Hi, everybody!・・・ん?Hi, everyone!・・・ん?この2つの文、意味はどう違うのでしょう。そこで今回はeverybodyとeveryoneの違いを考えてみよう。元塾講師のホンゴウ・タケシと一緒に解説していきます。

ライター/ホンゴウ・タケシ

大学時代にアメリカに留学経験を持つ元塾講師。その後企業に勤めアメリカ、ドイツ、カナダ、メキシコ、オーストラリアで滞在経年を持つ。実際に使える英語を解説していく。

everybodyとeveryoneの違いとは?

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最初に結論を言います。everybodyとeveryoneは、ほとんど同じ意味です。ですから英文中のeverybodyをeveryoneに書き換えもできます(あとで述べる一部の例外を除き)。「おはよう、みなさん!」という意味の"Good morning, everybody."と"Good morning, everybody."には大きな違いはありません。

あえていえばニュアンス上に少し違いがありますので、その細かい違いを紹介します。

everybody:ひとかたまりのグループとして扱う

everybodyという言葉は"every + body"が合体した言葉です。この中のeveryは「すべて」という意味の形容詞ですね。そして"body"には「肉体」という意味以外に「一団(ひとつのグループ)」という意味もあります。

・可算名詞 [集合的に] 統一体,組織体
 a legislative body 立法府, 議会.
・[a body]
 aかたまり 〔of〕.
  a body of water 水域 《海・湖など》.
 b一団,一群; 大勢,多数 〔of〕.
  a body of laws 法典.

出展:研究社 新英和中辞典

このようにeverybodyは、大勢の人を「ひとつのグループとして扱う」という印象を与える言葉です。

everyone:ひとりひとりに向けて

everyoneという言葉は"every + one"が合体した言葉です。この中のoneは「ひとつ」や「ひとり」という意味を持ちます。このためeveryoneは「大勢の人をひとりひとり個別に扱う」という印象を与える言葉です。

everybodyは、ひとつのグループとして、ざっくりと扱うのでカジュアルな場で多く使います。日本語では「みんな!」という意味に近いですね。このためどちらかといえば口語的表現で用います。一方、everyoneは、ひとりひとり個別に扱うので、フォーマルな場で使うことが多いですね。日本語では「みなさん!」に近い意味になります。こちらは、どちらかといえば文語的表現で、新聞や正式な書類、新聞など使う場合が多いですね。

everybody、everyoneを文章で使うときの注意点

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everybody、everyoneを使うとき、注意すべきことがいくつかあります。見ていきましょう。

動詞は三人称単数を使う

everybodyは「ひとつのグループとして扱う」、everyoneでは「ひとりひとり個別に扱う」といいました。このためeverybodyもeveryoneも三人称単数の扱いになりますので、気をつけて動詞を使いましょう。

\次のページで「everybody、everyoneを受ける代名詞は三人称複数(they)を用いる」を解説!/

・Everybody loves peace.
・Everyone loves peace.
 誰もが平和を愛しています。

everybody、everyoneを受ける代名詞は三人称複数(they)を用いる

everybody、everyoneを英文で使うときに、これらの言葉を受ける代名詞は三人称複数であることに注意しなければなりません。

・Everybody works what they love.
・Everyone works what they love.
 誰もが自分の好きな仕事をしています。

かつては、everybody、everyoneを受ける代名詞は三人称単数heを使っていました。昔は男性社会でしたが、現代では男女平等になったため、they(=he and she)を使うようになりました。文法上を考えると変な感じがするかもしれませんが、注意しましょう。

「彼の家族みんなが早起きです」を英訳するとき

「彼の家族みんな」を主語に英文を作ってみましょう。

1.Everybody in his family gets up early.
2.Every one of his family gets up early.

同じ「彼の家族みんな」が主語なのに、違いがありますね。

前置詞ofは、some of、all ofのように数を表す「数量詞」が前に来るのが原則です。このため everybody ofという使い方はできません。ただし、「彼の家族の中みんな」と同じ意味なので、"everybody in my family"という表現は可能です。一方、everyoneの場合は、every とoneに分けると、oneは数量詞になるので、2つの単語に分けると使えます。

またeverybodyも、everyoneも、人以外のものに使うことはできませんが、"every one"とすると使うことができますよ。

My mother carefully chose every one of oranges when she picked.
私の母は収穫するとき、気を付けてひとつひとつのオレンジを選びます。

everybodyやeveryoneのことわざ・名言をチェック!

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everybodyやeveryoneには、ことわざや名言がたくさんあります。

everybodyを使ったことわざ・名言

それではご紹介します。英文で覚えていると、かっこいいですよ。

・Everybody's business is nobody's business.
 (ことわざ)
 みんなの仕事は、だれの仕事でもない。
 仕事の責任がはっきりしないと、だれかがやるだろうと考えて、
 だれもやらないことになる。

・A friend to everybody is a friend to nobody.
 (ことわざ)
 全員と友達という者は全員と友達でない。八方美人には友達がいない。

・Everybody has talent, but ability takes hard work.
 (マイケル・ジョーダン:元プロバスケットボール選手)
 誰もが才能を持っている。しかし能力を得るには努力が必要だ。

everyoneを使った名言

マイケル・ジョーダンはeveryoneを使った名言も残しています。見ていきましょう。

・I can accept failure, everyone fails at something. But I can’t accept not trying.
 (マイケル・ジョーダン)
 私は失敗することは受け入れられる。みんな誰もが何かに失敗する。
 しかし挑戦しないことは受け入れられない。

・At the touch of a lover, everyone becomes a poet.
 (プラトン:古代ギリシアの哲学者)
 恋に触れると、人は誰でも詩人になれる。

ことわざや名言を残した人が、everyoneのニュアンスを意識していたのかわかりません。もしニュアンスの違いを意識していたならば、everyoneの名言は、ひとりひとりに語り掛けているわけであり、言葉に優しさが加わりますね。

\次のページで「everybody、everyone以外の表現」を解説!/

everybody、everyone以外の表現

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everybody、everyone以外に、「みなさん」という意味の言葉があります。見ていきましょう。

フランクな表現

everybody、everyoneよりも砕けた表現でguysという言葉もあります。

Good job, guys!
お疲れ様、みんな。

この言葉は、遠慮のない間柄の関係である場合に使うことが多いですね。あまりお行儀のよい言葉ではないので、年配の人の中には、この言葉を使うと顔をしかめる人もいるかもしれません。

単数形のguyは「男の人たち」という意味ですが、男女混合グループや、女性グループへの呼びかけとしても使います。また、女性が他の女性グループに呼びかける際 にも使う場合もありますよ。

死語になりつつある表現

ボクシングの試合などで、リングアナウンサーが"ladies and gentlemen"と言っているのを聞いたことありませんか?近年この言葉がeveryoneに切り替わろうとしています。

・Ladies and gentlemen, welcome!
・Everyone, welcome!
 皆さん、ようこそ。

everyoneに切り替わろうとしているのは、トランスジェンダーの方への配慮のためです。

実際に世界各国にあるディズニーパーク、航空会社のJAL、ブリティッシュ・エアウェイズ、ルフトハンザ、ニューヨークやロンドンの公共機関では、"ladies and gentlemen"の使用を数年前からやめています。今後は"ladies and gentlemen"という表現自体がなくなってしまうかも知れません。

言葉で相手との距離感を変えることも

大統領選挙の演説というフォーマルな場でも、あえて親しみを持たせるため"Good morning, guys!"と聴衆に話しかける候補者もいます。TPOに応じた表現は必要ですが、言葉で相手との距離感を変えることもできるのです。皆さんも外国人の友人ができたら、"Guys!"を使って距離を縮めてみましょう。

" /> 簡単でわかりやすい!everybodyとeveryoneの違いとは?ことわざ・名言も元塾講師が詳しく解説 – Study-Z
雑学

簡単でわかりやすい!everybodyとeveryoneの違いとは?ことわざ・名言も元塾講師が詳しく解説

Hi, everybody!・・・ん?Hi, everyone!・・・ん?この2つの文、意味はどう違うのでしょう。そこで今回はeverybodyとeveryoneの違いを考えてみよう。元塾講師のホンゴウ・タケシと一緒に解説していきます。

ライター/ホンゴウ・タケシ

大学時代にアメリカに留学経験を持つ元塾講師。その後企業に勤めアメリカ、ドイツ、カナダ、メキシコ、オーストラリアで滞在経年を持つ。実際に使える英語を解説していく。

everybodyとeveryoneの違いとは?

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最初に結論を言います。everybodyとeveryoneは、ほとんど同じ意味です。ですから英文中のeverybodyをeveryoneに書き換えもできます(あとで述べる一部の例外を除き)。「おはよう、みなさん!」という意味の”Good morning, everybody.”と”Good morning, everybody.”には大きな違いはありません。

あえていえばニュアンス上に少し違いがありますので、その細かい違いを紹介します。

everybody:ひとかたまりのグループとして扱う

everybodyという言葉は”every + body”が合体した言葉です。この中のeveryは「すべて」という意味の形容詞ですね。そして“body”には「肉体」という意味以外に「一団(ひとつのグループ)」という意味もあります。

・可算名詞 [集合的に] 統一体,組織体
 a legislative body 立法府, 議会.
・[a body]
 aかたまり 〔of〕.
  a body of water 水域 《海・湖など》.
 b一団,一群; 大勢,多数 〔of〕.
  a body of laws 法典.

出展:研究社 新英和中辞典

このようにeverybodyは、大勢の人を「ひとつのグループとして扱う」という印象を与える言葉です。

everyone:ひとりひとりに向けて

everyoneという言葉は”every + one”が合体した言葉です。この中のoneは「ひとつ」や「ひとり」という意味を持ちます。このためeveryoneは「大勢の人をひとりひとり個別に扱う」という印象を与える言葉です。

everybodyは、ひとつのグループとして、ざっくりと扱うのでカジュアルな場で多く使います。日本語では「みんな!」という意味に近いですね。このためどちらかといえば口語的表現で用います。一方、everyoneは、ひとりひとり個別に扱うので、フォーマルな場で使うことが多いですね。日本語では「みなさん!」に近い意味になります。こちらは、どちらかといえば文語的表現で、新聞や正式な書類、新聞など使う場合が多いですね。

everybody、everyoneを文章で使うときの注意点

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everybody、everyoneを使うとき、注意すべきことがいくつかあります。見ていきましょう。

動詞は三人称単数を使う

everybodyは「ひとつのグループとして扱う」、everyoneでは「ひとりひとり個別に扱う」といいました。このためeverybodyもeveryoneも三人称単数の扱いになりますので、気をつけて動詞を使いましょう。

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