翻訳ソフトで「死んだ」という日本語を英訳させたらdiedとdeadの二つの言葉が表示された。しかし、この二つの言葉は同じ意味ではない。そこで今回はdiedとdeadの違いをはっきりさせよう。元塾講師のホンゴウ・タケシと一緒に解説していきます。

ライター/ホンゴウ・タケシ

大学時代に留学経験を持つ元塾講師。その後企業に勤めアメリカ、ドイツ、カナダ、メキシコ、オーストラリアでの滞在経年を持つ。実際に使える英語を解説していく。

diedとdeadの違いとは?

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日本語の「死んだ」という言葉には、二つの使い方がありますが、私たちはその違いを理解して使い分けています。どのように使い分けているか確認していきましょう。

diedは動作、deadは状態

一つは「死んだ」という過去の動作を表す場合。「私の犬は昨日死んだ」など。もう一つは「死んだ」という状態を表す場合。「死んだ言葉(死語)」など。前者ではdie(死ぬ)という動詞の過去形diedを、後者では名詞を修飾する形容詞deadを用います。英語にすると"My dog died yesterday."と"Dead language"になりますね。

deathとの違いは?

動詞のdie(死ぬ)、形容詞のdead(死んだ)ともに名詞のdeath(死)についても押さえておきましょう。

1.Everyone comes to death.
2.Everyone dies.
3.Everyone will be dead.

この三つの英文すべて「誰もが死を迎える」という意味です。品詞ごとに使い方に注意しましょう。

また1.2.の英文では、ともに不変の事実を表すので動詞は現在形を用います。一方、3.は動詞を現在形にし"Everyone is dead."とすると「誰もが死んでいる」という現在の状態を表すので、必然的な未来を表す助動詞willを加えましょう。

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diedとdeadの違いを例文で詳しくチェック!

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diedとdeadの違いを、例文を使い理解をさらに深めていきましょう。

diedを使った例文

died(die)は、「生物が死ぬ」という意味の他にも「(機械などが)壊れて動かない」という意味もあります。

The engine suddenly died.
エンジンが突然壊れた。

またdied(die)は、感情など形のないものの「存在がなくなる」、「消滅する」という意味もあります。

・My anger died.
 私の怒りは消えた。

・Our hope died.
 私たちの希望はなくなった。

deadを使った例文

deadは「生物が死んだ状態」という意味のほかに、「社会的に死んでいる状態」、つまりは「機能しない」、「効力のない」という意味もあります。

・The Law is dead.
 その法理には効力がない。

先述した"Dead language(死語)"のdeadも、ここでいう「効力のない」という意味です。また"Dead man"という言葉は「(生命活動がなくなって)死んだ人」という意味もありますが、「社会的に死んだ人」つまり「死刑囚」や「会社で解雇された人」という意味で使うことも多くあります。

died(die)を深掘り

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動詞die(死ぬ)について深掘りしていきます。注意点なども紹介していきますね。

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dieの類義表現

dieの置き換えでpass awayという表現を使うこともあります。pass awayとは「(時間・ものが)消えてなくなる」という意味ですが、「人が亡くなる」という意味も持つのです。

・My grandmother died last summer.
・My grandmother passed away last summer.

どちらも「私の祖母は昨年の夏に亡くなりました」という意味になります。

die of/die from/die inの違い

"die of"、"die from"、"die in"、これら三つとも死因を説明する場合に使う表現ですが、使い方が異なるので注意しましょう。

1.My father died of cancer.
 私の父は癌で亡くなりました。

2.My father died from smoking.
 私の父は喫煙が原因でなくなりました。

3.My mother died in a traffic accident.
 私の母は交通事故でなくなりました。

1.では、癌が直接の死亡原因です。このような場合は"die of"を用います。2.では、喫煙が直接的死因ではなく、死につながる行動です。このような場合は"die from"を用います。3.では、交通事故は死に至らせた出来事です。このような場合は"die in"を用います。

dyingを使った表現

dieの現在分詞dyingを使った表現を見てきましょう。

1.The man is dying.
 その男は死にそうだ。

2.My father is dying for a cigarette.
 私の父はタバコが欲しくてたまらない。

3.My wife is dying to travel in Hokkaido.
 私の妻は北海度へ旅行に行きたがっています。

1.はdie(死ぬ)の現在進行形です。「死」に向かって進行中であって、現時点で死んでいる訳ではありませんので「死にかかっている」という意味になります。

また2.3.は、「死ぬほど〇〇が欲しい」や「死ぬほど××がしたい」という意味です。英文にするときは、2.の"dying for 名詞(欲しいもの)"、3.の"dying to 動詞(したいこと)"と使い分けましょう。

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deadを深掘り

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次の英文は、どちらも「私の娘は癌で苦しんでいたが、今は亡くなっている」という意味です。

1.Cancer had suffered my daughter, but she is dead.
2.Cancer had suffered my daughter, but she has gone.

2.は「(天国に)行ってしまって、今はいない」という意味で、1.2.のいずれも「娘が死んでいる」現在の状況を表しています。なお、2.の"have gone"という表現は、"be gone"という表現で使う場合もありますよ。

その他deadを使った表現

仲のいい友人とのカジュアルな会話の中では、deadを副詞として、very(とっても)、completely(完全に)、absolutely(絶対に)と同じように使うこともできます。直訳すれば「死ぬほど」になりますが、ニュアンス的には「めっちゃ!」に近いですね。

・I'm dead hungry.
 めっちゃ腹減った。

・He is dead angry.
 彼はマジで怒っているよ。

diedは「死んだ」、deadは「死んでいる」

dieやdeadという単語は、直接「死」を意味するため、会話の中で使うには配慮が必要です。今回紹介した”pass away”、”have/be gone”、”lose”などを、状況に応じて使うと良いでしょう。一方、正式な書類などには、「死」という事実を正確に伝える必要があるので、dieやdeadなど直接「死」を意味する言葉を使うのが良いでしょう。

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雑学

簡単でわかりやすい!diedとdeadの違いとは?deathとの違いや例文も元塾講師が詳しく解説

翻訳ソフトで「死んだ」という日本語を英訳させたらdiedとdeadの二つの言葉が表示された。しかし、この二つの言葉は同じ意味ではない。そこで今回はdiedとdeadの違いをはっきりさせよう。元塾講師のホンゴウ・タケシと一緒に解説していきます。

ライター/ホンゴウ・タケシ

大学時代に留学経験を持つ元塾講師。その後企業に勤めアメリカ、ドイツ、カナダ、メキシコ、オーストラリアでの滞在経年を持つ。実際に使える英語を解説していく。

diedとdeadの違いとは?

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日本語の「死んだ」という言葉には、二つの使い方がありますが、私たちはその違いを理解して使い分けています。どのように使い分けているか確認していきましょう。

diedは動作、deadは状態

一つは「死んだ」という過去の動作を表す場合。「私の犬は昨日死んだ」など。もう一つは「死んだ」という状態を表す場合。「死んだ言葉(死語)」など。前者ではdie(死ぬ)という動詞の過去形diedを、後者では名詞を修飾する形容詞deadを用います。英語にすると”My dog died yesterday.”と”Dead language”になりますね。

deathとの違いは?

動詞のdie(死ぬ)、形容詞のdead(死んだ)ともに名詞のdeath(死)についても押さえておきましょう。

1.Everyone comes to death.
2.Everyone dies.
3.Everyone will be dead.

この三つの英文すべて「誰もが死を迎える」という意味です。品詞ごとに使い方に注意しましょう。

また1.2.の英文では、ともに不変の事実を表すので動詞は現在形を用います。一方、3.は動詞を現在形にし”Everyone is dead.”とすると「誰もが死んでいる」という現在の状態を表すので、必然的な未来を表す助動詞willを加えましょう。

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