
3分で簡単にわかるターコイズとトルコ石の違い!名前の由来やラピスラズリとの違いについて工学系院卒ライターがわかりやすく解説!
ライター/through-time
工学修士で、言葉や文学も大好きな雑食系雑学好きWebライター。学生時代の経験と知識を生かし、ターコイズとトルコ石の違いについて詳しく解説していく。
ターコイズとトルコ石の違い

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「ターコイズブルー」「ターコイズグリーン」と色の名前にもなるほど独特かつ印象的な色が魅力で、12月の誕生石にもなっている宝石ターコイズ。トルコ石はその別名であり、両者に違いはありません。どちらも「水酸化銅アルミニウムリン酸塩」という鉱物を指しており、英語名がターコイズ、日本語名がトルコ石というだけです。
ここからは名称をターコイズに統一し、どのような宝石なのかを解説していきましょう。
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ターコイズとトルコ石の名前の由来
ターコイズ(turquoise)の語源は、フランス語で「トルコの石」を意味する「pierre turquoise(ピエール・チュルクワーズ)」です。日本語名のトルコ石もそこから来ています。
主要な産地であったペルシア(現在のイラン周辺)で産出したターコイズが、トルコを経由してヨーロッパにもたらされたのがその名の由来です。また、ターコイズがヨーロッパに持ち込まれた当時、ターコイズ鉱山のある地域がトルコ系王朝の支配下にあったからという説もあります。
現在のターコイズ産地は、イランやアメリカ南西部、中国(チベット自治区を含む)などです。なお、トルコでは産出されません。
ターコイズの特徴
微細結晶の集合体であり、不透明な色合いを呈します。化学組成はCuAl6(PO4)4(OH)8・4H2O。銅採掘の際、副産物として採取されることが多い鉱物です。
青色は銅によるもので、純度の高いものは鮮やかなスカイブルーですが、不純物の鉄の量が増えると徐々に緑がかっていきます。また水分を多く含むため、熱や日光によって脱水すると変色してしまうことも。
パイライト(黄鉄鉱)やマーカサイト(白鉄鉱)などの鉱物や、母岩の一部などがターコイズの内部に入り込んで模様を形成するものを「マトリックス・ターコイズ」といいます。中でも、蜘蛛の巣状の模様を持つものは「スパイダーウェブ・ターコイズ」と呼ばれ、特にアメリカで人気です。
母岩(マトリックス、Matrix)は、特定の鉱物や化石などを含んでいる岩石のことです。
ターコイズとラピスラズリとの違い
ターコイズと同じく12月の誕生石(日本のみ)で、不透明かつ鮮やかな青を呈する半貴石に、ラピスラズリ(lapis lazuli)があります。
ターコイズと異なり、ラピスラズリは単一の鉱物ではありません。方ソーダ石グループに属する4種類の鉱物が混じったもので、主な成分はラズライト(青金石、(Na,Ca)8(AlSiO4)6(SO4,S,Cl)2)です。また、金色の細かい粒状のパイライトや、白い筋状のカルサイト(方解石)を内包することもあります。
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