今回は「ターメリック」と「ウコン」の違いを見ていきます。ターメリックはカレーに入れたり食品を黄色く色づけたりするスパイスで、日本語ではウコンと呼ばれる。ただし、ひとくちにウコンといっても複数の種類が存在することは知っているか?ウコンはウコンでも、「秋ウコン」という種類がターメリックに該当するんです。この先は食べ物好き主婦ライターのスズキアユミと一緒に詳細を解説していきます。

ライター/スズキアユミ

食べることが大好きな主婦ライター。週に2回は外食を楽しみ、近隣のお店を開拓している。高級料理よりも庶民派の手軽なものが好み。

ターメリックとウコンの違いとは?

image by iStockphoto

カレーに使用される黄色いスパイスとして知られるターメリック。ショウガ科ウコン属の植物の根をパウダー状に加工したスパイスです。ウコンと全く同じのもとの認識されることも多いですが、正確にはウコンの一種である「秋ウコン」がターメリックと同一のもの。秋ウコンは「ウコン」とだけ呼ばれることも多く、日本では健康食品や漢方、食品の着色料としても使用されています。

スパイスとしては「ターメリック」、健康食品としては「ウコン」と呼び分けられることが多いようです。

ウコンの種類と違い

ウコンと名の付く植物にはさまざまな種類が存在し、代表的なものが以下の4つです。食用となる根の部分の色や花をつける季節、含まれる成分、期待される効果などが異なっています。特徴を1つずつ確認していきましょう。

1.春ウコン
2.秋ウコン(ターメリック)
3.紫ウコン
4.黒ウコン

\次のページで「1.春ウコン」を解説!/

1.春ウコン

春ウコンは「黄ウコン」・「ワイルドターメリック」・「鬱金(うこん)」とも呼ばれ、根の断面が黄色く、春にピンク色の花を咲かせるのが特徴です。サプリメントや健康食品として使用されることが多い種類で、舐めると強い苦みを感じます。ターメロンやシネオールといった精油の成分が100種類以上含まれ、食物繊維やミネラルも豊富。抗酸化作用や抗炎症作用があるといわれています

2.秋ウコン(ターメリック)

秋ウコンは「ターメリック」の他に「赤ウコン」や「姜黄(きょうおう)」とも呼ばれます。7~10月に白い花を咲かせ、根の断面は鮮やかで濃いオレンジ色。他のウコンに比べて「クルクミン」というポリフェノールが非常に多く含まれています。クルクミンに期待される効果については後ほど解説しましょう。

スパイスとしての活用ほか、マーガリンやからし、たくあんなどの着色料としても使用されます。苦みはなく、少しだけ辛みを感じるのが特徴です。

3.紫ウコン

紫ウコンは「夏ウコン」・「白ウコン」・「莪蒁(がじゅつ)」とも呼ばれ、初夏から10月ごろにかけて白や薄紫色の花を咲かせます。根の断面は青みがかった紫色。清涼感のある香りで、シネオール・カンファー・アズレンといった精油成分やミネラルを多く含むのも特徴です。体を内側から温める効果があるといわれ、冷え対策やデトックス効果を期待して摂取されることが多く、舐めると強い苦みを感じます。

4.黒ウコン

黒ウコンは「黒ショウガ」とも呼ばれ、上の3つのウコンとは分類が異なる植物です。根の断面は黒か濃紫色で、クルクミンやアントシアニンを多く含みます。どちらも抗酸化作用が強い成分のため、生活習慣病や美容に対する効果が期待されています。舐めると辛く香ばしい味がします。

ターメリックに期待される効果

image by iStockphoto

ターメリック(秋ウコン)にクルクミンというポリフェノールが多く含まれていることは先述のとおり。クルクミンがもつ多彩な健康効果については研究が進められており、期待されているのは以下の4点です。現時点ではこれらの効果について明確な結論は出ていませんが、今後の研究成果が楽しみなものばかりですね。

1.二日酔いの予防・対策
2.美肌・アンチエイジング
3.生活習慣病の予防・改善
4.アルツハイマー病の予防・改善

1.二日酔いの予防・対策

クルクミンには肝機能を高める働きがあります。お酒を飲む前に専用ドリンクやサプリメントを飲んでおけば、肝臓のアルコール分解能力が高まって二日酔いになるのを防いでくれるというわけです。二日酔いになってしまってからの服用でも効果があるといわれています。

\次のページで「2.美肌・アンチエイジング」を解説!/

2.美肌・アンチエイジング

ポリフェノールの一種であるクルクミンには強い抗酸化作用があります。抗酸化作用とは、人間の体内で生成される活性酸素(かっせいさんそ)という物質を抑制する働きのこと。活性酸素が過剰に発生すると細胞が傷ついて老化が進んでしまいますが、クルクミンの抗酸化作用によって活性酸素を抑制することで体の老化防止になり、肌のシミ・シワの改善にもつながるといわれています。

3.生活習慣病の予防・改善

クルクミンには、コレステロール値を下げる・血圧を下げる・免疫機能を高めるといった働きがあるといわれています。これらの働きは、動脈硬化・脳卒中・糖尿病などの生活習慣病の発生を防ぐ点で重要であり、まさに健康的な身体づくりをサポートしてくれる効果といえそうです。

4. アルツハイマー病の予防・改善

クルクミンには、アルツハイマー病を引き起こす「アミロイドβ」という物質を除去する効果があると期待されています。これによって認知障害が改善されるのではないかという仮説から、盛んに研究が進められている分野です。

ターメリック以外の黄色いスパイス

ターメリックは鮮やかな黄色をしたスパイスで、その発色からカレーの色づけや加工食品の着色料としても多く使用されます。食べ物を黄色く色づけるスパイスはターメリック以外にもいくつか存在しますので、代表的な2つをご紹介しましょう。

1.サフラン

サフランは、サフランの花のめしべを乾燥させたスパイスです。スパイス自体は赤色をしていますが、料理に使用すれば「クロシン」という黄色い色素が溶けだし、鮮やかに色づきます。サフランライスやパエリア、スープ、デザートなどが使用例です。

2.クチナシ

クチナシは、クチナシの木の種子から作られるスパイスです。日本以外ではあまり使用されないため、日本特有のスパイスといってもいいかもしれません。サフランと同様に「クロシン」という黄色い色素を持ち、栗きんとんやスイートポテト、たくあんなどの色づけに使用されます。

カレー以外にも使える!ターメリックの簡単レシピ

image by iStockphoto

ターメリックのもっとも代表的な使い方はカレーに入れる方法ですが、せっかくターメリックが手元にあるのであれば、いろいろな使い方をしてみたいもの。ここでは簡単にできて彩りも鮮やかな2つのレシピをご紹介します。

\次のページで「1.ターメリックラテ(ゴールデンラテ/ゴールデンミルク)」を解説!/

1.ターメリックラテ(ゴールデンラテ/ゴールデンミルク)

ターメリックラテは「ゴールデンラテ」や「ゴールデンミルク」とも呼ばれ、ターメリックの鮮やかな黄色と健康感を同時に楽しめる話題のドリンクです。

【材料】2人分
・ターメリックパウダー…小さじ1/3
・バター(溶かした状態)…5g
・牛乳…300ml
・はちみつ…大さじ1
・シナモンパウダー…お好みの量

【作り方】
1,ターメリックパウダーとバターをよく混ぜる。
2.牛乳を鍋で温め、1を加える。
3.鍋のふちに細かい泡が出る程度まで温まったら火を止め、カップに注ぐ。
4.シナモンパウダーをお好みでかけて完成。

2.ターメリックライス

ターメリックライスは美しい黄色で見栄えがよく、ひと手間かけたようなこだわり感を演出することもできます。クセのない味わいで、どんな料理にも合わせやすいライスです。

【材料】4人分
・無洗米…2合
・水…適量
・ターメリックパウダー…小さじ1
・コンソメ顆粒…小さじ1
・無塩バター…10g
・乾燥パセリ…お好みの量

【作り方】
1.炊飯釜に米を入れ、2合目の目盛りまで水を加える。
2.ターメリックパウダーとコンソメ顆粒を入れてよく混ぜる。
3.無塩バターを入れて炊飯する。
4.炊き上がったら、全体をなじませるように混ぜる。
5.お皿に盛り、お好みで乾燥パセリをかけて完成。

ターメリックを生活に取り入れてみよう!

ターメリックは秋ウコンと同じもので、ポリフェノールであるクルクミンを多く含みます。クルクミンには二日酔いの予防やアンチエイジングなどのさまざまな健康効果が期待されており、今後の研究成果が楽しみな成分です。

ターメリックは単体で舐めれば多少の辛みがあるものの、料理に入れればクセを感じない優しいスパイス。食事の彩りとしても大いに活用できますので、ご紹介したレシピも参考にしながら普段の料理に取り入れてみてくださいね。

" /> 簡単でわかりやすい!ターメリックとウコンの違いとは?ターメリックは「秋ウコン」と同じ?健康効果や簡単レシピも外食好きライターが詳しく解説 – Study-Z
雑学食べ物・飲み物

簡単でわかりやすい!ターメリックとウコンの違いとは?ターメリックは「秋ウコン」と同じ?健康効果や簡単レシピも外食好きライターが詳しく解説

今回は「ターメリック」と「ウコン」の違いを見ていきます。ターメリックはカレーに入れたり食品を黄色く色づけたりするスパイスで、日本語ではウコンと呼ばれる。ただし、ひとくちにウコンといっても複数の種類が存在することは知っているか?ウコンはウコンでも、「秋ウコン」という種類がターメリックに該当するんです。この先は食べ物好き主婦ライターのスズキアユミと一緒に詳細を解説していきます。

ライター/スズキアユミ

食べることが大好きな主婦ライター。週に2回は外食を楽しみ、近隣のお店を開拓している。高級料理よりも庶民派の手軽なものが好み。

ターメリックとウコンの違いとは?

image by iStockphoto

カレーに使用される黄色いスパイスとして知られるターメリック。ショウガ科ウコン属の植物の根をパウダー状に加工したスパイスです。ウコンと全く同じのもとの認識されることも多いですが、正確にはウコンの一種である「秋ウコン」がターメリックと同一のもの。秋ウコンは「ウコン」とだけ呼ばれることも多く、日本では健康食品や漢方、食品の着色料としても使用されています。

スパイスとしては「ターメリック」、健康食品としては「ウコン」と呼び分けられることが多いようです。

ウコンの種類と違い

ウコンと名の付く植物にはさまざまな種類が存在し、代表的なものが以下の4つです。食用となる根の部分の色や花をつける季節、含まれる成分、期待される効果などが異なっています。特徴を1つずつ確認していきましょう。

1.春ウコン
2.秋ウコン(ターメリック)
3.紫ウコン
4.黒ウコン

\次のページで「1.春ウコン」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: