養素ということです。

五大栄養素とは、たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルのことで、生きるために必要な栄養です。ビタミンとミネラルは微量栄養素と言われ、少量ですが人間の健康維持に欠かせない栄養となっています。

ビタミンとミネラルの違いは、体を構成する栄養かどうかです。ミネラルは直接体を作る栄養として働きます。ビタミンは、たんぱく質・脂質・炭水化物などの主に代謝に関わり、直接体を構成せず手助けする栄養素です。ビタミンもミネラルも少量で体の調子に変化をもたらす重要な栄養素の1つとなっています。

無機質・ミネラルの種類と働き

日本で「無機質・ミネラル」は、ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛・銅・マンガン・ヨウ素・セレン・クロム・モリブデンが食事摂取基準に取り入れられています。体の調子を整える微量栄養素ですが、不足だけでなく取りすぎにも注意が必要です。主要な「無機質・ミネラル」の働きをみていきましょう。

1.体内の水分バランスを整える「ナトリウム」

image by iStockphoto

食塩など塩味の成分であるナトリウムは主に細胞外液に存在し、細胞の水分バランスに関与します。通常の食生活で不足することはありません。むしろ、日本人は世界的にも塩味の強い食生活をしており、過剰摂取に注意が必要です。多く摂取しすぎると、むくみや高血圧、胃がんなどの原因になります。

2.「カリウム」も水分バランスを整え高血圧予防に

主に細胞内液に存在し細胞の水分バランスに関与し筋肉の収縮に作用するのがカリウムです。ナトリウムの排出を促すためナトリウムとは逆の働きをし、むくみや高血圧予防になります。様々な食品に含まれていますが、特に野菜や果物に多いです。

\次のページで「3.骨や歯を作る「カルシウム」」を解説!/

次のページを読む
1 2
Share: